映像制作者の映像レビュー

★★★★☆


ほぼワンシチュエーションながら、2時間全く飽きずに見られる完成度。

ゴロンゴロンと状況がひっくり返っていくプロットは見事。

「12人の怒れる男たち」を思い出した。


日本独自の文化「切腹」をテーマにしつつ、

権威の欺瞞を痛烈に皮肉っている。

カンヌ映画祭で受賞したのもうなずける。


面白いプロットがあって、上手い役者が演じて、素直に編集して。

物語にスムーズに入れて「監督」の存在を意識しない。

実はこれこそが、本当に上手な「映画監督」なんじゃないかな。




映像制作者の映像レビュー

★★☆☆☆


ヒッチコックの1929年の作品。

「こんなシーンでこんな音?」と何度も不思議に思ったが、

見終わって調べてみたら、これがヒッチコック初のトーキーだったとのことで納得。


画と音の距離感を色々実験している感じが出ていて、

その遊び心というか、チャレンジ精神が、今の自分には足りてないな~と反省。


1929年といえば、たかだか80年前。

100年も経たないうちに、やれハイビジョンだのCGだの5.1chだのと、

技術の進化はすさまじい勢いだが、まだまだきっと、やり尽くされたワケではない。

もっと自分が遊びながら、楽しみながら作ってもいいのかもな。

映像って、エンターテイメントなんだから。




映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


CIA vs テロリストの攻防を描いた話。


日本にいると、正直なところ他人事で、

(本当はそれではいけないんだろうけど)

客観的に見ていると、

お互い自分の「正義」を押しつけ合っているだけじゃ

解決しないことは明らかなんだが、

両者ともに妥協点を見つけて解決する気もないという、

グダグダの様相がとてもリアル。


報道とかでは伝わってこない「現実」は、こういう感じなんだろう。

制作視点を忘れ、ストーリーに没頭してしまったという意味で、

すごくきちんと作られてる映画。








映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


災害とか病気とか、人間が及ばない力によって生死を描き感動させる。

この手のモチーフを使った映画は好きじゃない。

企画として安易すぎるから。


映像は頑張って大掛かりにやっているし、

本気で作っているのはわかるが、いかんせん、

ハッピーエンドに向かってのプロットが読めすぎて「裏切り」がない。


なので、かな~り冷めた目線で見ていたのだけれど、

そんな中で唯一、引き込まれてしまったのは、子役の演技。

この子、すごい。




映像制作者の映像レビュー

★★☆☆☆


もともと「ザ・ハリウッド」な映画はあまり見ないのだが、

昨年の興行収入がすごかった、アカデミー助演男優賞を獲ったなど、

話題になっていたので遅ればせながら視聴。


まぁ確かに、映像はすごいですよ。

CGのクオリティも高く、見ていて「ここ、おかしくね?」と思うようなカットは一つもない。


だからこそ、ストーリーが重要でしょ!と言いたくなる。

もう何べんもこのブログに書いている気もするが、

どんな映像でも、もう驚かないんだ。


トラックが吹っ飛ぼうが、建物が爆破で崩壊しようが、

実写かCGかは知らないが、それがどんなにリアルであっても、

「そこ」では見てる側の心は動かない。


肝心な登場人物の葛藤なり決断なり、優しさなり愚かさなりが、

あまりにチープで全く感情移入できず。

コミックスだから成立してる台詞を、そのまま喋らせてる感じ。


これが昨年のヒットか。。。

アメリカ人って、そんなに馬鹿だっけ?








映像制作者の映像レビュー

★★★★★


1967年のフランス映画のデジタルリマスター版。


ミュージカル映画はあまり見ない方だが、

(ミュージカル好きな男、というのも会ったことない)

この映画は文句なしに、完成度が高い。


音楽がいい。プロットがいい。キャストがいい。

デジタルリマスターによって再現された「色」が、これまたいい。

歌と踊りとシナリオの、完全エンターテイメント。


何と言っても、ラストカットのオシャレさには脱帽した。

名作。







映像制作者の映像レビュー

★★★★☆


1955年公開の映画。恋愛映画の最高傑作との呼び声もある(wikipediaより)。


確かに、終戦後を舞台にした脚本ながら、台詞のここかしこが
現代に生きる自分にもズシンと響いてくる。
それだけ男女の「普遍」に到達しているということだろう。

「幻想」の恋と、「リアル」の愛。
「幻想」を求める男と、「リアル」を求める女。
どちらも身勝手で、したたかで、不器用で。

作り手が言いたいことを役者に言わせるのではなく、
台詞の行間と演技でじわりじわりと伝えていく。

日本語は表現力が豊かすぎて便利だから、
書き手はついつい、しゃべらせてしまう。
昨今の邦画をつまらなく感じさせている原因はそこなんだとわかった。

カメラワークやらCGやら、映像技術は格段に進歩した現代だが、
「伝わる映像表現」としては、役者も、脚本も、昔に作られた
映画の方が格段にクオリティが高い。



映像制作者の映像レビュー

★★☆☆☆


カンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞したルーマニア映画。


・・・暗い。


テーマも暗いし、街も暗いし、画面も暗いし、人物も暗い。


そこで手持ちカメラ?だったり、ここまで長回し?だったり、

映画手法としては、かなりざっくりしてる。

そして、だからこそ、妙にリアリティがある。


確かに普段の生活って、無言の時間が長かったり、

中身の無い愚かな会話や行動してたりするよな。


ここまで演出くささを排除していく、というやり方もあるのか。

ルーマニア映画、恐るべし。あまり好みではないけど。




映像制作者の映像レビュー

★★★★☆


「レッドクリフ」でも感じたが、中国人の考える”映画”ってものは、

日本のそれと全く違う概念だと思う。


セットとエキストラと衣裳だけで、一体幾ら使ってるんだか、見当がつかない。

一言で言うと、「やりすぎ」(笑)


最大に引いたサイズの画はさすがにCGで、それが「CGだなぁ~」と

わかってしまうレベルなのも、レッドクリフと同じ。


まぁ、日本では絶対に実現できない規模だし、ハリウッドでもこんな

クレイジーなことはやらないので、その意味では「中国映画」という

一ジャンルとして確立できているのだろうが、映画が産業である以上、

この力技がいつまでも続けられるとは到底思えない。


ただ、大きいスクリーンで見ることを前提に作られたスケール感と、

色鮮やかな画面構成という意味では、

黒澤の流れを汲む至って正統な「映画」なのかもしれない。







映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


WOWOWで放送されたドラマ。

まだ半分見ただけなので、総評ではないが・・・惜しい!


ドラマのプロットとしては良く練られている。

柳葉敏郎とか国村準とか、人間のエグい裏表を表現させたら

上手い役者陣が脇を固めてる。


しかし・・・主演の三上博史が・・・もうホント、なんか全てぶち壊してる印象。

いちいちリアクションが大げさすぎて、全く共感できず。


制作視点で言うと、「画面デザイン」という意味で、いい画が少なすぎ。

編集がかったるすぎ。テーマ音楽がかかりすぎ。台詞が解説しすぎ。

地上波でやってるドラマの域を全く出ていない。

せっかくWOWOW限定でやるなら、地上波でできないクオリティを出して欲しかった。


脚本と主演を変えて映画監督とかに撮らせたら、

海外でも勝負できるドラマになったかもな~。

ま、一応最後まで見てみます。