霧の世界から出て、雨の中をひたすらに駆ける。

体力が奪われ無心。

早く、早くキャンプ場に行きたい!

浸水は重症で、パンツまでびしょびしょ。

私の体で今渇いてる所あるかな?


十三湖にたどり着き、いよいよお腹が限界だった為、トイレに入った。

そしたら、ついにめげた。

けれど、目の前にキャンプ場がある。

今日はここ!!

しかし、十三湖に浮かぶ島にあるキャンプ場には、車両乗り入れ禁止だった。

やだやだ。もう極力動きたくない。

濡れた布が着いたり離れたりが気持ち悪い!!


もう少し先の無料キャンプ場に向かう。

「着替えたい」しか考えられない。

近いのに、遠く感じたキャンプ場に着くと、先客さんが居た。

雨だから…と桜の木の下にテントを張ろうとしたら、「トイレの屋根の下なら怒られないよ!」と教えてくれた。

ありがとうございます!

軒下を占拠し、ひとまず安心。
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そしたら風呂に入ってリセットしよう!

近くの民宿に行くと、日帰りをやってなかった。

日帰り湯を教えて貰って、そこに行くと、今日は休みだった…。

うー、もう、もういいれす!!

自暴自棄な私の目の前には、津軽霊場河原地蔵尊が。
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立ち寄ってみたら、かなり信仰が深そう。

風車がいくつもあって、お地蔵様には服が着せてあった。

写真を撮るのもはばかられるたたずまいに、私はすごすご退散した。


風呂の替わりにビールを買ってテントに戻り、ようやく着替え。

体はひどい状況だけれど、『雨なのにキャンプ』してる自分が、非常に旅人らしくて、満足☆
バイクにて竜飛岬へ。

途端に真っ白。

これか!

岬に着いて、灯台に向かうも真っ白。
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ある意味素敵!!


浸水は、直腹にたどり着き、私の脆弱な胃腸は悲鳴を上げ始めていた。

ひとまず、落ち着けるトイレまで頑張るのだ!と己を励まし、急いで竜飛岬を後にする。

つもりが、『階段の国道』の向いに、『階段の村道』があり、写真を撮らずにいられない。
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あげく、津軽海峡冬景色がかかっている石碑まである。
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ああ、写真…。それよりトイレ…。

素早く撮影し、走り出す。


しかし、ここから先は、『素早く』したら、即、死であった。

霧が、真っ白に視界を遮る。


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見えるのは10m先までだろうか。

近頃霧好きな私には、とても素敵な眺め。

が、高度が上がる毎に、どんどん霧が濃くなってくる。

5m先も見えない。

真っ白しろすけが迫ってくる!!!

雨が刺さろうと何だろうと、シールドを下げて走れない。

幻想的な中に、底知れぬ恐怖。

腹痛どころでは無い。

急カーブの矢印が見えたって、道が見えぬ。

そんな状況なのに、私、若干浮かれてる。

やっぱり霧が好きで。

山から降りて来て、霧が薄くなるとがっかりした。

しかし、私のこれから走る道までも見えて見事な景観だった。

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延々と雨に打たれ、一度見てしまった為に浸水が気になり、さらにます雨脚に、いよいよ辛くなってきた。

ふと薬研と大間で会ったライダーさんの言っていた言葉を思い出す。

「雨だと、楽しむ為に走ってるのに辛くて、何でこんな事してんだろうって思うよね。」

同感!激しく同感!!


海は、雨に似合わず静か。

高野崎に立ち寄り、雨の中散策。

赤い掛橋がかかってる。

けれど、行く気力が…
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悪天候なのに、海がとても綺麗だった。

義経寺付近で、いよいよ雨が強くなったから、近くの公園で休憩する事にした。

公園のあずまやには先客がいた。

40代くらいの男性2人。

全然余裕が無く、無愛想にあずまやで休む。

すると、すごく気さくに話し掛けられた。

「バイクでどこまで?」

「竜飛です。」

「雨大変でしょう?」

あまりに自然で、安心材料の東北弁だったので、一気にふわぁっとなった。

このお二人は、今日イカ釣りをするべく夜に船に乗る為に来ているそうで、すでに、宴会を開始する所。

プシッとビールを開け、おつまみの焼鳥と、パンをくれた。

さらに、「あ、飲みますか?」

コ、コラ!ダメダメ!!ホントは飲みたいけれど、まだダメ!!

替わりにお茶をいただいた。

とてもお話好きな方達で、途切れる事なくおしゃべり。

楽しい。いっそ今日はここまででもいいかしら…。

イヤイヤ!と葛藤。

竜飛岬に行ってから、十三湖の方まで行く予定…と話すと、真顔で

「オススメしない。」

山道の上、風は強いし、何より霧がすごいらしい。

一瞬めげそうになったけれど、行ってみたら意外といいかもしれない。

と、私の心は固まった。


ずいぶんと長い事話していたら、雨が止んで来ていた。

今がチャンス!!!

お互いに「気をつけましょうね!」と言い合って出発!

竜飛まであとわずか!


竜飛岬には、珍しすぎる階段の国道があるので、まずはそちらに。

見つけられず素通りしつつ発見!!
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色違いだけど、オズの魔法使いのレンガの道みたく赤く印されてる。

住宅がひしめく中に、細々と。
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近隣の住民は、観光客に迷惑してませんか?

登ろうかと迷ったが、気力が無かったからバイクに跨がった。


私の頭には「♪わ~たしは一人~」のフレーズが延々と流れていた。

さあ出発…。

どんよ~…。

まだ小雨だからいいが、今日は本降りになる予報。

青森市内はまだ平気。

市街を抜けると途端に雨が強くなった。

でも寒くないし、まだ元気いっぱい!

広がる田んぼと真っすぐな道に沿って並ぶ電柱、霧がかかった山の景色は、
誰かの思い出の中みたい。

徐々に強さを増す雨に、めげないようにと先手を打って休憩。

コンビニのベンチで缶コーヒー。

うん、まだまだ元気。

後はひたすらに竜飛を目指す。

晴れていれば間違いなくいい道。

車通りも少ないし、どんどん進む。


しかし、進めば進むほど、雨が効いてきた。

早めに休憩。道の駅平舘にピットイン。

バイクを降り、「まさか、まさか…」とカッパを脱ぐ。

や、やっぱり。

まさにおもらしの様に浸水。

なぜだ!!

上半身も、毎度のごとく濡れている。

どうして?と何気なくカッパの縫い目を見たら、縫い目からの浸水を防ぐテープがビロビロと剥がれて来ていた。


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こ、これだ!!

ガムテープで補修。

しかし、濡れているからか、素材なのか、全然張り付かない。

でも、やらないよりはいいでしょ。
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雨が緩くなるのを待って、再び出発。



すでにだいぶめげてきた。


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いい時間だなー…。

ねぶたの里に行きたかったが、もう閉まってるだろうな。

何で今になってかと言えば、行く気の無かったねぶたに行く事にしたから。

ただし、一度帰宅してから。

どうやらすんごい楽しいらしいし、何人かと再会出来る♪

その予習のつもりだったが、行動遅い。

そんじゃあ、雨も降ってないしキャンプしようかなー。

けどあのネットカフェもう一度行きたい…。

ぐるぐる考えて、明日から、いやがおうでもキャンプなのだから…とネットカフェに行く事に決定!

時間稼ぎに、溜めに溜めた洗濯をば…。

ちょいと走ってコインランドリーへ。

いつも洗い忘れがあるから気をつけていたのに、また忘れてるのがあるし。

つか、ジーパンが一番重症なんだが、脱げん!!

仕方ない。帰るまで我慢だ。

いつもは何時間もかかる様な気がしてたが、今日の洗濯機と乾燥機は優秀。

すぐ終わっちまった。

いや、いいんだよ?今日は時間かかっても…。


うーん、うーん。

そうだ!フェリー埠頭に行ってみよう!


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一年ぶり。


フェリーに乗らないくせに、旅情を漂わせてみた。


すると、私の隣に本当に北海道に渡る旅人が…。


冷やかしなんです!ごめんなさい!!


会釈だけして遠巻きに見て退散。



せっかく夜なんだから…と、青森ベイブリッジに行く。


綺麗な橋だあ。写真を…


流れに乗ってて止まれない。


ベイブリッジは遥か遠くへ過ぎ去った…。


青森市の市街地は、何だかワクワクするような商店街が並ぶ。


家から近いんだし、今度遊びに来てみよう。



いい時間になったから、再びあの快適ネットカフェへ。


日曜だからすんごい混んでる!


危なくマットブースに入れないところだった。


それならキャンプしたいわ。



またまた快適ゾーンでまったり~。


もういっそ住みたい!