旅で最後に立ち寄る道の駅、雫石あねっこへ。

旅人に大人気の道の駅。

温泉完備、24時間の休憩室完備!


バイク買いたての頃は、ここまでくるのが大冒険だったけど、実際盛岡までは2、30Kmぐらいしかない。

今の私にとっちゃ庭よ、フフン。


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いつも停めていた場所にバイクを停め、いつもやっていたように缶コーヒーを飲む。

というか、近頃、自販機は『あったか~い』がほとんど無いのにたくさんある!

さすが山!!

そして、電波がある!

去年までは圏外だったのに!

やりおる、SoftBank…。

でももっとガンバレ。


そして、いつもの様に(?)うんちをする…。

こっ、腰が痛くてキバれない。

ファイトオー!!


さてすっきりした事だし、行きますか。


どのルートで帰るかな…。

田沢湖までの道程は、バイクでは、日本一周で走ったのが初めて。

それ故、建物を見ないと道を覚えてる所が少ない。

田沢湖へ入る道を過ぎれば、見覚え深い。

そして仙岩峠。

以前は恐々走っていた。



「何が怖かったの…?」

もっとイケルよ!!

すごい成長だ!!

しかし、やたらと工事をしていて、結構詰まってた。

腕試ししたかったのになー、チェッ。


仙岩峠は、山深い。

前から漠然と、すごいなぁーとは思っていたけど、今、また通って、改めて実感した。

私が、山に囲まれていないと落ち着かないのは、こういった山々が側にあったからだ。

けれど、それを特別意識していなかった。

当たり前にあったから。

たくさんの場所に行き、たくさんの地を見たからこそ、ハッキリと自覚出来た。

遠くに行き、近くを知った。


仙岩峠最長のトンネル、仙岩トンネルに差し掛かる。

なんとここも工事中。

片側通行で行列が出来てる。

私のトンネル嫌いはきっとこのトンネルが原因。

やたらと長く、路面はいつも濡れていて、しかもツギハギが多い。

果たして、このトンネルも余裕で走れるだろうか…。

緑の旗が振られ、突入。


…やっぱり克服出来ませんでした。

何を工事してるのか知らないが、相変わらずのツギハギ。

道がテラテラ光ってて、今にも滑りそう…。

うひ~…。


路面と前の車のテールランプのみを見続け、トンネルを抜けた。

そしてついに、岩手県に帰って来た。

ただいま…

じんわりとその言葉が口をついた。
さあ、家に帰ろう。

パラパラと小雨が降る中、秋田市を出発した。



やばい。



泣いちゃうぞ…。



まだ終わって無いんだからしっかりおし!


布団で寝たからか、腰は少し良くなってた。

男鹿…

いや、少し良くなっただけで、まだ普通の生活にも支障をきたすレベルよ?

帰るって決めたでしょ!


やたらと自問自答が多い。


海水浴に行く時によく通る道に出た。

懐かしい~!!

こんなだった?

そして、日本海に出る前に立ち寄った道の駅、協和に入る。

行きと帰り。

うん。

これは儀式。


お土産品は、『お土産』じゃなくて、見慣れた品。


空腹だったから、すうどんを食べた。
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数々のうどんを食べたけど、『おいしい』うんぬんじゃなく、一番落ち着く味だった。


さあ、出発。

キャンプ出来ないなら、せめてネットカフェ…。

しかし、秋田市には、行きつけの店が一つも無かった。

けれど、ネットカフェ…。

行った事のない店に行く事にした。

グルグル迷ったおかげで、だいぶ根尽きて来ていた。

ようやく見つけた駅近くの店は、東横インと一体になっていた。


グラッ、、



けれどやっぱりネットカフェの方が泊まりたい。


駐車場は立体になっていて、バイクお断りだった。

またグルグルと周りを探したけれど、駅の駐輪場しか無かった。

冗談じゃない!というか、もう疲れた…。


もういい!東横に泊まるからいいもん!!



まあ結局東横にも駐輪場が無く(同じビルだから当たり前だ)そばの有料の駐輪場に停めた。

ぐしゃぐしゃだし、腰は痛いし満身創痍。

部屋に入って服を脱いだら、濡れて無い所がほとんど無かった。

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どうしてもネットカフェに行きたかったから、同フロアのネットカフェに行ってみた。

本当はここで寝るつもりだった。


…良かったここじゃなくて…。


寝るにはちょっと向かない。

最後がここじゃあへこんだわ。


旅中最後のネットカフェは、満喫も出来ずに出た。


いっくらギックリ腰だからって、やっぱり最後の晩餐はしたい。

少なめにビールを買った。

最後の夜らしくないけど、空調の効いたフカフカのベッドの上で一人乾杯。


さよなら、『よぅそろお』

明日になれば、旅が終わる。




今さら、無償に切ない。


実は感じてた事がある。


家族に会って、私の旅は一回終わっている。


再び別れ、走り出してからは、もう新しい旅路だった。


そんな感じがしてた。


無理に延長戦をしているような…。



最後の日のプランはけっこうしっかりあって、最後の夜は、絶対キャンプ。


キャンプ場も決めてあった。


一人、最後の夜に乾杯するのだ。


そして、日本海側に出た時に通った国道を戻り、私の一周は完結するのだ…と。



それが出来ないのは、本当に残念だ。



けれど、これにも何かの意味があるものなんだと信じている。



盛岡まで走るのはとても無理だった。


徐々に腰の痛みが増してきたから。


男鹿は見れなくても、キャンプ出来なくても、日本海側に出た時の国道を、どうしても通りたい。


今日は秋田市まで走ろう。



そして、最後の県、秋田県に突入した。


強まる雨脚から、一時非難したくて、道の駅はちもりに入った。


あずまやに行こうとしたら、先客さんがいた。


邪魔かな…と少し迷ったけど、広いあずまやだったから、遠慮せずに入った。


チャリダーさんがお食事中。


目が合って、会釈。


「どちらから?」


「北海道です。」


「日本一周ですか?」


「はい。」


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去年の6月に出発、冬は沖縄で越冬、ねぶた目指して北上中。


共通項多い!


嬉しくなって食事を邪魔してたくさん話かけちゃった。


はにかんだ笑顔と、物静かな話し方が魅力的。


しばらく、あずまやで雨宿りしつつ、おしゃべりした。



私の旅で、もしかしたら最後に会う旅人かもしれない。



良かった。まだ旅の魔法は消えてない。



「じゃあねぶたで!!」


また会いましょう!



雨はまだ強いけれど、私は出発した。


シールドにバチバチと雨があたり、いまだかつてないほど、カッパの中が濡れていくのを感じた。


おもらしどころじゃない。水没。


ちょっとした動きで腰は、下半身麻酔の注射を打たれた時みたいに


ジ~~~ンとしびれるような痛みが走る。


たまらん!


すぐ次の道の駅みねはまで休む。


室内の休憩所があって助かった。


あったかいオニオンスープを飲み、体を温めようとしたが、焼け石に水。


体を動かす事も出来ずに、凍えながら出発した。



ここからは本当に長かった!


距離にしたら60㎞前後と思うけれど、とてつもなく長かった。


秋田市に入り安心していたが、例にもれず道に迷う。


だああ!寒いっちゅうのに!



通行人のおねいさんに道を教えてもらい、ようやく目的地に着いた。