道の駅を出発してから、「私、お腹が空いたから行ったんじゃん!」と思い出した。

むうぅ…。

こうなったら、郡山まで行って、朝昼一緒にしよう。

道の駅に、福島三大ラーメンてのがあって、郡山にとんこつラーメンがあると知ったので、とんこつラーメンだ!!


さわさわそよそよとなびく稲を眺める私は、きっと今、仏の様な顔をしているに違いない。

それほど穏やかな気持ちになれる道。

街中に入っても、広々した印象。

郡山は好きな街の一つ。

ちょうど信号で止まると、目の前に『とんこつラーメン』と看板が出ていた。

ココにしよう。

貸し切り状態の店に入り、メニューを見たら、『九州』と書かれている…。

とんこつ違いだった。

しかし入っちまった。

出れないよね。

ラーメンは細麺の九州ラーメン。当たり前だけど。
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すんごくおいしかったから、満足っス。


ひとまず目指した猪苗代湖に到着。
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思ったよりだいぶ早かったな。

磐梯山はー、と。

…曇ってます。

あれかな?
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毎度毎度、山を綺麗に見れないなぁ…。

晴れてたの九州くらいか?

猪苗代湖でパシャパシャしてみたら、意外と冷たかった。

じゃあ裏磐梯へ向かおう。

曇っているからか、山だからか、すんごい寒い。

ここの所暑かったからキクわー。

近づくにつれ、磐梯山が見えてきた。

じゃがいもみたいにボコボコ。

山肌には猪苗代スキー場がある。

こんなに緩急あると、初心者大変だよ。

久々にゲレンデを見て、すんごいボードしたくなった。

まずは五色沼へ。

駐車場からすぐに毘沙門沼。

青っ!!

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固めの青緑のペンキを白いボードに塗ったくった様な…。

こんな色なら、濁ってるのかな。と沼の淵に行くと、バカデカイ鯉が悠々と泳いでる。

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でかいわ~と覗き込むと、ものすごく下を泳いでる鯉まで見えた。

透明そのもの。

王蟲の住家みたい。

鴨なのに一匹狼がいて、ごはん欲しさに愛嬌を振り撒いていた。

すんごい近いけど、いいの?

ちなみに梅干ししか持ってないけど…。


他の沼に行くかなーと思ったが、距離ありすぎなので怖じけづいた。

じゃあ行くわ。

バイバイ鴨ー!

素晴らしい天気!!

私の背中を押す青空。

気分上々、北上開始。

海沿いではなく北西に進路をとる。

福島は何度か来てるので、来た事の無い方面へ向かう。


東北だからって、線引きされて気候や風土が違う訳じゃないのに、
岩手から来ると、全然違うって思うのに、
(地元だ~…)と強く感じた。

ここが茨城って言われても分かんないのに。

山々は、やっぱり岩手とも違うし、植物だって微妙に違う。

けれど慣れ親しんだ岩手と近い空気や、東北であるという曖昧な境目が、複雑ながら私を安堵させる。


今ちょうど秋。

気持ち的に。

実って、葉が色づいて、いっそう鮮やかな時期。


切なさすら感じながら、快適過ぎるほど、山に囲まれて気持ちの良い49号線を走る。

空腹に耐え兼ねていると、道の駅ひらたが見えたので入る。

出来立てほやほや!?

めっちゃくちゃ綺麗で新しい!!

休憩室なんか快適そのもの!!
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時間書いてないから、もしかして24時間かもっ。

オニギリでも…と思ったけど、おこわとかしかなくて、レストランも開店前だったから、食べずに休憩した。

トイレも美しい…。

ぜひここでうんちをしたい。

冷え冷えの野菜ジュースで作戦成功☆


すんごいまったりしてしまっているが、時間無いんですよ~。

もう一服したら行こう…。

『東北』というだけで、地元の匂いがした。


ああ、どうしよう、終わってしまう。


急に頭の中が破裂しそうなパラドックス。


帰り着いた安心感、遠くなってしまった足跡。


混乱して泣いてしまった。


けれども足を止めずに走り続けた。


私がひたすらに向かったのはいわき市。


いわき市にお気に入りのレストランがあって、帰りに絶対寄ろうと思っていたのだ。


未来が現在になっていく。


どんどん見覚えのある地名が出てくる。


本当にあと少しで終わってしまうんだ。


自分の地方に帰ってきたという事が、こんなに強烈だと思わなかった。


レストランに向かって県道に入ると、ネットカフェがあった。


今夜はここにしよう。


素通りして、目的地『マンマ・マリィ』へ。


パスタやピザが、絶品なのだ。


とにかくおいしくて、盛岡から遠いこの店に何度か食べに来ていたくらいのファン。


たくさんあるメニューから、今夜チョイスしたのは、ムール貝とツブ貝のぺペロンチーノ。


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期待を裏切らないおいしさに大満足。


このおいしさの秘訣って何だろう…。きっとシンプルなんだろうけど、絶妙な味付けなんだろうな。


食後にコーヒーを飲んで、すっかり堪能した。



真っ暗な道を戻り、今夜の宿に滑り込んだ。


明日はさらに終結へ向かうんだ。



福島に入っただけでこんなに動揺して、私、岩手に帰ったらどんな風になるのかな。


それほどまでに、旅に浸かった日々だったんだな。

鹿島神宮からまた潮来に戻って、再び霞ヶ浦の縁、行方を走る。


KPいわく「何にも無いよ。」


一面に広がるは田んぼ。


田んぼの先に霞ヶ浦。


水位高い!田んぼと同じ目線にある。


道は真っ直ぐで、風は強いが大変走りやすい。


そう、こんな道が好きなんです!!


かなり快走で、高速道路を経験したからかなかなかスピードに乗って走れる。


355号線から354号線へ乗り換えて、海側へ向かう。


354号線を途中で見失い、グールグル遠回りしながらも何とか北浦を越える橋にたどり着いた。


橋、えらい細いんですが…。


風に煽られながら、対向車をかわすのは恐ろしい。


横には新しい橋を建設していた。やっぱり細いから?


今度は51号線に乗り換え。うんスムーズ!


ひたすら北上して、大洗マリンタワーに寄る。


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ここは一つ、登ってみようじゃないか!


エレベーターがガラス張り。勘弁してほしい…。


展望はすばらしい!!


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海が見渡せるというより、街が見渡せる。


平らだ~。ふと、『関東平野』という言葉を思い出したが、ここも入っているのか…?


ぐるっと回って、尻がムズムズしたから、1階におりて、宝探しゲームをしてみた。


クイズに答えて地図をゲットしていくゲームなのだけど、あと一つ…って所でゲームオーバー。


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クイズ難しすぎるよ~。


再挑戦はしません。だって、ゲームのマウスがバカになってて、カーソル動かすのイライラするんだもん。


灼熱の外に出て、再び北上。


かなり迷った。


ここはどこ~?


地図を見ながら、勘をに頼りながら何とか軌道修正。


すると、原子力博物館とな。


行こう!!


意気揚々と入り口に向かうと、あれ、日付がおかしい。
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もしや、やはり?


『16時閉館』


今は16時半。


くそお!道にさえ迷わなければ間に合ったのに!!


あははー見れなかったや!一人薄ら笑いを浮かべながらさらに北上。


海側の245号線から、6号線への分かれ道、右折すると、海に飛び出す橋!!


あんなに暑かったのに、急に空気が冷たくなる。


うわあ!気持ちいい!!


けれど、沖縄の波の上ビーチみたいに、橋に邪魔されて景観を損ねているんだろうな…

と思うと、素直には喜べなかった。


後は道なりに真っ直ぐ真っ直ぐ。福島県を目指す。


結構遠くて、コンビニ休憩を挟みつつ、真っ直ぐ真っ直ぐ。


日も暮れだす頃、ついに福島県に入った。


1年ぶりの東北。


(終わっちゃう、終わっちゃう。)


旅が終わる予感に満たされた。


奥宮から分かれ道。

左を進むと、『御手洗池』と言う涌き水がある。

コンコンと湧いているのに、胸を越すことはないんだとか。
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涌き水らしい透明な清い水で、昔はここで身を清めてから参拝していたそう。

大きな鯉が悠々と泳いでいて、木陰になっているし涼しい。

聖なる水の風格。

さらにそれを盛り上げたのは、横笛の音色。

どこからだろう…と庭園の奥に行ってみると、あずまやに笛を持ったおじさんが座っていた。

様子を伺う視線を投げかけると「どうぞ。」と促してくれた。

私はてっきり神楽の笛かと思ったけど、まったくの我流だと言う。

笛の説明の後、即興での演奏。

「曲名は、強いて言うなら『喜び』。うぐいすの曲。」

民族色の強い横笛の音色が、あずまやに反響した。

我流とは思えない見事な腕前に、私は今を忘れて聴き入った。

直接息を吹き込む笛は、何か特別な楽器だと思う。

先ほどまでは、ホトトギスが鳴いていたのに、うぐいすが鳴き出していた。

一時、持ち歩ける楽器を弾けるようになりたいと思っていた。

強烈に、横笛に惹かれた。

ありがとうおじさん。見事な演奏だったよ。

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再び奥宮に戻り、今度は右に進む。

境内なのに、森の様な参道を歩くと、『要石』がある。

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30cmくらいだろうか。頭が見えているけれど、
「七日七夜掘っても掘りきれず」と記述が残るほどの巨大さらしい。

鹿島神宮の大神が降臨した御座…他、色々と伝説がある石。

全貌が分からない、神懸かったお姿。


あらかた見たので、本殿の方に戻り、お守りを眺めていたら、『鹿島の帯占い』てのがある。

三角に折られた帯状の紙に2本の糸が入っていて、端が4本飛び出している。

これを結び合わせて、糸の結ばれ方で願い事が叶うか占うのだ。

願い事を神様に祈り、無心で糸を結ぶ。

引き出すと、一つの輪っかになってる。


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「ああ!良かったですねぇ!」と、巫女さんに賛辞をもらう。

一つの輪っかは、願い事が叶うという事。

ありがとうございますっ!!と神様にお礼をした。

近頃、おみくじは大吉だし、何だか素敵な予感がする。


そりゃあもう上機嫌で、鹿島神宮を後にした。