今度は真ん中を走る私。
BMWに囲まれてます。
発進力の違いをまざまざと見せつけられてます。
待ってええ!!
頑張れ相棒!!
相変わらず任せっきりで走っていたら、史上最大の睡魔に襲われる。
やっばい。こんなしつこい眠気は初めてだぞ…。
というか、いつも一人で走っているから眠くなるとすぐ休憩したりしてたもんな。
うとうと、うとうと、かるーく白昼夢。
ったあ!危ない!背中を伸ばしてみたり、独り言を話してみたり試行錯誤を繰り返す。
あと少し…のはず…。
ブツブツ。フンフーン♪
……いかーん!断然眠い!!
ファイトォ、佳ー、ファイトォ… うつら~
こんな調子でも、無事に着いた。
い、生きてる…(オーバー)
バイクを停めたおじさんの第一声
「眠かったー!!」
やっぱり!?
でもまあバイクを降りてしまえば眠くったて大丈夫。
さっそくお参り。
参道は長くて、奉納された行灯が並んでいる。
朱塗りの楼門からは、それはそれは立派な本殿が見えていた。
感動した。
漆塗りという黒いお社は、細かく装飾が施され、重厚さを感じるたたずまいが強烈だった。
朱塗りや、白木のままならばよく見るけど、黒塗りって、珍しいんじゃないだろうか…。
参拝して、境内を少し見て回った。
砂利が綺麗に整えられていて、何とも気持ちの良い境内だった。
鳥居を出て、茶屋に入る。
ここから、どうします?
私は、なるべく北に進みたい。けど、眠いから、そこまで遠くには進みたくない。
お友達のおじ様は、一泊しても大丈夫だけど、明日走る場所にもよる様子。
おじさんは、一泊するかしないか、えんえんと悩んでいる。
近くにユースがあったので、そこに泊まろうか…と話はまとまりそうだったが、
おじさん、明日中に大阪に行くそうで、泊まってもあんまり走れないみたい。
お友達のおじ様はそれを聞いて帰る事に。
結局おじさんも帰る事に。
じゃあここで解散ですね。
「一人で大丈夫?って、今まで周って来てたんだもんね。」
はい!毎日迷子になりながらでも、ちゃんとここまで来ましたよ!大丈夫!!
そして、細かい言い回しは忘れちゃったけど、おじさんがくれた言葉。
「千里の道を歩くものは、九百里歩いたら後半分という気持ちで歩く」
もうゴールだと思うと油断してしまうからという戒め。
「色んな人がいるんだから気をつけて。」
はい。
ほんとに何から何までありがとうございました。
おじさんは、私の父や祖母にとても恩があるから!と言っていたけど、私は何にもしていない。
父や祖母が何をしたのかは分からないけど、回り回って私の所に返ってきた。
人に、どんなに小さくても自分の出来る事をするのが、きっと一番大切なんだ。
そうしたら、素敵な円が出来て、回って回って、みんなが幸せの円に入るんだ。
そんなシンプルで奥深い事を、まさに肌で感じた瞬間だった。
走り出す私を見送ってくれたおじさん達。
寂しさが少し漂うけれど、暖かさに満ちた別れだった。
本当に久しぶりに一人のなった。
結局近くの潮来ユースに泊まることにしたけど、その前に行きたいのは温泉。
KPの出身地である行方に、『白帆の湯』がある。
霞ヶ浦に沈む夕日を見ながら入れるとか。
時間的にばっちり!
本日初の迷子になりながらも無事到着。
立派なお風呂!人気あるみたいでけっこう混んでいた。
大浴場からは霞ヶ浦。が、夕日は雲の中。
雲の切れ間が少し赤くなっていた。
今日は夕日は見れないかー…。
でも、霞んだ対岸がうっすら見えて、薄暗くなっていく姿は美しかった。
お風呂から上がると薄暗い。
そういや夜は虫がすごいと言ってたぞ。
走り出して、嘘偽りの無い真実だったと実感した。
シールド上げると目が開けられなーい!!
恐ろしい~。
潮来まで、虫と戦いながら走り、たどり着いたユースは快適そのもの。
建物は古くて、壁に染みなんかがあったが、一人部屋だしテレビはあるしクーラーあるし、部屋の感じはまるっきり民宿。
こういう民宿大好き!!
ゆっくりビールを飲みながらテレビを見て、パリっとしたシーツに包まって早々と横になった。