左を進むと、『御手洗池』と言う涌き水がある。
コンコンと湧いているのに、胸を越すことはないんだとか。

涌き水らしい透明な清い水で、昔はここで身を清めてから参拝していたそう。
大きな鯉が悠々と泳いでいて、木陰になっているし涼しい。
聖なる水の風格。
さらにそれを盛り上げたのは、横笛の音色。
どこからだろう…と庭園の奥に行ってみると、あずまやに笛を持ったおじさんが座っていた。
様子を伺う視線を投げかけると「どうぞ。」と促してくれた。
私はてっきり神楽の笛かと思ったけど、まったくの我流だと言う。
笛の説明の後、即興での演奏。
「曲名は、強いて言うなら『喜び』。うぐいすの曲。」
民族色の強い横笛の音色が、あずまやに反響した。
我流とは思えない見事な腕前に、私は今を忘れて聴き入った。
直接息を吹き込む笛は、何か特別な楽器だと思う。
先ほどまでは、ホトトギスが鳴いていたのに、うぐいすが鳴き出していた。
一時、持ち歩ける楽器を弾けるようになりたいと思っていた。
強烈に、横笛に惹かれた。
ありがとうおじさん。見事な演奏だったよ。
再び奥宮に戻り、今度は右に進む。
境内なのに、森の様な参道を歩くと、『要石』がある。
30cmくらいだろうか。頭が見えているけれど、
「七日七夜掘っても掘りきれず」と記述が残るほどの巨大さらしい。
鹿島神宮の大神が降臨した御座…他、色々と伝説がある石。
全貌が分からない、神懸かったお姿。
あらかた見たので、本殿の方に戻り、お守りを眺めていたら、『鹿島の帯占い』てのがある。
三角に折られた帯状の紙に2本の糸が入っていて、端が4本飛び出している。
これを結び合わせて、糸の結ばれ方で願い事が叶うか占うのだ。
願い事を神様に祈り、無心で糸を結ぶ。
引き出すと、一つの輪っかになってる。
「ああ!良かったですねぇ!」と、巫女さんに賛辞をもらう。
一つの輪っかは、願い事が叶うという事。
ありがとうございますっ!!と神様にお礼をした。
近頃、おみくじは大吉だし、何だか素敵な予感がする。
そりゃあもう上機嫌で、鹿島神宮を後にした。