雇用の流動化が進んでいるとはいえ、『転職』となると、まだまだマイナス
イメージが強いのが日本の労働市場です。
そのくせ企業は、退職金制度といったその会社で働くことのメリットとなる
福利厚生をカットし、欧米型の企業形態へとシフトしようとしています。
どちらかと言うと、まだ「働かせてやる」といったスタンスで、企業の方が
立場の強い風潮にある日本企業ですが、、、
入社準備金200万円
を用意する企業があるそうです。
それは、「モバゲータウン」を運営する株式会社ディー・エヌ・エー。
2010年10月31日までにエントリーして採用されたエンジニアのうち、基準に合った人材に支給するそう。
まぁ、「基準に合った人材」というのが一つミソな気もしますが、海外や地方から応募する人に対して、
転職に伴う転居費用や必要機器の購入を支援することなどを趣旨として支給されるようです。
入社準備金の額の大きさからしてみると、企業としてのプロパガンダが多少あるのかも知れませんが、
それでも中途採用に対する前向きな姿勢や、「企業は人なり」といった考えが伝わってくるのも事実です。
個人的にはこのような企業がもっと増えて欲しいなと感じています。
多くの会社の方とお話させていただいていますが、採用活動に対し、「ウチの会社でがんばってくれる」
というスタンスの会社と、「ウチの会社で働かせてやる」という考えの会社と二つに分かれます。
どちらが良い悪いはありませんが、そこから社風も感じ取れてしまうのが面白いところで、
無論、前者のような考えの会社の方が人気が高いのは言うまでもありません。
別に内心は後者のような考えでも良いのかも知れません。
でも、「より良い人材」を採用するため、「会社の利益に貢献するため」という考えが少しでもあれば、
ウェルカムの表現を使う方が当然得策です。
大卒者の3人に1人は3年以内に転職していく。
広島県の人口よりも多くの失業者を抱えている。
そんな世の中です。
とっても難しい次元、話しにもなってくるんですが。
雇用環境を改善するためには、求職者支援制度 といった施策ももちろん大切だと思いますが、
「転職=辛抱が足りない」といった風潮や、中途採用に対する求職者への考え方を是正するための
啓蒙こそが必要だと強く感じています。
それにしても、200万円を支給される中途者がどんな人なんだろう・・・顛末がとても気になります。