新・極楽日記10話~15話 まとめ読み | ちょっと笑えるお話@しゅんちの極楽日記

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第10話 道場六三郎のポン酢

 

我が家にポン酢ブームが来ている。
きっかけは昨年の夏に徳島県に出張に行った時のお土産で鯛ポン酢を買ってきてからである。

その鯛ポン酢は瓶に書かれた説明によると、鳴門海峡で取れた鯛の出汁と徳島で取れたゆずなどを加えた・・・ということなのだが鯛のコクのある甘めのダシと柑橘系の爽やかさが絶妙にマッチしてやみつきになるうまさなのである。

あらゆるもの使いまくってたらあっという間になくなりそうになり、一家揃って無くなるポン酢瓶を眺め、もう終わりなのね・・・と落胆し、それならいっそのことAmazonでドーンと買ってまえしまえと6本一気に大人買いしてしまったというほどの逸品なのである。

それをきっかけにポン酢の合う料理ということで毎週のようにしゃぶしゃぶ(豚)や湯豆腐をヘービーローテーションしているしゅんち一家なのである。
それ以来、美味しそうなポン酢を発見するとついつい衝動買いしてしまうのだった。

・・そんなある日、嫁の実家に行った時の帰り際。
お義母さんに何か持っていきなさいと言われ、御中元を物色していると物々しい箱を発見した。

 

 

しゅ「うわ!これはもしや・・・」

 

 

 

物々しい箱の中から出てきた瓶は・・・

 

 

 

 

「生涯包丁人 道場六三郎ぽん酢」

 

 

 

道場六三郎とは人気番組料理の鉄人の初代和の鉄人で人気を博し、料理人ブームの先駆けとなった伝説の料理人である。

 

 

嫁タカ「あ!いいじゃん!これ貰っていこうよ」

 

 

しゅ「い、いや、さすがにこんなワザモノ貰うわけには・・・」

 

 

お義母「持って行きなさい行きなさい」

 

 

しゅ「ええ!?い、いいんですか?」

 

 

こんなにポン酢あっても使う事無いというお義母さん。

しかし我が家にとってみれば家宝級のポン酢である。

思わぬ超お宝ゲットにホクホク顔のしゅんち。

今夜の湯豆腐が楽しみである。

 

 

その日の帰り道・・・


しゅ「ところでさ、道場六三郎って本名かな?」

 

 

タカ「そりゃ本名でしょ(笑)芸能人じゃなくて料理人なんだし」

しゅ「えー!そうなんか?姿三四郎みたいな凄い名前じゃん?」


まるで芸名のようである。


しゅ「しかしさ、凄い名前つけたもんだよね。」

タカ「六三郎だもんね。何の数字だろね?」


そういえば、年配の知人に三男だから三男(みつお)さんって人がいるのを思い出した。
昔の年代ほど1番目だから一郎、二番目は次郎などと続柄由来の名前が多いものである。

最後の子供つもりでトメと名付けたのに、次が生まれてしまいツギ(継)と名付けられたおばあちゃんの話も聞いたことがある。


しゅ「6人兄弟の3番目って事かな?」


タカ「ぷっ(笑)いやいや、これから生まれる4、5、6番目の兄弟を予測なんかしてないでしょ」

しゅ「あ、そうか・・・」

 

確かに最初から6人兄弟を作るつもりだったとは考えにくい。女の子だって生まれる可能性高いだろう。

タカ「あ、もしかして・・・」

しゅ「お?何か思いついた?」


タカ「お姉ちゃんが3人いるんじゃない?」

しゅ「そうか、なるほど!ちょっと調べてみてもいい?」

しゅんちは携帯でウィキペディアを調べた。

 

 

 

道場六三郎 経歴 ※ウィキペディアより
1931年1月3日、三男三女の末っ子として誕生。「人兄弟の三男」という意味で「六三郎」と名付けられた。

 

 

 

しゅ「あ、やっぱり6人兄弟の末っ子らしい!お姉ちゃん3人だって!」
 

タカ「やっぱり!」

 

6人兄弟の三男で、道場六三郎である。

しかし、由来は続柄だがなかなか貫禄のある名前である。

 

 

しゅ「でもさ、もし更に兄弟が増えて7人兄弟になったら名前が成立しなくなるよね。」

 

 

タカ「そうだよねぇ・・・」

 

 

 

しゅ「七場・・・六三郎になるか?」

 

タカ「そこは道場のままだよね。」



もうこんがらがったわ。

 

・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

 

第11話「人間ドッグ、その後に」

 

しゅんちは年頃なので人間ドッグを定期的に受けている。
検便をしたり、採血をしたり、胃カメラがあったりとなかなか嫌なことが多いのだが、前回特に悪いとこがなかったので逃げていたのだが今回は2年振りなので渋々受けたのだった。

あらゆる検査を受けるのだが、一番に嫌なのは胃カメラ検査である。

胃カメラ前の胃の動きを抑える筋肉注射があまりの痛さで悶絶し、胃カメラ前のノド麻酔スプレーを噴射され死ぬほどむせて咳き込み、胃カメラをぐいぐい突っ込まれて何度も吐きそうになり、胃カメラが終わる頃には涙とヨダレまみれでフラフラになりようやく全ての検査が終えたのだった。

 

 

受付「しゅんちさん、これで全ての検査が終了しますが、お着替えなさったらお話があります
 

 

 

(お、お話?)

 

 

 

「お話があります」と聞くとあまりいい話では無いように聞こえる。

そういえば、エコー検査の時に妙に手間取ってたような気がした。
まさか何か良からぬものが発見されてしまったか・・・

しゅんちは緊張した面持ちで呼ばれていた個室に入る。

 

 

 

コンコン・・・

 

 

女性「どうぞお座りください」
 

しゅ「は、はい。な、何かあったんでしょうか?」

 

 

女性「検査は無事終了しましたが」

 

 

 

(ごくり・・・)

 

 

女性「ちょっと胴回り計らせてください」

しゅ「は、はい」

 

 

 

腕をTの字に伸ばされ採寸されるしゅんち。

 

87cm

 

 

女性「はい。しゅんちさんはメタボ予備群ですね。」

 

 

 

 

 

なんだい?その強そうな軍隊は。(群違い)


 

 

・・話を聞くと、胴囲が85センチ以上で血中脂質、血圧、血糖のうち1つの数値が高めになってるとメタボ予備群に認定されるらしい。

 

 

どうやらしゅんちは・・・

 

 

 

メタボ予備軍に入隊しました。



女性「・・・体重なんですが」

しゅ「体重・・・?」

女性「2年前に比べて5kg太ってますね?」


実は2年前、糖質ダイエットに凝っていた上に夜中にジョギングをするなどダイエットに真剣に取り組んでいたのである。
それにしてもその頃から5kgも増えてたとは・・・


指導員「野菜は食べてますか?」



ここはどうやら・・・




説教部屋らしい。


どうやらしゅんちがメタボ予備群になった事で保健指導の必要性が出てきたらしい。
この面談で生活習慣や食生活について
教育的指導を行うのだろう。



しゅ「・・・野菜は好きなのでかなり食べます」


しゅんちの大好物はきゅうりである。


指導員「んー・・・では甘いお菓子をよく食べます?」


しゅ「たまに職場で出てくるお土産のお菓子を食べる程度ですね・・・」


指導員「間食をよくしちゃう?寝る前に何か食べるとか?」


しゅ「あんまりしないですね・・・」


指導員「運動します?」


しゅ「ジムに週一ぐらいは・・・」


指導員「いいですねぇ~・・・んー?」


自分では原因はわかっていた。

原因はお酒の飲みすぎだと。

しかしなかなか言い当ててくれず話は長引くばかりである。

どうしても指導員のお姉さんは

甘い物好きで、間食大好きで、野菜嫌いで、ご飯の上に唐揚げを乗せてマヨネーズをかけて食べちゃう上に、夜中にコーラとポテトチップスを開けちゃうような習慣はないかと探ってくるのである。


しびれを切らしたしゅんちは自らに白状することにした。

 

 

しゅ「多分、原因はお酒だと思います・・・」

 

 

指導員「お酒?1回でどのくらい飲みますか?1合くらい?」


しゅ「ビール500ml缶を・・・」

指導員「え?!!
500ml!?


しゅ「2本くらいは軽く・・・」


指導員「え、え、え!?
2本!?


しゅ「いや、それ以上飲むこともままありまして・・・」


自分で言いながら相当なビール量だと反省し始めるしゅんち。
普通の人が聞いたら毎晩2リットルコーラを1人で飲み干すというくらいの勢いなのだろう。
恐らく、指導員のお姉さんは飲まない人なのだろうかビールが飲める感覚はわからないらしい。

指導員「お腹タプタプになりません?」

しゅ「いやその分トイレにも行きまくりなんですが・・・」

指導員「じゃあ、おつまみに脂っこいのを食べるんですね?」

しゅ「一人で飲むときは豆腐とか野菜とかヘルシーなのが多いですが・・・」

指導員「え!?いいじゃないですか!」


恐らくこの指導員のお姉さんは酒飲みの感覚が無く、話が進まない。
しゅんちの自白は続けるしかなかった。


しゅ「・・飲み会だとつい食べ過ぎちゃいますね」

指導員「飲み会って多いんですか?月に1回とか?」


しゅ「多い時は週に3,4回ほど・・・」

指導員「はぁ?!
週に3,4回?!

営業マンという職業柄、接待やお付き合いの飲み会は多いしゅんち。
最近は年度末の打ち上げから各種歓送迎会、年度明けからキックオフ宴会、各種お祝い宴会、懇親会に更に一人宴会や部屋のみまでやってしまいお酒を飲む機会が目白押しだったことを思い出す。

 

 

 

そりゃ太るわ。



指導員「たぶん・・・しゅんちさんはやろうと思えばできちゃう人なんでしょうね」

しゅ「・・といいますと?」

指導員「その気になればダイエットも節制もしっかりできる方なんだと思います」

しゅ「は、はあ」

指導員「だけど、頑張りすぎてある程度のところで辞めちゃうんでしょうね」





見事に言い当てられました。



指導員「だからあんまり頑張りすぎず、徐々に生活習慣を変えていくようにして下さい」

しゅ「は、はい・・・ビールやめます」

指導員「あ、いやいやいや!辞めるってのだとまた頑張りすぎなので、減らすって事にして下さい」

しゅ「な、なるほど・・・わかりました」


こうして、説教部屋で生活指導を受けたしゅんち。
少しずつ色々な事を節制していかなければならないと反省し、とりあえず
メタボ予備軍だけは脱隊したいと思うしゅんちであった。

 

・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

 

第12話「ビールを減らす作戦を考えてみた」

 

しゅんちは先日の人間ドッグの後に説教部屋に呼び出しをくらいメタボ予備群と宣告されてしまった。
最大の原因はお酒の飲み過ぎだと思われた。
これは早急に対策を取らないとメタボ予備軍
(群違い)どころではなくメタボ正規軍として昇格し、生涯戦場暮らしになってしまかもしれない。
早々にメタボ予備軍を脱退する為にも色々と作戦を立てるしゅんちであった。

メタボ予備軍入隊の原因は色々あるかと思われるが、やはり最大の原因はビールの飲みすぎだろう。
1度に1リットル以上も飲んでいればさすがに影響は大きいはずである。

ビールだけが直接の原因で無いにしろ、ビールを飲む場面で色々な物を食べてしまっているとも思われる。
唐揚げやポテトやウインナーを食べるシーンでは思わずビールを頼んでしまっていた自分を振り返る。
まずは最大の原因であるビールの量を何とかすれば改善策になりえると思うのだ。


(保険指導員のお姉さんも少しずつ改善すべきと言っていたよな・・・)


(ならばまずはこれだ!)


・ビールは500mlまで

飲まない人にとっては500mlでも十分の量かと思われるが、しゅんちの普段としたら少な目である。
ビールにも糖が含まれているので、ビールの飲みすぎはやはり太る原因になる。
500mlを飲み干した後は糖質の無い焼酎やウイスキーをチビチビ飲みながらローカロリーなスルメ辺りをカジカジするスタイルに変えていきたい。


・ノンアルビールの有効活用

 

ビールを飲みたいタイミングでノンアルコールビールを飲む。
最近のノンアルビールは優秀で、味やのどごしは本物のそれに近い感覚がある。
更にだいたいの銘柄はカロリーもアルコールもゼロ。1缶100円くらいなのでコスパも良い。
あらゆるタイミングでこれを飲む。

ビールとノンアルビールを飲む場面を混ぜてもよい。
本物ビール500mlを飲んでもまだ飲みたければノンアルビールを飲む。

振り返ると散々飲んだ後の風呂上がりで雰囲気的に缶ビール飲む場合が多い。
そんなタイミングにノンアルビールを飲む。
結構酔った状態で味などわからないので満足感は充たされると思われる。
ビールが飲みたいのではなくて風呂上りの雰囲気を味わいたいという事もあるので、これで解消できるだろう。

(ふむふむ・・・なかなかいいぞ!)


自らのアイデアに酔いしれるしゅんち。
次々に案が浮かんできた。


(そうなってくると・・・これはどうだ!?)


・飲んじゃいけないタイミングでノンアルビール

ビールを飲みたい欲求をあらゆる場面で消化してしまう作戦である。
キリン一番搾りのCMで「もう少し~あと少し~」と我慢に我慢を重ねてようやくビールを「お待たせ自分~♪」と歌いながらうまそうに飲むシーンがある。
自分をお待たせしてしまった反動でも飲みすぎてしまうのではないかと思われる。
そこで、あらゆる場面でその欲求を消化してしまえばいいのではないだろうか。

ここはあえて普段は飲めないようなタイミングでもノンアルビールを飲んでみる

例えば・・・運転が控えてるようなタイミング。

 

日曜日の昼下がり・・・

まだこれから車で出掛ける予定があるが、せっかくの休みなら昼からスカッと飲みたい。そんな時には出掛けにノンアルビールを1杯飲んでから。

(おお!これはいいかもしれん!)



更に一番飲んでいけないタイミングとは・・・

 






早朝。







朝起きぬけ早朝ノンアルビール。



モーニングコーヒーの代わりにモーニングノンアルビール。



朝食のホットドッグをつまみにノンアルビール。

 

 


どうだ!?これはいいぞ!

よし!作戦は
完璧だ!

 

 

これでビールの量が減らせるかも!

 

 

 

 

ん・・・?

 

 

 

 

 

 

なんか間違ってる?

 

・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

 

第13話「小学生の勉強を教えるコツ」

 

しゅんちは製造メーカーの人と一緒に仕事をする同行営業という仕事がある。
東京から来たメーカーの営業マンと一緒に地方営業をしてもらうというものである。
今回同行する方は吉岡さん。
20代後半で真面目な雰囲気の方だった。


しゅ「先日居酒屋行ったら外国人観光客が隣に座ったんですよ」

吉「あー最近多いですよねぇ」


しゅんちは英語が喋れなかったがめちゃくちゃな単語とゼスチャーでなんとか意思疎通した話をしたのだった。

しゅ「いやー少しぐらいは英語しゃべれるようになりたいです」


吉「英語って文法が日本語とは全然違うんで日本人には難しいんですよね」


しゅ「そうなんですか?」


吉「英語って日本語と文法の順序逆なんですよ」



吉岡さん曰く、英語はまず結果が最初に来るらしい。
日本語がくどくどと説明してから結果を言うのに対し、英語は直感的である。


例えば・・・


「私は熱々のラーメンをフーフーしながら食べるのが好きだ」


という文章があったなら英語の場合は・・・




私は好きだ。




食べるのが。




フーフーしながら。




熱々のラーメンを。




まどろっこしいわ。



まるでポエムである。



しゅ「ほほう。なるほど。」

吉「その文法が馴染めなくて日本人には理解しにくいみたいですね。」

なんだか妙に説得力のある説明。
ちょっとした説明でストンと納得してしまった。

ひょっとして吉岡さんは何かの能力の使い手ではないのだろうか?

しゅんちは吉岡さんに職務質問を仕掛けるのだった。



しゅ「吉岡さんって前職は他の仕事されてたんです?」



吉「あ、僕 
塾の講師やってたんです」

 

 

 


 

マジかよ。
 

 

 


吉「小学生を見てました」



来た。今まさに欲しい人材。



しゅんちは慌てて悩みを打ち明けてみることにした。


しゅ「こ、この前、うちの娘の宿題を見てたんですけどね」


吉「はいはい」


しゅ「デシリットルって単位出てきて困ったんですよね」


吉「あーデシリットルは使わないですよね。理系の大学でも出てこないです」


しゅ「え?そうなんですか?」


吉「その単位って小学校しか出てこないんです」



やはりレア単位だったか。


しゅんちはこの機会に色々聞いておこうと
食い気味に色々と質問をぶつけるのだった。


しゅ「しょ、小学生に勉強を教えるコツってあります?」


吉「そうですね・・・男子は簡単です」


しゅ「というと?」


吉「男子は必殺技とか裏技っていうと覚えが早いです」


しゅ「必殺技?」


吉「この公式が必殺技だ!とか言うと
すぐ覚えます


しゅ「ほお・・・」


吉「この裏技を使うと直ぐに解けるよ!と言うと一生懸命やりますね」


 

 


単純だな男子って。

 

 



しゅ「うちの娘は女子なんですが・・・どうです?」

吉「女子は現実的なシチュエーションを交えるといいですね」

しゅ「げ、現実的な?」


吉「彼と彼女が待ち合わせをしました」

 

 

しゅ「ほう。デート的な?」

 

 

吉「2人が出会えるのは何時何分?とか」


しゅ「なるほど・・・」





つまり恋愛要素と。
 

 

 

 

 


では・・・

 

 

 



デシリットルと恋愛要素はどう絡めたら?




男は必殺技と裏技、女は恋愛要素・・・


男女の精神年齢のレベル差をまざまざと感じるしゅんちであった。

 
 
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
 
第14話「否定しないオヤジになるには」
 

母「この前、あなたのブログ読んだんだけど」

しゅ「おお、そうなの?ありがとう」


母は愛用のiPadでこのブログを時々読んでくれているらしい。


母「ブレイン・・・なんとか?ってやつ?」

しゅ「ああ、ブレインストーミングね」



※新・極楽日記「会議を活性化させる手法」参照


母「否定されると脳が固まってしまうってやつ?あれは確かになるほど!って思ったのよ」

しゅ「心当たりあるの?」

母「この人なんて、
年中否定してるでしょ

 

 

 

父「お、俺か?」

 

 

 

母はこうしてちょいちょいしゅんちを巻き込んで夫婦喧嘩を放り込んで来る。

母「あなたはいつも否定から入るわよね」

父「俺は否定したことなんて一度もないぞ」

母「何言ってるのよっいつもそうじゃない!」

本人に聞くと否定したつもりはないというのだが、側で聞いてる人は否定に聞こえてしまうのである。
例えばこんな会話である。


「今度の休みにキャンプしようと思うだけど」


「こんな時期にか!?雨降ったらどうすんだ?」


この会話を冷静に分析すると、折角キャンプするのに梅雨の時期に計画して雨が降ったら楽しさも台無しだとリスク回避を提案しているのである。
厳しめの口調なので皆が風邪をひくかもしれないという心配も垣間見える。

しかし、それを聞いた人は


「この人はキャンプなど行きたくないんだろうな」



と思ってしまうのである。
この状態を
オヤジ忖度状態と名付けよう。


忖度(そんたく)とは・・・他人の気持ちをおしはかる事。推察。

※大辞林より


しかし、しゅんちが思うところ、実際のところ年配のおじさん・・・いわゆるオヤジは忖度を求めるケースが多いと思う。
俺がこう言ってんだからそういう意味に決まってんだろ?と。皆まで言われせるなと。
更にオヤジは普段の顔から既に機嫌が悪そうなので肯定しない限り全て否定ととられがちなのである。
そういう事があるからオヤジという種族は忖度されやすいのだろうと思う。

ある上司が面接で「タバコは吸いますか?」聞いただけなのに、その面接者は入社後はその上司の前ではタバコを吸わなくなったという。
吸わなくなった当人にタバコはやめたのかと問いただしたら、その上司がタバコが嫌いだと思ったのでその上司の前では吸ってはいけないと思っていたという。


まさにこれがオヤジ忖度状態である。


そんな不機嫌顔系忖度状態オヤジの父に話しかけるしゅんち。


しゅ「いいかい?疑問は否定だよ?」

父「疑問は否定?意味わからん」

しゅ「はい!今のも否定だね」

父「は、はあ?意味わからんと言っただけで・・・」

しゅ「夕飯の食べてちょっと変わった味だねと言ってしまったとしよう」

父「・・・」

しゅ「それは否定だからね」

父「は!?そんなわけないだろ?ちょっと変わった味だなと思っただけで」

しゅ「そこに肯定するフレーズを入れないといけないんだよ」

父「・・・?」

しゅ「これ美味しいけど、変わった味だね?と」

父「美味しいっていうんか」


しゅ「そう!ちょっとでもうまいと思ったら美味しいと言うんだよ」

父「う~ん・・・」

しゅ「例えば「おお!これうまいね!なんか珍しい味付けだけど何?」と聞く」

父「ふむ・・・」

聞いたのか聞いてないのかわからないが、なんとなく納得してるかのように思えた。
何となく腑に落ちないような不機嫌顔の父であった。


しばらくして全く違う話題を持ち出してきた。

 

 

 

父「ところでしゅんちゃん」

 

 

急にちゃん付けで呼ぶ父。
何か雰囲気が変わった。

父「今度の休み予定は何してるん?」

しゅ「昼間はシューマートにみんなで靴買いに行こうと思ってるんだけど」

父「なるほど。なかなかいい予定だな」

 

 

ん?

父「夕飯はどうすんだ?」

しゅ「夜はみんなでファミレスでも行こうか?」

父「それはいいな、どこに行く?」

しゅ「あの店はどう?」

父「あの店はうまいもんな。そこにしよう」

 

 

 

母「あなたいいじゃない!」


叫ぶ母。


父「え?そ、そうか・・・」


普段肯定しないオヤジが肯定するだけで



効果は抜群だ。


妻にも家族にも愛されるじいさんになって欲しいと願うしゅんちであった。

 
 
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
 
第15話「朝の説得力」
 

しゅんちは娘の参観日に行く為に平日に有給休暇を取った。
平日に寝坊できるのはなかなかレアなのである。
しゅんちは前日の夜中に変にテンションが上がり、夜更かし(ゲーム)をしてしまったのだった。

翌朝早朝・・・

嫁「カホ起きなさい!朝に宿題やるんじゃなかったの?」

カホ「はぁ~い・・・ムニャムニャ」

嫁「マオは早く着替えなさい!」

マオ「うんー・・・」

嫁「2人とも学校に遅れるよ!」

嫁に起こされる小学生のカホマオ。
ドタバタと色々準備を始めた。
とても寝ていられる状況ではない。

嫁「しゅんちゃんも、朝ごはん食べちゃってね」

しゅ「う、うん」



朝の戦場で寝坊できるほど甘くなかった。


しゅんちは寝ぐせ頭のパジャマ姿でのっそりと起き上がる。
ダイニングに行くと皆は既に朝ごはんを食べ始めていた。

平日の朝にパジャマで朝ごはんはさすがに不謹慎だと思えたしゅんち。



上だけ着替える事にした。


イスに座ってしまえば下半身はパジャマだとは気付くまい。



しゅ「いただきまーす・・・」

 

 

カホ「お父さんなんで下だけパジャマなの?」

 

 


早速バレてる。



しゅ「い、いやさすがに全身パジャマだと平日の朝に不謹慎かなーと思って」

嫁「そ、それワザとなの・・・?」

しゅ「う、うん」

嫁「・・・」


不謹慎な空気が流れる。


マオ「あ、お父さんにね、相談したいことがあるの」

しゅ「ん?なんだい?」

マオ「マオね、チャレンジはじめたいの」

しゅ「ちゃれんじ?」

チャレンジとはしまじろうで有名なベネッセの学習教材であるらしい。
どうやらマオのお友達がそれをやっていて、学校の勉強が得意になったらしい。
マオも学校の勉強で自信をつけたいらしいのだが。

しゅ「チャレンジって宿題いっぱいあるよな」

マオ「うん」

しゅ「おもちゃが貰いたい目的じゃないの?」

マオ「勉強だよ」

しゅ「宿題を買うってことなんだぞ?カホが今朝もヒーヒー言ってやってた宿題だぞ?」

マオ「うん」

しゅ「それでもやるのか?」

マオ「やりたい!」

 

しゅ「何かを続けるって事はすごく大変なんだぞ?続けられるのか?」

 

マオ「うーん・・・たぶん」

 

しゅ「やるからには最低でも3ヶ月はちゃんとやってもらうぞ?」

マオ「マオ頑張る!」


しゅ「まさに
チャレンジ・・・って事だぞ?」


マオ「うん!」


先輩風ではなく父親風をビュンビュン吹かすしゅんち。
決めゼリフで父親としての威厳は最高潮を迎えたかのように思えた。

嫁「ごめん・・・話の途中で」

 

 

 

 

しゅ「ん?」

 

 

 

 

 

 

嫁「その寝グセと下半身パジャマで説得力が全く無いんだけど」

 

 

 

 

例え休みでも早起きはすべきだと反省するしゅんちであった。

 

 

 

 

まとめ読みお疲れさまでした。
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