鐘がなったら【新アルバム各曲解説】それは歩き始める時 | 保坂修平のピアノ音楽

保坂修平のピアノ音楽

東京藝術大学楽理科卒業。ジャズピアニスト、作曲家。

2023年12月27日にリリースした保坂修平トリオのアルバム「ボス・サイズ・ナウ」。

アルバム収録の各曲について、CDのライナーノートに書ききれなかったこと。

今日は9曲目の解説です。

 

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9, When the bell rings

 アルバム唯一のオリジナル・ナンバー。

作曲に際して次の詩を同時に発表した。

「鐘がなったら/あなたと漕ぎ出そう/光る水平線の先へと/緑の風を帆に受けて/木の槌のぬくもりと/銀色の倍音が/体いっぱいに広がる/僕たちの祝福のように」

 

 友人の版画家・池田実穂さんの作品「時の変革」のために作曲した曲を部分的に改作したナンバー。池田さんの作品は、コロナ渦にあって制作された作品。おそらくは世界的な疫病の流行とその影響によって変わっていく世界、精神を表現したのだと思う。

 僕はこの曲にその「新しく変わっていく」という表現はそのままに、もう少し個人的なメッセージ、決意を込めた。自分はピアノという楽器とともに新しい世界に乗り出す、一緒に旅をしましょうという呼びかけ。テーマの最後に学校のチャイムで有名なメロディーを織り込んでみた。

 たくさんの曲を書いてきたが、これまでの作品は転調が多かった。シンプルなメロディーが好きなことは変わっていないが、どこかに気恥ずかしさがあって、ある種ギミックのある転調でもって照れを隠すように作品を仕立てていた気がする。

 この「鐘がなったら」は、よりダイアトニック方向に傾斜している。メロディーは極力シンプルに。今の僕の方向性である。

 このアルバムを通じた裏テーマは「アメリカン・ミュージック」。僕の考えるアメリカの音楽の豊穣さ、そしてその根幹のシンプルさを共有する作品にしたかった。そのように選んだ名曲たちのなかに、こっそり置かせていただくオリジナル作品は、やはり同じような質感が欲しいと思い選んだのがこの曲。

 自分の決意表明ではあるが、だれかの決心を、一歩を踏み出す勇気を後押しすることがあったとしたら、それほど嬉しいことはない。

 もし心に鐘がなったと感じたら、それは歩き始める時なのである。


 この曲は、レコード会社がミュージック・ビデオを制作してくれました。ぜひご覧ください。最後までありがとう。





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