この曲が
「想像してごらん」
と問いかけるものは。
「天国はない、上空には空があるだけ」ということ。
クリスチャン・ホームに育った僕にはドキッとさせられる部分だった。
(これ教会ではダメなやつだ…)
しかし歴史を紐解けば、宗教の「正義」の名の下にいかに多くの血が流れたことか。そして「死ねば天国に行ける」という掛け声のもとで、どれだけの惨劇が繰り返されたか…
「想像してごらん」
のもうひとつ。
「個人の所有のない世界」
この部分、私有財産を否定する共産主義の香りがして正直「ちょっと怖い」と思う部分だ。
しかし現実に、戦争いおいて、それによって莫大に稼ぐ悪い人間が関わっていることは事実だ。それから、領土を拡大したい。石油が、鉱物が、農産物が欲しい。各種権益がほしい…そういう人間の飽くなき欲のために、どれだけの血が流れれば済むと言うのだろう…
ところで、ここが難しいのだが、宗教も欲も、絶対になくならない。
宗教だったりイデオロギーだったり、とにかくこれらは人間のよって立つ根本的な価値観であることが多く、かつ共同体を束ねる強力な装置だ。
「欲望」もまた、それが人を生に向かってたきつける蒸気機関のようなもの。だから、人間はつねに「ほしい」。これ自体は、善悪ではなく、もうそういう風にできているものなのだ。
だから「宗教」も「欲」も人間の人間たる存在理由。
そこを人工的になくそうとすると、もう人間は完全なる抜け殻。半透明な、生気のない、たんなる物体に成り下がってしまう。
だから、宗教と欲、これらを自覚し飼い慣らし、そして対立がエスカレートしない仕組みを、叡智を傾けて作っていかなければのらないのだ。
多くの人命が次々と失われていく事態を前に
「天国も、所有もない世界」
を夢に見たくもなる。
そうすれば、争いは起こらないのだから。
しかしジョンだって知ったいたのだろう。
それが不可能であることを。
だからこそ「想像してごらん」という問いかけ。
そこから、始まるものがある。
人間は、争う。
意見は対立する。
複数の正義が向かい合う。
これは、いたしかたない。
しかし。
武力で、拳を振り上げての決着はダメだ。
現実的には、暴力に訴えるものに対してペナルティを厳しく設定することは大切だ。
そして、それが最終的に間違った判断であるということが世界的なコンセンサスになればいい。
それにしても。
異なる価値観、文化、宗教の人々が互いを尊重しながら共存する世界。
どうしたら、叶うのだろう。
。
。
。
「イマジン」の歌詞は理想主義的だ。
だからジョン自身が
「夢見たいな話だ、と思うだろう」
と自嘲気味に言っている。
しかし、なんでも理想を掲げることは大切だ。
そして、自分にできることは何かと問うてみる。
自分の心のコントロール。
だろうか。
考えの違う人を、それに飲み込まれるでもなく、感情的に排撃するでもなく。
ともに生きるということ。
実践する。
できるだろうか。
最後までありがとう。
■ピアニスト/作曲家 保坂修平
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