ぁ。ども…おこんばんは〜〜今日もお疲れさまですぴょん
今日の昔ばなしは
そもそも神様って
ほんじゃ〜〜
与太郎・村人・塞の神(常田富士男)
与助・おっかあ・厄病神(市原悦子)
長野県の昔ばなしです。
https://youtu.be/P2YQrR8f7wk?si=06CqERvVyyPtz7qw
むか〜〜し、ある村の入り口に、塞の神(さいのかみ)が立ってござった。
塞の神のすぐ横には、与太郎(よたろう)という男の家があった。
与太郎は、まあ村の鼻つまみ者じゃった。
「と〜〜んぼ♪と〜〜んぼ♪都が見えたか♪
と〜〜んぼ♪と〜〜んぼ♪極楽見えたか♪」
「与助(よすけ)!おっとうはまたサイコロ遊びか?」
「うん!オラに土産買ってきてくれるそうじゃ!」
村は刈り入れで大忙しというのに、与太郎夫婦はちっとも働こうとはせんかった。
それで、与太郎の一人息子の与助を不憫に思う村人は、こうして握り飯を持たせてやった。
10月になると…
「さて、取り入れも済んだし、ちょっくら行って来るか…」
10月は、諸国の神様が出雲に集まって寄り合いをする。
村の塞の神も、出かけるのがしきたりじゃった。
「わ〜〜いわ〜〜い!」
「子どもはええなあ…」
そして、10月の末には戻って来るのじゃった。
「うひゃ〜〜さびぃ〜〜…」
「与太郎はまた、サイコロ遊びかあ…」
12月になると、今度は諸国の厄病神(やくびょうがみ)が出雲に集まる番じゃった。
「ハッハッハ!ワシがちょいと細工すれば、人間どもがすぐ風邪を引く季節じゃわい♪」
12月8日の朝、この村の厄病神も出雲に旅立つので、塞の神のところに挨拶にやって来た。
「では、行ってきますでな」
「もう帰って来んでいいがのう?」
「またそんな事言って〜〜…来年の2月8日にはちゃんと戻ります。ところで、これを預かってもらいたいんじゃが…」
そう言って厄病神は、塞の神に1冊の帳面を預けた。
「なんじゃい、帳面かい?」
「はい〜〜♪来年1年間、この村で起きる災難が全部書いてありますんじゃ。いつ誰の家で怪我をするとか、誰の家が火事を出すとか…ワシ近ごろ物忘れがひどいんで、帳面にしとかんと全部忘れてしまいますんでな」
「ナニナニ…1月14日、与太郎方…火事?」
「わあっ読んじゃいかん!読んだりせずに、大事に預かっといてくだされ」
「与太郎方の火事、何とかならんのか?」
「何ともなりませんなあ…これはもうワシの手で、種を仕込んだでな?後の災難は2月に帰ってから、ぼちぼち考えますわい」
塞の神は、帳面を預かった。
神様同士の約束の事とて、こっそり覗いて見る事もできんのじゃった。
夜になって、何も知らない与助が小便に出て来た。
「う〜〜さむぅ〜〜…」
「あ〜〜歯痒い事じゃあ…ワシの声は人間には聞こえんから、教えてやる事もできん…おのれ厄病神め〜〜…」
やがて、正月がやってきた。
「バカバカバカ!おっとうのバカ!おっかあのバカ!正月には餅ぐらい食わせろ〜〜!」
「うるせいや〜〜い!」
与太郎が家から出て来た。
すると家の中から、おっかあの声が飛んできた。
「コラ〜〜どこ行くだ?甲斐性なし!ろくでなしめが!」
与太郎は、相変わらずじゃった。
「災難が近づいているというのに、のう…」
塞の神は、何とか災難を知らせる方法はないものかといろいろ考えているうちに、1月も9日〜10日と日を重ね…
とうとう13日の夜になってしもうた。
「はっ…そうじゃ!ワシにも出来るぞ!」
塞の神は遂に名案が浮かび、早速与太郎の家へ入り込んだ。
「夢で知らせればいいんじゃ」
そして、寝ている与太郎の耳元で、そっと囁いた。
「これ与太郎…明日の1月14日、お前の家は火事じゃぞ〜〜…火がボーボー…火がボーボー…」
それを聞いた与太郎は、はっと目を覚ました。
「うわ〜〜っ!火事じゃ!火事じゃあっ!」
その叫び声で、おっかあが起きた。
ところが、家は何ともなかった。
「どこが火事じゃ!」
「明日、うちが火事じゃと…」
「まったくもう…寝ボケくさって、もう…」
夢と分かった与太郎は、安心して再び眠った。
そして次の日、与太郎は朝早く飛び起きると…
「さて、一丁いくか!火事の夢は縁起がええんじゃ♪ハハハ〜〜!」
と言い、町へサイコロ遊びに出かけて行った。
そしてとうとう夜になっても、与太郎は戻って来んかった。
やがて、夜がすっかり更けた頃…
厄病神の帳面に書いてあった通り、与太郎の家から…
「火…火じゃあ!火事じゃあ!」
塞の神は、急いで与太郎の家の中に入って、おっかあに必死で知らせようとしたが…
「火事じゃ!火事じゃあ〜〜っ!」
しかし…
「やっぱり、ワシの声は聞こえん…」
そして…
「え〜〜い…もう一度、あの手じゃ!」
と言って、おっかあの耳元で囁いた。
「はっと飛び起きるような、悪い夢を見るんじゃ…与助が井戸に落ちる夢じゃ…ホレ、危ないぞ!おっかあ、助けて〜〜!急げ、ホラ…おっかあ!間に合わんぞ〜〜!」
すると…
「う〜〜ん…与助、そ…そんな事したら、井戸に落っこちるでねえか……はっ⁉︎」
ようやくおっかあは、目を覚ました。
「ん…夢か……あっ!いやあ〜〜与助!与助〜〜!」
火事に気づいたおっかあは、慌てて与助を抱えて、家から飛び出した。
その隙に、塞の神は…
「ふぅ…こんなもん、ホレ!」
帳面を、火の中に放り込んでしもうた。
おっかあと与助が家を飛び出すと、火はたちまち家全体に燃え広がり、もう少し気づくのが遅かったら助からんとこじゃった。
暫くして、自分の家が燃えているのに気づいた与太郎が、すっ飛んで帰って来た。
「おっかあ〜〜っ!与助〜〜っ!」
やっと家に帰り着いた与太郎は、火に包まれた家の中に飛び込んだ。
「うわっ…あちゃあ〜〜っ!」
プシュ〜〜…
雪で、与太郎に燃え移った火は消えた。
「この、バカヤロ〜〜!おっかあと倅(せがれ)は無事だ!このバカタレめが…」
「あ…ありがたい…」
与太郎はこの後、ピタリとサイコロ遊びをやめたそうな。
2月8日が来た。
この日、村は2つの呪い(まじない)をするのじゃった。
その1つは、今年も作物がよく出来ますようにと、餅を藁で作った馬につけて、塞の神にお参りをする。
それに、もう1つは…
「ゴホっ…ゴホっ……毎年かなわんのう…」
出雲から戻って来る厄病神が、家に入り込まんように、ネギや辛子を火に焚べて、煙を立てるのじゃった。
「お前さんはいいのう、餅を供えてもろうて…ワシはせっかく帰って来ても、煙攻めじゃあ…」
「帰って来んでもええのに…」
「しかし、よく燃えましたなあ!」
「嫌な神さんじゃのう…」
「さあ、預けた帳面を返してくだされ」
「はい…」
塞の神は、厄病神に帳面を渡した。
「さて、次はと……なんじゃ?全部、白紙ではないか?色々書いておいたはずじゃが…ハテ?」
「ワシは知らん…何も知らん」
塞の神は、燃やしてしもうた帳面の代わりに、何も書いてない白紙の帳面を渡したのじゃった。
「おかしいのう…」
「ワシは知らん…」
そういう訳でその年は、この村には1つの災難も起こらん事になった。
春には村中総出で、与太郎の家の建て替えがあった。
昔はこのように、土地土地に神様がござって、人間を守ってくれたものよのう…
おしまい。
塞の神のナイスファインプレーですな
白紙の帳面を渡されて📓
それ以降の災難がなかったとの事ですが
厄病神は、2月以降の災難を考え直す気力が失せちゃったのかな
それより何より、またサイコロ遊び🎲に興じる人間が出てきたよ
いつの時代にもギャンブラーっているんですね
前回もそんな話でした…いつの時代かは知らんが、そんなのが流行っていた時代があったんかしら🙄
そして自分の身の周りに何か大変な事が起きない限り、やめられないのね
ま…こーゆー依存性のあるものは、よっぽどお灸を据えないとなかなか治らんのでしょうな
その辺がやたら現実的なのも妙に説得力がある気がしまする
ちなみに今回の話は、たまたまYouTubeサーフィン?をしていて、偶然見つけたのでした
タイトル見て、最初はピンと来なかったけど、「塞の神」という言葉に聞き覚えがあったので改めて見てみると、小学生の時に見た話でした
この神様同士の掛け合いが妙におもしろくて、どんな話か一気に思い出しました
この話は、塞の神が厄病神の仕掛けた災難から村人を救った話ですけど
そもそも「塞の神」って、どんな神様なんでしょうね
調べてみると、村境に祀られている神様で、牛や馬を守る神、豊穣の神…つまり農村の神って事かな
そして村境に置かれている理由は、外部から疫病や悪霊などの災難が入るのを防ぐためらしいちょ待てい‼️
ま…神様の関所みたいなもんかな
土地によっては、遮るという意味で「塞(さえ)の神」や、来てはならないという意味で「岐(くなど)の神」または「来な処(くなど)の神」などと呼ばれているそうです
つまり今回の話は、その対象が「厄病神」という事なんでしょうね
また10月には、諸国の神々が出雲に集まるというのも…確かに10月は「神無月」といいますもんね
逆に出雲では「神在月」でしたっけ
けど厄病神は…その10月には呼ばれないのね
けど厄病神も、日付をずらして出雲に行く…それがなんで12月8日〜2月8日の2ヶ月間なのかは、よく分かりませんでした
てゆーか、そもそも厄病神って、神様…なん
それ言っちゃうと「貧乏神」や「死神」も謎🤔
ま…神様にも色々事情があるんでしょうけど、何となく憎めない…いやアカン疫病退散😇
殆どは、不慮の事故や病気で亡くなった人の怨霊?の成れの果てらしい…そんな神様はやっぱり来てほしくないよね成仏して〜〜
自分たちの土地の神様は、大切にしたいですね
次回は
災い転じて…みたいな話かな
以上、本日ここまでどす🙇♂️
訪問がボケるほど遅れております…毎度ゴメンやっしゃ
では〜〜明日もご安全に〜〜
おーきにです〜〜ほなね〜〜