ぁ。ども…おこんばんは〜〜今日もお疲れさまです龍たつ再び音譜


今日の昔ばなしは、2024年トップバッター野球という事で物申す

今年の干支の龍龍のお話ですにっこり

 

ほんじゃ〜〜口笛


「二ツ池の龍」(初回放送1983年2月14日)

語り(市原悦子)

雄龍・百姓の亭主(常田富士男)

雌龍・猪・百姓の女房(市原悦子)



三重県の昔ばなしです。

https://youtu.be/ToRNZJljAeM?si=T80VNgfe_ftStbCp


昔…伊勢の二ツ池(ふたついけ)に、夫婦の龍が住んでおった。

その辺りは、前に豊かな海、後ろに豊かな山を控えて、そりゃ暮らすには良いところじゃった。

それを知った人間たちが海際に移り住んで、ぼちぼち村が出来ておった。

家から上る煙が、龍の鼻にも届くようになった。

「厄介なやつが、チョロチョロするようになったな…」
「本当に…」



ある日、若い夫婦が畑仕事をしていると、空を雲が覆い始めた。

やがて…

「雨じゃ!」
「わあ…すごい雨!まるで私たちを目の敵にしてるみたい」
「ハハハ!この雨は恵みの雨じゃて…雨がなくては、芋は太らんからのう」

すると…

「いやあっ!」

雷が鳴ったので、女房は思わず亭主に抱きついた。

「あっ…」


それを見ていた雄龍は…

「なんという事だ?ワシの怒りを恐れるどころか、ヘラヘラと仲睦まじくしよって…」

若い夫婦は、暫く空の様子を見ていたが…

「止みそうにないな…仕方ねえ、濡れて帰るか」
「今夜は酒でも飲んで、早よう寝るべ?フフフ…」

その様子に、雄龍は呆れた。

「まったく懲りもしない…ちと脅かしてくれるか…」

雄龍は、更に激しい嵐を起こし、夫婦の側の木に雷を落とした。

「いやあっ!」
「うわあっ!」

その衝撃で、亭主は地面に倒れ込んだ。

「あんた?あんた!しっかりしてよ!」

雄龍は、再び雷を落とした。

亭主は、依然として起きない。

「あんた!ねえ、目を覚まして…」

女房がいくら声をかけても、亭主はぐったりして動かない。

仕方がないので、女房は亭主を担いで、嵐の中どうにかして家に辿り着いた。

それを見た雄龍は、清々して言った。

「ハハハ…浅はかな人間どもよ!これで少しはおとなしくなるだろう…ハハハ!」


翌朝…夫婦は家から外の様子を見て、驚いた。

「ああ…」
「おお…」
「お前さん、野原がすっかり焼けてしまったよ…」

ところが、亭主は至って前向きにこう言った。

「ハハハ…自然に焼き畑が出来た!灰はいい肥やしになるからなあ」


やがて畑から芽が出て、立派な芋がたくさん育った。

夫婦は、せっせと芋の収穫に勤しんでいた。

ところが…

「あっ!」
「あんた、猪だよ…」

山の猪が、芋畑を食い荒らしておった。

「ちくしょう!俺の大事な芋を!」

「あんた!」

亭主は咄嗟に鍬を手に持つと、猪に突進していった。

「たあーーーっ!」

ところが、簡単に突き飛ばされてしまう。

「ああ…」

今度は、猪が亭主に向かおうとしている。

「あんた!逃げて!」

ところが、亭主は動じない。

「百姓は、逃げる訳にはいけねえだ!逃げたら、何もかもおしめえだ!何が何でも、オラは畑を守るだ!何故…何故、メチャメチャにするか?」

猪は、聞こえたか否か、亭主に向かってくる。

そして亭主はまた、突き飛ばされた。

それでも再び立ち上がる亭主を見て、猪は…

「また来るからな!しっかり畑を耕しとけよ!」

そう捨て台詞を吐くと、その場を去っていった。

「ハハハ!この山は俺のもんだ!人間どもに勝手な真似はさせねえ!」


一方、畑の夫婦は…

「いつかは、あの猪をやっつけねば…でも、あんな手強い相手を、どうすればいいんだろう…」


山へ帰った猪は、悠々と二ツ池の水を飲んでいた。

すると、たちまち空が暗くなった。

「あっ!」

猪が空を見上げると、鋭い稲光がして、雄龍が姿を現した。

「猪よ、ちょっと待ってくれ。俺はあの、何事にも負けまいとする若い夫婦が気になってきた」

猪は、そんな雄龍の言う事に意見した。

「おめえは、人間どもの味方をするのか?あんな弱い者をかばっても、仕方あるめえ?それに、ここはもともと俺たちの土地だぜ?荒らしてるのは人間の方だ!」

ところが、雄龍の考えは違った。

「お前は、自分の食べる分だけ食べればいいじゃないか?妻子はどうした?」
「妻子だと?そんなもん、どっかにうっちゃって来たわい!」
「よ〜〜し…」

龍は、再び嵐を起こした。

「こんな事ぐらいでは、俺は何とも感じないぜ?」

雄龍は、自分勝手な猪を許す事ができなかった。

一方村では、あの若い夫婦が家の中から、荒れた山の様子を窺っていた。

「山は大荒れだあ…」


龍は、攻撃を開始した。

猪も、龍に向かって立ち向かった。

じゃが、力は龍の方が一枚上じゃった。

猪は、散々に攻めまくられた。

「ちくしょう…こいつを倒すには、池に残ってる雌龍をやっつけねばならん…」

これを知った雄龍は、怒り狂った。

やがて村からも、龍の姿が見えた。

「おい見てみろ!あれは龍じゃないか?」
「お前さん、見てごらん?二ツ池の辺りを…」

女房が指差したその先は、真っ赤に燃えていた。

「山火事だ…」


先ほど、猪が蹴散らした岩が飛ばした火花が風に煽られて、大きな炎となって燃え広がっていった。

雄龍は猪に言った。

「どうだ?まだワシの言う事に逆らうのか?」

猪は観念して言った。

「わ…分かった。俺の負けだ…ここを立ち去ろう」

ところが、こうも言った。


「だが、この炎を見てみろ。お前の女房も焼き死ぬぞ。堤は崩れて水は失った。水底にいても安心できぬぞ!」
「なにっ⁉︎」

雌龍は、池の周りを炎に囲まれて、どうしても脱出する事ができんかった。

「しまった!火が回ってしまっている…このままでは、妻が死んでしまう!」

雄龍がそう言ったと同時に、猪は強風に煽られて、池底に突き落とされた。

「うわっ!」


やがて、村に人々が集まって来て、山の様子を見ていた。

「おっ?あれを…あれを見ろ!」
「龍じゃ…」


雌龍を助けるために、雄龍は池の周りの炎を飲み込み始めた。

それに助けられて、雌龍はやっと池から逃げる事ができた。


炎を飲み尽くした雄龍は、黒く焼けただれた腹を長々と、山肌に横たえた。

妻を助け、人を守った雄龍の最期じゃった。



おしまい。



どことなく「もののけ姫」と似ている気がしますねにっこり

異種同士の共存の難しさというか、それぞれの場所で、お互い自然を共有しながら生きていく大切さとか無気力

特に昨年はクマ被害など、本来は山に住む動物が人里にまで下りて来る事が多かったりしてくま


この話は決して、遠い昔の物語ではないのかもな〜〜とも思えてしまいます汗うさぎ


山と海と、動物と人とが上手く折り合いをつけながら生きていく難しさ真顔


永遠のテーマかも無気力



まあそれは置いといてにっこり

今回は、そんな自然界を空から見ている龍のお話でした龍

ま…昔から龍の話は数あれど知らんぷり
「小太郎と母龍」「辰子姫物語」「男滝の龍」「龍の淵」「大沼池の黒龍」「八郎潟の八郎」などなど☺️

今回の話のように、最初は人間を敵視していたのに、やっぱり最後は守り神やったんやな〜〜という終わり方をする話が、龍の出て来る話には多い気がしますにっこり

まあね…今回の話の猪いのししのように、後から来た者を許さずに、住む場所や食べ物を独り占めするような勝手な者がいれば、そりゃいくら人間を疎ましく思っていた龍でも怒りますやろ魂が抜ける

龍は架空の生き物ですが龍

懐中時計時計などの時間を合わせるツマミを「リューズ」というけど、それはお寺の釣鐘の頭にある「龍頭」という引っ掛け部の名前から来ているとか知らんぷり

また神社やお寺などでは、立派な龍の天井絵や、龍の欄間というか彫刻があったりニコニコ

「龍神様」と呼ばれるように、龍はその土地の守り神として祀られている事が多いですね〜〜ニコニコ

そーいや、よく行く兵庫県中部の「青玉神社」のお手水の吹き出し口は、龍の形をしていたな〜〜にっこり

過去画像です。


ところで、干支の中で辰龍だけが架空の生き物なんですね指差し


だから神聖な生き物として、神社やお寺に祀られているのかなにっこり


ちなみにこの話の元となった場所は、三重県伊勢市の松尾観音寺との事ですニコニコ


以上、本日ここまでどす🙇‍♂️
訪問がアホほど遅れております…毎度ゴメンやす魂が抜ける

では〜〜明日もご安全に〜〜照れ
おーきにです〜〜ほなね〜〜バイバイチュー龍音譜