ども…おこんばんは〜〜今日もお疲れさまです爆笑


さて…今日の昔ばなしニコニコ

悲しくも美しいお話…って言っていいのかなショボーン


ほんじゃ〜〜口笛


「大沼池の黒竜」

https://youtu.be/H8Qu1OMAMBg



長野県の昔ばなしです。
語り(常田富士男)
黒竜・黒姫(市原悦子)
政盛殿(常田富士男)



昔…信州中野、鴨ヶ岳(かもがたけ)の麓に、小館城(こたてじょう)という城がありました。

その城の城主は、高梨摂津守政盛(たかなしせっつのかみまさもり)というお方でした。

ある春の日の事、政盛殿は家来たちを大勢従えて、東山(ひがしやま)へ花見にと出かけました。

東山は、鴨ヶ岳に連なる山で、桜の名所です。

政盛殿には、目の中に入れても痛くないほど、かわいい娘が1人おりました。

黒姫(くろひめ)です。
政盛殿はこの日も、美しい姫の酌で機嫌よく杯を傾けておりました。

宴(うたげ)もたけなわになった頃…

どこからともなく、強い風がサ〜〜っと吹いたかと思うと…

白いが1匹、スルスルと現れました。

「黒姫、蛇も仲間に入りたいようじゃ。杯をやりなさい」
「はい…」

父に言われるままに、黒姫は蛇の前に杯を差し出し、お酒をついでやりました。

白い蛇は、お酒を飲み干すと、しばらく去り難げに黒姫を見つめていましたが…
やがて、どこともなく姿を消してゆきました。

さて…その夜の事でした。

黒姫様が夜中、ふと気配を感じて目を覚ましますと…

庭に、1人の若者が座っているではありませんか。

「何者じゃ?」

姫が驚いて聞くと、若者は答えました。

「はい…私は昼間、姫から杯を頂いた者です」

昼間に、杯…?

そこで姫は、昼間の事を思い出しました。

「では、昼間の白い蛇が…そなた?」

若者は返事をする事もなく、突然こんな事を言い出したのです。

「どうか、私の妻になってください」

突然の申し出に、姫は驚きを隠せません。

「いけませぬ…そのような話は、父君になさって頂かねば、困ります」

姫がそう言うと、若者は何やら姫に差し出して言いました。

「それでは、これを印に置いてまいります」

そのまま若者の姿は、みるみるうちに消えてしまいました。
若者の置いていったものは、竜の彫刻が施された立派な鏡でした。

黒姫は、今の出来事が夢うつつか定かではないまま…

再び、深い眠りに落ちてゆきました。

さて、それから2〜3日経ったある日の事…

例の若者が城を訪れ、黒姫様を我が妻にと直接申し出ました。

政盛殿が会ってみると、態度といい物腰といい、非の打ち所のない若者でした。

ところが…

「私は、湯の山の奥…大沼池(おおぬまいけ)の主で、黒竜(こくりゅう)と申す者です。私は先日、春のうららかさに誘われて、白い蛇に姿を変え、花見に来ておりましたが…その時、黒姫様に接し、杯まで頂いて以来、姫の事が忘れられなくなってしまったのでございます。風雲を起こして姫を攫う事は、たやすい事…しかし、それではならないと、こうしてお願いに参ったのでございます」
政盛殿は、若者の正体が竜と分かった途端、態度を一変してこう言うのでした。

「なに…竜の化身じゃと? そんな化け物に、姫を渡す事は出来ん…帰れ!」

そう言って政盛殿は、厳しく若者を追い返しました。

ところが、若者は次の日も…また次の日も城へやって来て、同じ願いを繰り返します。

政盛殿は家来たちに命じて、城の警備を固くしましたが…

若者は、風のようにどこからともなく現れ、また同じ願いを繰り返すのでした。

こうして若者は城に通い続け、もう100日にもなりました。

「政盛殿…これだけお願いしても、まだ黒姫様を妻に頂けないのでしょうか? もし黒姫様を頂けるなら、私たちは山の上で高梨家を守りましょう。またどうしてもダメと言われるなら、その時はたちどころに災いが起こりましょう」

そこまで言われては、政盛殿も何か策を立てねばなりません。
「なんと…それほどまでに申すなら、明日もう一度来るがよかろう。ワシが馬で城の周りを21回まわる。その後を遅れずについて来たら、喜んで姫をやろう」

さて、その翌日の事…若者は約束通り、政盛の前へ現れ…

政盛殿は馬にムチを入れると、城の周りを走り始めました。
馬は、どんどんどんどん先へ走り、若者はやがてヘトヘト…

とうとうたまらず、竜の正体を現しました。

だが、これが政盛の計略だったのです。

橋の下には家来たちが待ち構え、通る竜を下から刀で刺します。

こうして、黒竜は死に物狂いでやっと21回、城の周りを回りきりました。
到着した時は、もうヘトヘトでした。

「約束通り…黒姫様を妻にください……」

ところが、政盛殿の出した答えは、耳を疑うものだったのです。

「何を申すか、たわけめ!貴様のような化け物に姫をやる気など、初めっからないわい!帰れ帰れ!帰らぬと斬り殺すぞ‼︎」
その様子を影で見ていた黒姫様は、思わず呟きました。

「なんて…酷い事を…」

もちろん、黒竜の怒りは言うまでもありません。

「おのれ…謀ったか!散々礼を尽くし、今日まで通い詰めた答えが、これか…もう許さん……湯の山、48の池を切って落としてやるから、そう思え‼︎」

怒りに駆られた黒竜はそう言い残すと、傷ついた体のまま、鴨ヶ岳の頂上へと帰ってゆきました。
黒雲がみるみるうちに、山全体を覆いました。

嵐は夜になると一層、激しさを増しました。

黒姫様は、村や村人たちを救うためにも、黒竜の妻になってもよいと決心しました。

「父上様どうか…私を竜のところへやってくださいませ。たとえ竜とは申せ、父上様との約束を守り、立派にそれを果たしたではありませぬか…竜が可哀想でございます……竜の怒りを鎮めるためにも、どうか私を竜の元へやってくださいませ…」

ところが、政盛殿は断固として譲りません。

「いいや、ならぬ!」
「ああ……」

姫はとうとう、その場で泣き崩れてしまいました。

黒竜の怒りを表すかのように、外の嵐はますます、とどまる事を知らぬ勢いです。

山は切り崩され、そこから大水が溢れ出し、村人たちはみるみる流されていきました。

堰を切った黒竜の怒りは、もう自分でも抑えようもありませんでした。

その時です。

「黒竜よ…あなたとの約束を破った私たちが悪かった。約束は守りますから、どうか嵐を鎮めてください…」
「鏡よ、黒竜の返事を聞いておくれ…」

姫が、竜の鏡を空高く投げると、不思議と雨が小止みになり…

やがて、黒竜は城へ向かって降りてきました。

そして姫が背に乗ると、大沼池を捨て、新しい山へ向けて飛んでゆきました。

その山の頂から見下ろす村の様子は、散々たるものでした。

その様子を見て、姫は涙が止まりませんでした。

「あんまりですわ…父が、あなたとの約束を破ったとはいえ…」

ようやく我に返った黒竜は、黒姫様に詫びました。

「許してください、姫…私は、人間たちに裏切られたと思った時、もうどうしようもないものが、私の中を駆け巡ったのです。でも、姫の優しい心を知って、私は何とか生まれ変わる事が出来そうです。どうか、姫…私を許してください…」
そう言って、竜は大粒の涙を流しました。

こうして黒竜と姫は、この山に一緒に住む事になったそうです。

それ以来、その山は 黒姫山(くろひめやま)と呼ばれ、今も山の頂には、黒竜と黒姫が幸せに暮らしているという話です。
おしまい。



どーでもえーけど、昔むかし…弟と一緒に、この話のタイトルを見た時、弟がぽつりと一言しょんぼり

か、どっちやねんチュー

って、あのねウシシ

で、どーでもえー答えですが、最後に「〇〇」とつくから、この場合は「大沼」という名前のやねチュー


そしてもっと、どーでもえー事やけど、なんで政盛殿は、城の周りを21回と言ったのかなキョロキョロ

なんか…中途半端な数字やなと思ってねー

まあ別に、どーでもえーねんけどねウシシ


それにしても、この黒竜さんは何とも律儀やよねキョロキョロ

黒竜本人も言っていたけど、黒姫様の事が気に入れば、いつでも掻っ攫って行けるやろうにグラサン

許しを請うために、わざわざ城まで通い詰めるとはねー

それに引き換え、政盛殿は酷いなぼけー

自分から条件を出しておいて、平気でその約束を破るんやからチュー

そりゃ黒竜が怒るのも無理ないと思います恐竜くんがーーーメラメラ

小さい頃に見た時は、その黒竜の怒りを鎮めるために、黒姫は自己犠牲というか…

まあ仕方なしに、黒竜のところに行ったのかと思っていたけどキョロキョロ

今こうして改めて見てみると、黒竜が姫を諦め切れずに毎日毎日、城に通い詰める姿を見て、黒姫は次第に黒竜に惹かれて行ったのでは…

いやそれ以前に、最初に姫の前に現れた時から、実は黒姫は、黒竜の事が気になっていたのかもな〜〜照れ

などなど…勝手に想像していますウシシ

「美女と野獣」とは少し違う話やけど、人間と何かの化身との悲恋物語は、他にもいくつかあるのですがキョロキョロ

特にこの話は、あの黒竜の誠実さと、それに応えた黒姫の優しさに心が打たれますアセアセ


今回の話に出て来た「高梨氏館(小館城跡)」と「大沼池」ニコニコ
画像は拝借した。
そして「黒姫山」富士山

きっと2人は今も、黒姫山から中野市の人々の暮らしを見守っているような気がします照れ





それでは、本日はコレで🙇‍♂️
訪問がボケるほど遅れております…毎度どーもすいません滝汗

明日もご安全に〜〜照れ
おーきにです〜〜ほなね〜〜バイバイチュー恐竜くんガブ♪