身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法 -12ページ目

身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

我孫子道院 道院長のブログ

昨夜は我孫子市にも大雪警報が出たため、

道場での稽古は泣く泣くお休みにしました。

雪の影響で、道場を開けなかったのは数年ぶり!?

でも、普段ならまだ稽古時間内の21時30頃から、市内各所で停電となり、日を跨いで午前2時頃まで復旧しなかったので、稽古を休みにして大正解でした。

 

 

ただ、道場での稽古=易筋行は出来なくても、

自宅で「内修」は出来たはず。

 

開祖のお誕生日も近いことですし、
(少林寺拳法の開祖、宗道臣は1911年2月10日生まれ)

開祖の著書、少林寺拳法教範や秘伝少林寺拳法を読んだり、

開祖語録や読本を読み直すのも大事な内修の修行!

 

<金剛禅門信徒の修行法>

 

もっとも、停電中は本を読むのも難しいので、

調息・座禅ぐらいしか出来なかったかもしれませんが……

 

ワタシは、外修の消極的修行「休養」をチョイスし、22時前にはふとんに入ることを選択しました(苦笑)

 

その分、今朝は早起きし、
自宅周辺を雪かき。

これぞ「外修」であり、自他共楽、力愛不二の実践でもあります。

 

誰かがしなければいけないことがあったら、率先して引き受ける」

というのは、とっても金剛禅的アクションですから!

(「アンサング・ヒーロー」を一人でも多く育てていくのも、金剛禅運動)

 

また、この大雪のように、次回の稽古が必ずあるとは限らないので、

一回一回の稽古を、一期一会のつもりで、大事にしましょう!

 

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『106』

我孫子道院では、毎年2月の第一週に、「冬季雪上鍛錬」というプログラムを実施していて、今年も新潟県の湯沢パークスキー場に行ってきました。

 

 

この「冬季雪上鍛錬」は、

拳士会主催のレクリエーションを兼ねたイベントとはいえ、道院の年中行事の中でも重きをなしていて、すでに15年以上続けている行事になります。

 

なぜ、この行事を重視してきたのか?

それは、この「冬季雪上鍛錬」の真の目的が、

雪の上で、調和の思想について考えることにあるため。

 

拳士であれば、

少林寺拳法=金剛禅は「調和の思想」というのは知っているが、

スキー場という環境は、調和の思想を体得体解するのに、非常に適しているのです。

 

スキーを履いて、ゲレンデを滑り出したとき、

「曲がれ」「止まれ」と強く念じても、スキーはちっともいうことを聞いてくれない……。

 

 

なぜなら、地球には地球の事情があり、地球の法則にこちら側が合わせていかないと、自由自在に曲がったり、止まったりすることができないから。

 

 

地球と喧嘩をしても勝てっこはない。

なので、スキーで上手に滑るには、雪や斜面と仲良くするのが第一歩。

傲慢な気持ちで「曲がれ」「止まれ」と押さえつけようとしても、

地球にあっかんべーされて、しっぺ返しをくらい、転倒するだけ……。

 

雪や斜面と仲良くすることを考えて、調和するのが鍛錬の道。

 

 

本当は拳法の法形(技法)修練だってまったく同じで、

相手と向き合ったとき、「(技が)かかれ」「倒れろ」と念じても、

相手には相手の事情があるので、技の成立条件が整わないと、技はかからないし、倒れてもくれない。

 

地球は人間よりも厳しいので、

自然の中で、雪や斜面と仲良くする方法を試行錯誤し、調和の道を探っていくのは、まさに鍛錬。修行に直結するのでは、と思って、けっこう真剣に取り組んでいるのです。

 

 

そして鍛錬のあとは、

源泉掛け流しの温泉で身を清め、

 

 

ラストは、越後湯沢駅の唎酒番所「ぽんしゅ館」で、

臓腑のお清めを

 

 

怪我をする人もなく、参加者全員楽しく鍛錬することが出来ました。

 

これから一年、じっくり「調和の思想」についての考えを深め、

また来年戻ってきましょう。

 

参加者の皆さん、お疲れ様でした~。

 

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『118

 

 

松の内も今日までですが、

我孫子道院は1月5日が初稽古、

そして昨日、新春法会を執り行いました。

 

新春法会は拳士が一堂に集い、新年を祝うとともに教典唱和や法話などを行ない、心新たにして一年の第一歩を踏み出すための行事です。

 

門下生代表挨拶は、我孫子市の広報誌「広報あびこ」で、

市長との新春座談会にも登場した、我孫子の顔(!?)
E・K拳士

(広報あびこ令和6年1月1日号 ↓)

https://www.city.abiko.chiba.jp/shisei/kouhou/abiko/backnumber/r05backnumber/20240101.files/240101_4.pdf

 

道院長年頭挨拶では、能登半島地震の災害支援の遅さと、
羽田空港の航空機衝突事故の際の客室乗務員の適切な誘導などを例に、
リーダーの決断力と行動力の大切さを再確認。

一人ひとりが、まず小さなグループのリーダーからはじめて、中グル-プのリーダー、大グループのリーダーに成長していくよう呼びかけました。

と同時に、リーダーづくり、人づくりは時間がかかることなので、物事を長い射程で見ることも今年のテーマとして掲げ、
なおかつ、正義のために怒れる人間になろう! と語って締めくくりました。

 

そのあと、精勤賞の表彰、今年の道院役職者の任命など行い、

奉納演武を行なって、新春法会を終了。

 

そして境内に出て、お楽しみのお餅つき。

 

つきたてのお餅を食べながら、

今年も自己確立と自他共楽のため、修行に精進することを誓い合いました。

 

今年1年の法縁各位のご多幸とご活躍を祈念いたします。

 

2024年も我孫子道院と皆さまにとって、良い1年でありますように。

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『110

年末は、日頃使っているもののお手入れをする時期でもある。

 

というわけで、今日は念珠のお話し。

念珠は一番身近な法具のひとつ。

一見同じように見える念珠でも、じつは宗旨により、また本山によって微妙に違う。

 

我々金剛禅にも、金剛禅式念珠がきちんとあって、儀式行事のときに用いています。

 

正規のものは108珠(煩悩と同じ数)で「本連」と呼ばれていますが、

使っているうちに紐がゆるんできたりするので、ときどき締め直す必要があります。

ワタシも、川崎稲田道院の綾邊先生に教わりながら、一度締め直したことがあるのですが、この紐もいわば消耗品で、経年劣化で切れることが珍しくないそうです。

念珠の紐が切れると、「縁起が悪い・良くないことが起こる予兆」と思うかもしれませんが、本来は、人間の煩悩の数と同じ数の珠を繋いだものなので、それを繋いでいる紐が切れるという事は、悪因縁が切れた現れとされているとのこと。

 

それはともかく、念珠の紐が切れると、珠が飛び散り大変なことになるし、それが儀式中であれば、儀式を中断せざるを得ない状況になるので、それだけは避けたいところ。

 

そこで今月、長年使った念珠の紐を交換しました。

細かくいうと、金剛禅式念珠は着用資格ごとに四種類あり、

これまで使っていた「僧階を有する大拳士以上」用の本連は、

珠が菩提樹、房が茶色、地珠がオニキス、天珠が隕石(テクタイト)、二連珠がオニキスという構成。

 

それが「僧階 少法師以上、または僧階を有する正範士以上」になると、

珠が菩提樹、「房が紫色」、地珠がオニキス、天珠が隕石、「二連珠が隕石・オニキス」となります。

拙僧も、11月に少法師、12月に正範士を允可されたので、このタイミングで念珠をオーバーホールがてら、アップデートしていただきました。

 

こちらがアップデートした念珠

房と二連珠(糸のついた部分が、オニキスから隕石に)が変更箇所。

 

アップデート前はこちら↓

 

ほとんど違いはわからないかも知れませんが、少なくとも房が新品になったことでしばらく切れる心配はありませんし、これで安心して新年が迎えられます。

 

せっかくですので、法具についてもうひとつ、袈裟について。

袈裟(けさ)とは仏教の僧侶が身につける布状の衣装のこと。梵語で「壊色・混濁色」を意味するカーシャーヤ (kāṣāya) を音訳したもの。

 

出家修行者が所有を許された3種類の衣と鉢=「三衣一鉢」のひとつ。

その略式の袈裟=輪袈裟は、金剛禅でも仏弟子の証として、儀式の際、威儀を正すために着用します。

 

禅宗では、輪袈裟の一種「絡子」(らくす)も身につけますが、

金剛禅では、僧階 少法師以上の者は、この絡子を着用することになっています。

 

(金剛禅の絡子)

 

ワタシも最近まで知らなかったのですが、

この絡子、首の後ろのサオの部分とマネキの部分を繋ぎとめる、しつけ糸の形に、宗派ごとの違いがあるとのこと。

 

例:曹洞宗では「折れ松葉」、臨済宗では「鱗」、黄檗宗では「六つ鱗」。

 

さて、我々金剛禅では???

本山に確認したところ、金剛禅では「人」の形を取り入れたとのこと。

(金剛禅のしつけ糸のモチーフは「人」)

 

※絡子のしつけ糸は、取らずに使用する※

 

またひとつ勉強になりました。

 

なお、「衣鉢を継ぐ」という言葉があるが、

禅宗では袈裟は嗣法(釈迦以来の仏法が師匠から弟子に正しく伝えられること)の重要な証とされてきた。

師匠は弟子の修行が十分に達成されたと判断した時、仏法の核心を伝授しその証として祖師伝来の袈裟と持鉢を与えてきた。

「衣鉢を継ぐ」は、これに由来した言葉。

 

 

これは、開祖が先師である北少林義和門拳第二十代師父、

文太宗老師から授けられた傳法允可之證(絡子)と念珠一連、如意棒一本。

 

法具はあくまで「形」であって、本質・中身ではありませんが、

開祖は「金剛禅の修行はまず形から入れ」と教えられ、形も重視されたそうです。

2024年は形も中身も充実させられるよう、修行に励む所存です。

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『101』

今発売中の月刊秘伝 最新号は「少林寺拳法特集」!

 

 

もうご覧になっていただけたでしょうか?

表紙にも書かれている通り、

宗昂馬第三世師家 特別インタビューや

10月の少林寺拳法世界大会のレポート、

本山で開催された国際講習会の模様が、

取材力抜群で筆が立つ、精鋭の執筆者(誰だろう?)によって

まとめられています。

 

あっ、世界大会のレポート記事内に、

我孫子道院の拳士の写真を発見!

 

特集記事は巻頭カラーを合わせて、全25ページの大ボリューム。

これは買うしかありませんね。

 

宗昂馬師家の表紙が目印です。

(上掲の表紙の写真には、なぜか宗昂馬師家のサインが入っていますが、これは特別)

 

月刊秘伝 2024年1月号特設ページ

 

アマゾンでも残部僅少と表示されていたので、入手するならお早めに!

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『104』