身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法 -13ページ目

身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

我孫子道院 道院長のブログ

松の内も今日までですが、

我孫子道院は1月5日が初稽古、

そして昨日、新春法会を執り行いました。

 

新春法会は拳士が一堂に集い、新年を祝うとともに教典唱和や法話などを行ない、心新たにして一年の第一歩を踏み出すための行事です。

 

門下生代表挨拶は、我孫子市の広報誌「広報あびこ」で、

市長との新春座談会にも登場した、我孫子の顔(!?)
E・K拳士

(広報あびこ令和6年1月1日号 ↓)

https://www.city.abiko.chiba.jp/shisei/kouhou/abiko/backnumber/r05backnumber/20240101.files/240101_4.pdf

 

道院長年頭挨拶では、能登半島地震の災害支援の遅さと、
羽田空港の航空機衝突事故の際の客室乗務員の適切な誘導などを例に、
リーダーの決断力と行動力の大切さを再確認。

一人ひとりが、まず小さなグループのリーダーからはじめて、中グル-プのリーダー、大グループのリーダーに成長していくよう呼びかけました。

と同時に、リーダーづくり、人づくりは時間がかかることなので、物事を長い射程で見ることも今年のテーマとして掲げ、
なおかつ、正義のために怒れる人間になろう! と語って締めくくりました。

 

そのあと、精勤賞の表彰、今年の道院役職者の任命など行い、

奉納演武を行なって、新春法会を終了。

 

そして境内に出て、お楽しみのお餅つき。

 

つきたてのお餅を食べながら、

今年も自己確立と自他共楽のため、修行に精進することを誓い合いました。

 

今年1年の法縁各位のご多幸とご活躍を祈念いたします。

 

2024年も我孫子道院と皆さまにとって、良い1年でありますように。

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『110

年末は、日頃使っているもののお手入れをする時期でもある。

 

というわけで、今日は念珠のお話し。

念珠は一番身近な法具のひとつ。

一見同じように見える念珠でも、じつは宗旨により、また本山によって微妙に違う。

 

我々金剛禅にも、金剛禅式念珠がきちんとあって、儀式行事のときに用いています。

 

正規のものは108珠(煩悩と同じ数)で「本連」と呼ばれていますが、

使っているうちに紐がゆるんできたりするので、ときどき締め直す必要があります。

ワタシも、川崎稲田道院の綾邊先生に教わりながら、一度締め直したことがあるのですが、この紐もいわば消耗品で、経年劣化で切れることが珍しくないそうです。

念珠の紐が切れると、「縁起が悪い・良くないことが起こる予兆」と思うかもしれませんが、本来は、人間の煩悩の数と同じ数の珠を繋いだものなので、それを繋いでいる紐が切れるという事は、悪因縁が切れた現れとされているとのこと。

 

それはともかく、念珠の紐が切れると、珠が飛び散り大変なことになるし、それが儀式中であれば、儀式を中断せざるを得ない状況になるので、それだけは避けたいところ。

 

そこで今月、長年使った念珠の紐を交換しました。

細かくいうと、金剛禅式念珠は着用資格ごとに四種類あり、

これまで使っていた「僧階を有する大拳士以上」用の本連は、

珠が菩提樹、房が茶色、地珠がオニキス、天珠が隕石(テクタイト)、二連珠がオニキスという構成。

 

それが「僧階 少法師以上、または僧階を有する正範士以上」になると、

珠が菩提樹、「房が紫色」、地珠がオニキス、天珠が隕石、「二連珠が隕石・オニキス」となります。

拙僧も、11月に少法師、12月に正範士を允可されたので、このタイミングで念珠をオーバーホールがてら、アップデートしていただきました。

 

こちらがアップデートした念珠

房と二連珠(糸のついた部分が、オニキスから隕石に)が変更箇所。

 

アップデート前はこちら↓

 

ほとんど違いはわからないかも知れませんが、少なくとも房が新品になったことでしばらく切れる心配はありませんし、これで安心して新年が迎えられます。

 

せっかくですので、法具についてもうひとつ、袈裟について。

袈裟(けさ)とは仏教の僧侶が身につける布状の衣装のこと。梵語で「壊色・混濁色」を意味するカーシャーヤ (kāṣāya) を音訳したもの。

 

出家修行者が所有を許された3種類の衣と鉢=「三衣一鉢」のひとつ。

その略式の袈裟=輪袈裟は、金剛禅でも仏弟子の証として、儀式の際、威儀を正すために着用します。

 

禅宗では、輪袈裟の一種「絡子」(らくす)も身につけますが、

金剛禅では、僧階 少法師以上の者は、この絡子を着用することになっています。

 

(金剛禅の絡子)

 

ワタシも最近まで知らなかったのですが、

この絡子、首の後ろのサオの部分とマネキの部分を繋ぎとめる、しつけ糸の形に、宗派ごとの違いがあるとのこと。

 

例:曹洞宗では「折れ松葉」、臨済宗では「鱗」、黄檗宗では「六つ鱗」。

 

さて、我々金剛禅では???

本山に確認したところ、金剛禅では「人」の形を取り入れたとのこと。

(金剛禅のしつけ糸のモチーフは「人」)

 

※絡子のしつけ糸は、取らずに使用する※

 

またひとつ勉強になりました。

 

なお、「衣鉢を継ぐ」という言葉があるが、

禅宗では袈裟は嗣法(釈迦以来の仏法が師匠から弟子に正しく伝えられること)の重要な証とされてきた。

師匠は弟子の修行が十分に達成されたと判断した時、仏法の核心を伝授しその証として祖師伝来の袈裟と持鉢を与えてきた。

「衣鉢を継ぐ」は、これに由来した言葉。

 

 

これは、開祖が先師である北少林義和門拳第二十代師父、

文太宗老師から授けられた傳法允可之證(絡子)と念珠一連、如意棒一本。

 

法具はあくまで「形」であって、本質・中身ではありませんが、

開祖は「金剛禅の修行はまず形から入れ」と教えられ、形も重視されたそうです。

2024年は形も中身も充実させられるよう、修行に励む所存です。

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『101』

今発売中の月刊秘伝 最新号は「少林寺拳法特集」!

 

 

もうご覧になっていただけたでしょうか?

表紙にも書かれている通り、

宗昂馬第三世師家 特別インタビューや

10月の少林寺拳法世界大会のレポート、

本山で開催された国際講習会の模様が、

取材力抜群で筆が立つ、精鋭の執筆者(誰だろう?)によって

まとめられています。

 

あっ、世界大会のレポート記事内に、

我孫子道院の拳士の写真を発見!

 

特集記事は巻頭カラーを合わせて、全25ページの大ボリューム。

これは買うしかありませんね。

 

宗昂馬師家の表紙が目印です。

(上掲の表紙の写真には、なぜか宗昂馬師家のサインが入っていますが、これは特別)

 

月刊秘伝 2024年1月号特設ページ

 

アマゾンでも残部僅少と表示されていたので、入手するならお早めに!

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『104』

 

 

 

早いもので、今年もあと3日。

我孫子道院は、先日12月23日に稽古納めを行なって、すでにお正月休みに入りました(25日にも年内最後の通常稽古を行ないましたが)。

 

その稽古納めでは、午前中、昇級考試(受験者4名。全員合格)と、

新入門者を対象にしたMy教典づくりを実施。

鎮魂行で使う教典の巻物を自作しました。

 

午後は、まず2023年後期の入門式。

今年は、17名の入門者(3名の復帰・転籍者を含む)が、

新たに我孫子道院の拳士の仲間に加わりました!!

 

そして基本演練や資格別の法形修練を行なったあと、
門下生全員がひとりずつ「好きな法形(技)」を発表。

(得意な技ではないところがミソ)

 

稽古の最後に、例年どおり、「煩悩 退散108本突き」をやって、締めくくりました。

 

 

そのあとは、みんなで1年間の感謝を込めて、道場の大掃除。

隅々まで、心を込めてきれいにします。

 

最後は「阿羅漢会」で楽しいひとときを。

我孫子道院特製の「卍鍋」(塩ちゃんこ)を、みんなでつつきながら、

自分自身の「今年の漢字」を発表しつつ、

一年間の修行を振り返りました。

 

 

今年も曲折浮沈の一年でしたが、

いい仲間たち、いい法縁に恵まれて、修行できたことに感謝します。

 

皆さま、1年間ありがとうございました。

来年も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。

 

新年は1月5日(金)が初稽古。

1月6日(土)に、新春法会(+餅つき)です。

(ゲスト参加者、歓迎)

 

どうぞよいお年をお迎えください。

 

※阿羅漢会(納会)でのサプライズ!

門下生から道院長の僧階昇任、法階昇格のお祝いもいただきました。

 ありがとう~~

 

 

(大掃除のとき、道場の窓から見えた富士山)

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『108』

12月17日、四国は香川県多度津町の

金剛禅総本山少林寺において、特別昇格考試が実施され、道院長が受験。

法階「正範士」位を允可されました。

 

(宗昂馬第三世師家と記念写真)

 

先月、僧階は昇任いたしましたが、
昇格考試の受験は、2019年の七段(武階)以来、4年ぶり。
 

久しぶりに自分自身、考試に向けて準備、勉強することで、
昇級考試・昇格考試を受験する門下生や後進拳士の気持ちがよくわかった気がします。
(それでも自分が受験するより、門下生が受験する方がよっぽど緊張しますが)

 

やはり、人の気持ちがわかることは大事ですので、受験者の気持ち、そして初心を忘れず、これからも指導者として、また一修行者として人間完成の行に励んでいきたいと思います。

 

ワタシがここまでこれたのも、先達や道院長仲間、門下生など

法縁各位のおかげです。

この場をお借りして、御礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

再合掌

 

 

参考までに

こちらが少林寺拳法の階級制度

この度ワタシが受験したのは、法階の資格審査なので、

段位(武階)は変わらず、
「准範士七段」から、「正範士七段」に昇格いたしました。
(僧階は少法師)

 

思えば遠くに来たものです。

 

 

こちらは当日一緒に受験をした方々と。

右からワタシとともに正範士となった、畏友 取手南道院の近藤先生。
次がワタシで、その隣が本部の若手ナンバーワン職員、中井さん(五段 允可)。
そして左が、近藤先生門下で五段になったS拳士。

 

ちなみにこの日の多度津町は極寒で、

朝9時の外気温は、たったの3度……。

 

寒い中、皆さんお疲れ様でした。

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『112』