セデック・バレ
日本統治下の台湾1930年の霧社事件を題材にした台湾映画の原作。戦闘場面が多く悲劇的な経過をたどる。日本人が行った差別は韓国や中国だけではなかった。「先住民族」と「原住民」は台湾では意味が違うらしい。蕃という字もよく出てくる。注意しなければならない。先住民族は絶えて滅びた民族を指し、公式に認定された16余りの原住民族は現在台湾の人口の2.1%を占めるらしい。大陸本土から渡来した漢民族は漢人、平らな土地に住む民族と山中高地に住む民族が混在する。高地の原住民は狩猟を行い生活するが支配者服従しない野蛮人としてみられた。編集後記に「もし日本軍が異文化を理解しようとしていたら歴史はどう変わっていただろうか?」とある。入れ墨や首狩りの文化をどう扱うか。日本にもあった文化だが日本では野蛮と捨て去っていった文化でもある。成人儀礼としての首狩り(出草)は日本の中世戦国時代の首級と同じではないが行為は似ている。支配階級としての当時の駐在警官や教育者は原住民から敵として恨みをかった。蔑視や差別が横行し、日本語教育や氏名変更、政治的な婚姻を強いていた。原住民は耐え絶望の末に誇り高き戦死や自死を選択している。