「みんな違ってみんないい」のか?
山口裕之 ちくまプリマー新書 2022 副題は 相対主義と普遍主義の問題 とある 「みんなちがってみんないい」というのは金子みすずの詩が政府広報にもあがり有名となっている。感情が尊重され傷つかないよう配慮をする風潮もある。災害や犯罪の大事件では有識者や医者や心理カウンセラーへの期待がなされる。SNSでは自分の関心のある記事が出やすい誘導がなされていることがある。著者は『個の尊重はいうまでもないが、「人それぞれ」と言うような形で相手に関わらずに済ませる切り離しがなされないか』と主張している。人はそれほど生物学的に違っているものではないが、正しさの基準に各個の感情や科学が用いられることがある。実は科学は普遍的な真理の基準として具現化されているわけではない。正しさは共同で決めるものだろうと言う。科学的に時間をかけて検討された結果、何がわかっていることなのかを知っておく。絶対大多数がおかしいと思うこともあると知る。情報は誰が発信しているかも含めて比較検討する力が必要だという。「人それぞれ」から「人の考え方それぞれ」で話を進めてしまうと 悩んでいる人、貧困な状態のなかで「それでも幸せを挙げる」という心の持ちようの変化を求めることを勧めてしまうことはあるかもしれない。それでは問題は解決しないことがある。考えを変えるだけでは貧困 で食べ物がない人の空腹は埋まらないという例が書中にあった。どうしたらいいか、ともに考え行動することが必要であろうか。