触法精神障害者
医療観察法をめっぐって里中高志 中央公論新社 2023 税込み1800円エキナカの一般向け書店で見つけた。2003年の医療観察法公布から10年になる。2005年に施行となって、いまさらだが 知識を整理して確認更新する。ルポルタージュとしてきちんと資料や数値も掲載しているので、大変勉強になった。心神喪失、心神耗弱は司法用語であると知った。医学用語ではないとも改めて知る。医療観察法病棟は全国の指定医療機関に35か所あるという。各都道府県に設置があると思い込んでいたが、設置のない地域があると知る。茨城には県立病院内に設けられているので、私もかつて見学した。手厚いチーム医療で期限を設けクリティカルパスならぬ道筋が決められていた。社会復帰に向けてのプログラムが組まれている。対象者は多くのハンディキャップや事情があり多くの支援を受けるが社会復帰は困難であるという現実もこの本で知る。それでも多くの支援を受けて復帰していく人たちがいることに希望を見出し、一般の精神科病院でも同じような体制を充実させることの必要性を説く人たちがいる。かつて勤めていた病院では、この法律以前の処遇で、起訴にならなかった人が長期在院していること、刑務所で刑期を終えて入院してきた人、放火や家族への障害致死などで措置入院として警察からきた人がいた。 法の施行後、医療観察法病棟から転院してきた人にも他の入院者と同様の場で会ったことがある。その人がある事情で移動していってから医療観察法の対象者であったことを聞いた。 精神科病院では退院支援や移行支援に多職種チーム医療を組むところも増えているが、地域の保安維持に与しているのに公的支援の少なさを訴える経営者もいる。精神科特例の影響が残り、常勤の有資格者が少なく、経営者や職員仲間の絆に逆らわない人を集める所はあるような気がする。