齋藤佑樹 上江洲聖 医学書院2023

新刊 #OTマンガ本 3200円

 

新しい手法の一般向けの啓蒙書かと思い予約注文で購入した。

”作業療法のリアルな臨床場面を漫画で描く”と帯にある。

 

誰に向けて書いている本なのだろうと最初の数ページで思う。実習生から10年目くらいのOTを対象にしてるのかな?

専門的な用語の多い内容である。

看護、介護に近いOTの場面であろうと思う。

 

 

1990年に作業療法士の資格をとってOTの業界を精神科病院臨床の場、教育の場、地域活動の場からみてきた。この本の著者らのデビューから活躍年代とは私は一回り年代が違う。作業科学と称するモノに馴染んでいる世代なのだろうなあと、眺めた。

 

沖縄の病院がモデルとしてマンガ化されているが、特別な感じがしない。患者さんの名と言葉がそれらしい。OT学会が2023年11月に開催されるのに合わせるような発売は偶然か?意図的か?

 

内容は盛りだくさんで多岐に富んでいると思う。3200円は高いなあと思うが別の世代の人に読ませて感想を聞きたくなった。コラム内容や重要そうな箇所を見返そうと思うが必要な情報、目次が不親切で残念である。

 

コラムで「開放系」「巨人の肩に乗る」にふれていた。肩の上に乗るには巨人の肩についてのという共通教養の表現を用いなければいけない。そういう面でOTは閉じられている専門性の中にまだいるのではないかということを思った。

 

ノンバーバルな身体言語を含む対話ができるのがOTの強みと思う。最近、看護介護に近い現場ではそれらに多く着目していることが少ない。そのセラピー手法は、個人療法の訓練の機会が少ない精神科OTの業界では、衰退している。精神科でOTは、いわゆるセラピストの役割が少なくなり、それらは精神科医、臨床心理士の声が大きい世界となっている。

この本でもOTの強みに触れているが曖昧さの影に紛らせているように思った。医師や臨床心理士が言語を駆使した論述発表をするがOTでそのようについていける人は少ない。それが現実の臨床である。