お尻で折り紙 -4ページ目
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】あかいの
きいろいの
めだたぬの
みすぼらしいの
みどりの
あおいの
こちょこちょ
くすぐったい朝焼け
三角座りしか
できなかった気持ち
泣き足したいのに
暗いのに
夜はもう朝
電車のはじまりとともに
あかいの
きいろいの
めだたぬの
みすぼらしいの
ちゃいろいの
ぼくは
記憶したたる低木
枝振りのわからぬ気になって
しろいの
毎日の顔をしたパン
えりまきのエッセンス
面と向かって ことばのじょうろ
そらいろの
汗をかくほどの
陽射し
昼ごはんを抱え込む
ぼくは
朝をまた
一歩踏みしめるだろう
葉っぱのなくなる
冬の庭に
たねをまく日を
決めたから
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】言葉をひとつ
ひとつ探していると
通りすがりのひとの
通りすがりの生活が
ひとことの端々から
転がり込んでくる
星をひとつ
ひとつ眺めていると
通りすがりの町の
通りすがりの坂道を
ひとつぶを頼りに
前奏にすることができる
さらばひとつ
枯れ葉一枚の曇りよ
寒風は見つける
保たれる関わりや
温まっていく窓
ひとつひとつ
到来する冬が
顔を合わせどうやら
白い歌に火を灯している
沸々と静かに
皆の息が色づいていく
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】ゆっくりしてるかな
ゆっくりしてるといいな
長いワンピース揺らして
汽笛の空に遠い雲
匙は教えてくれた
さじかげんげんきげんき
そんなことじゃあ走れない
落ち着き影と昼寝星
ゆっくりできるといいな
長いフライパン揺すって
取っ手を掴む心の中
匙は教えてくれた
さじかげんげんきげんき
そんなことじゃあ味気ない
木も鉄もアルミニウムもホウロウも
当たって掬って磨り減っても
いいやつでいた
匙は覚えていくよ
味が出ること歳をとること
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】暮らしの中に
山も入江もある
火を起こし水を茹で
金の泣く音を
背中びったん楽しませながら
よく乾いた海風の
染み込んだ出汁をとる
ザルの目にひかからないのが
人生の浮き沈みだ
悪い風邪をひいた朝も
間違えた柵のごとき夜も
黄金色の木犀の香りを追う
散歩する豆のように
坂道を往来しようじゃないか
新しく古い土の息を吹く
深呼吸が暮らしのミソだ
具はなんでもこい
やさぐれた街の夕暮れに
そうだと言わんばかり
また静かにかっくらう
お椀型のへその山
味噌汁が今日の今日を広がり落ちる
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】騙すか絵を描くか
改称か
化けて出た
まじょまじょ言った
毛布かぶった
からだより重かった
畳から陽が上り
地でも水でもありません
僕平線じゃあ 起きれません
騙すか
心は空だ
子どもも黙る明け方だ
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】ひるのひざしをあびて
よるのはなしをさかす
さかみちをうんせとのぼり
じてんしゃでかぜとあそぶ
おとこのたから
おとこのじかん
おもいをかさねたら
おもいくももなんのそら
まちにおとこあり
ひとにおとこあり
ひるのていしょく めをひらき
よるのばんしゃく めがたれる
たからものは いわずとも
なまえをよぶ えがおかな
てれくさくても あじわい
いきてゆくたび ほろよい
こーひーのかおりにめをとじて
まじめなかおして
なみだがじかんをながれる
おとこ
むじゃきでやさしい
おとこ
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】蚊に刺された数
月が見ている
家の灯りはまだ
むかしむかしのあさを
遠目に見ながら
自らの躓きを
謝る者がいる
蚊に刺された跡
月が染みていく
膨らんでいく
むかしむかしのよるも
黙って頷く
本日は駆け出した
忘れない光を懐に抱いて
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】試着した服 ぜんぶ合わない
ブーツをはいたら あたしが消えた
いい あくびしたよ
ねえ 名前呼んで
初めての言葉 始まりの落ち葉
買い換える靴は 近づいてく旅だよ
いい あくびして
ねえ 名前呼んで
ゆるさない時の 匂いを覚えた
はなさない時の 匂いがした
いい あくび
へんな 夢
そんな今日も
おしゃべりをジュースにしたら何パーセントか
朝だ
長袖をまくって
家を出た 細かい毛玉とった
傘は あってもなくてもよかった
あくびした
雨を かるい涙と呼ぶことにした
あたしだった
秋の虫は星を探して鳴いてた
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】ぎゅうどんやでばいとしてるこが
にくをぬすんだ
それでしゃぶしゃぶした
あさはあつい
なんでだろう
ふとったかな
かいぞくのえいがのすきなてんちょうは
おとこなのにあんなにほそい
のーまるらーめん
みそ しお とんこつ
ちゃーしゅー わかめ
ねぎ もやし たんたんと
たぐちさんより
はやくおぼえた
のーまるらーめんがいちばんすきだ
すきなてぬぐいをもってきていいのもすき
だいたいあかいはなのをまいてる
まかないがでないひは
みせのよこのうらどおりで
しゃがんでぱんをたべる
おくにはじんじゃ
おもてにはゆきかえりいがいでない
むかいのこんびにのわきには
いつもおなじひとがしゃがむ
にもつのないこ
きまって
たばこをいっぽんすって
じんじゃにむかってあるいてく
ひょうがらのせなかをみるのがすき
めがねをてぬぐいでふいて
てんないにもどった
てんちょうがやまもりのまかないをたべてた
うらやましいといったらかんちがいされた
いえにかえったら
きのうのにくがのこってた
やきにくして
おわらいをみてねた
きょうもわらえてよかった
テーマ:詩集【ご飯にするお風呂にするそれとも詩】あかりをまぜて
きくずれたシャツ
はずれたあくび
きのうのあした
ボタンささやく
ほんとのところ
ねむいくちぶえ
おやすみまつげ

