お尻で折り紙 -5ページ目

"おはようまぶた"

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おはようまぶた

ないているのは

ぽかんとあいた

くちびるのジャム

まどからひかり

ぬぐってなめた

くらやみまぜた

カフェオレのあじ

"にもの"

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わたしたちの

それぞれの

かたさ

ごろつくよな

とけるよなあ


ふろ はいろ

ふねは

ほうろう

おゆに

おもかげ


しゅらしゅしゅ

しゅうしゅ

かたまでつかって

かたろかな

しゅらしゅしゅ

しゅうしゅ

かたさまさぬよう

かたろうか

"えっちゃんとじゃがいも"

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えっちゃんは

じゃがいもをほりました

たくさん ほって

すこし うめました

とかいでは

せまい にわに

ちゃんと

ちゃんと

えがくんだよ

あめが すこし うれしくなったな

たいようは いつも あたらしいな

えっちゃんは

たくさんから すこしをひいた

じゃがいもをたべました

じてんしゃに

のってるみたいに

かぜをあつめた

もぐらみたいに

くだらなすぎて

わらえるみたいに

おいしいなあ

ほくほく

いっしょに

あるいてこう

いもは ここだよ

ぽこっ

ぽこっ

"夏の飴"

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飴は駄目でした

明日には溶けて

なくなります

思い出します

砂糖のこと

デンプン

温かかった日々

冷たくされた日


飴は泣きました

危険を感じ やめました

怒ってみました

プラスチックの野郎

ガラスめ

甘くあれ

おいしくあれ

おい と しく は

泣き虫の擬音です


飴は透明な包みから

空を眺め

海を描きます

しょっぱい

泡のなかで

泳ぐのもいいな

夏はいつまで夏だろう

海月と踊る夢を見た


飴は編みました

小さく細く

続くような糸を引き

飴は飴

甘くあれ

おいしくあれ

時には無知に

砕かれながら

包み紙を剥ぎ取って

"春のロウ"

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ブリキの青いマグ

サンデー!

飛んでゆきなさい

おそる

おそる

さびしく

しないの


サンデー!

ブリキのいい具合

つぶれ

つぶれた

温かい

ロウ


参堂

生きもののこと

空は崩れし

雨はまだ

おそる

おそる

速い車に乗っかって

春の火

蝋燭は

どろんどろん

ぷーかぷか


雨はもう

笑えるね


飛んだ

"みつめるものがあれば"

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珈琲が揺れるのを見れば

風さえわかれば

茜色が枕木を見れば

寝顔の先には

お小遣いとコツを握りしめれば

行く道の野良

わたしは

間違えてしまうことに

慣れんな

怖いと言うと怖いな

泣き虫のかなしみを入れた

小包を撫でた

夜眠れば

バラエティに富んだ夢見ては

忘れてしまうこともあるな

きみがいるからな

知らん花もきれいだな

"実り"

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かごいっぱい

めをほどきます

とっちゃ なげちゃ

ひかかる かぜに


髪を切った友達

ショッピングカート

背中の繕い

焼き芋の皮

誰かの書類のかげ

口から出た日溜まり


葉っぱは 枯れるか

色づくか残るかして


めをほどきます

かごいっぱい

みんな ほしに

ひかかる みのり

"中華の卵の殻"

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てんてんてんてんてんてんてんてん
てっんの
ぼくだから
宝ものに
埃かぶせてるさ

あかいワインを
ああいいワアと
よっぱらっているさ

節約しました
といって
誤魔化したような
ピックルス
出すんじゃねえよ

めだまが
めだまやき
みたいに
ふるふるしてきた

鞄が重い
本が多い
レディオも聴ける

ある夜の電球が総て割れ破れ

桃色より桃の色がすけべだ


中華の卵料理を作ろう

今夜は

つつかれた

殻の成分も

なんか言ってる

"シとソの詩"

静かに

しー

そー

止まってる

もの

静かに

黙って


静かに

しー

そー

黙ってる

ところ

静かに

閉まって


静かに

しー

そー

溜まってる



静かに

仕舞って


氷が

滑って

珈琲

冷めて

子供は

国超え

肉は

老いて

音曲は

交響し

死ぬものや

死んだものは

今日も

耳を潜り

鼻奥を擽り

私に会い

あなたに去り

また

静かに


しー

そー

静かに

風に

のって


しー

そー

僅かに

風に

ふれて

"喫茶室"

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どこかで崩れる塔の

影は横取りさせない

盾を太刀に見せつける

出来心

フルーツパフェ


御注文の季節は 安らかに

くださいください言わない

出来れば 言いたい

コスタリカ エル セロ イ アンヘレス ノルテ


めまいまで目隠しして

怖じ気づく

紳士淑女をひっぺがして

黙れ

沈む鯨に泣きつく

私は

ホット

または

アイス

または

長い

スプーン

底まで

抜けた