"あのな"
あのな
おとが とおくから あるいてくる
めっちゃ おそい
しずかで きもちいい
かみを ゆって
ひげを たくわえ
あさの コーヒーを ひきずりこんで
おとなの かこみに
こわいろ えらぶと
あのな
おとが ちかくから あるいていく
はやいか おそいか
もう わからん
にがくて すっぱい
あさの コーヒーを おとしこめて
おしりの あたりに
わたしが おる
おとが とおくから あるいてくる
めっちゃ おそい
しずかで きもちいい
かみを ゆって
ひげを たくわえ
あさの コーヒーを ひきずりこんで
おとなの かこみに
こわいろ えらぶと
あのな
おとが ちかくから あるいていく
はやいか おそいか
もう わからん
にがくて すっぱい
あさの コーヒーを おとしこめて
おしりの あたりに
わたしが おる
"窓" 2006.4.27
窓という字は
寝ているあなたに似ている
優しい顔で眠るために
わたしは落ち着き 昨日の夢を忘れる
あなたの見る夢を
わたしは見ることができない
あなたの笑っている顔を
思い浮かべながら
朝には忘れている顔を
窓に映しながら
どうなってもいいのに
どうでもいいなんて言う
朝にしばられて
しばし いじめられていたい
毛布をめちゃくちゃに蹴り飛ばし
枕を言葉にならないほどつぶす
ふくらむ
電気の数字は動かない
目を擦ることも許されない
朝を炊く
ほかほかの湯気
みっともない
カーテンを開けない
隙間の陽がみつける
埃の美しさに
わたしは 落ち着き
これ以上落ちていきたくないと
わがままにつんのめる
あなたを わがままと思うことにする
着地した場所は 未開の土地であったりする
朝早くから大きな声で子供を叱る母親
わたしは あなたを叱れない
あなたは わたしをこれでもかと叱る
どうせ新陳代謝が活発なら
新しさで すべて
書き換えられていけばいいのに
楽しみにしていたことさえ
通過すれば忘れていく一方
電気をつけたまま 全身が眠っていく
あなたのつむじを
携帯電話のカメラで撮る
夜は 朝に向かって渦巻いている
窓という字は
寝ているあなたに似ている
優しい顔で眠るために
わたしは あなたのことを考えている
寝ているあなたに似ている
優しい顔で眠るために
わたしは落ち着き 昨日の夢を忘れる
あなたの見る夢を
わたしは見ることができない
あなたの笑っている顔を
思い浮かべながら
朝には忘れている顔を
窓に映しながら
どうなってもいいのに
どうでもいいなんて言う
朝にしばられて
しばし いじめられていたい
毛布をめちゃくちゃに蹴り飛ばし
枕を言葉にならないほどつぶす
ふくらむ
電気の数字は動かない
目を擦ることも許されない
朝を炊く
ほかほかの湯気
みっともない
カーテンを開けない
隙間の陽がみつける
埃の美しさに
わたしは 落ち着き
これ以上落ちていきたくないと
わがままにつんのめる
あなたを わがままと思うことにする
着地した場所は 未開の土地であったりする
朝早くから大きな声で子供を叱る母親
わたしは あなたを叱れない
あなたは わたしをこれでもかと叱る
どうせ新陳代謝が活発なら
新しさで すべて
書き換えられていけばいいのに
楽しみにしていたことさえ
通過すれば忘れていく一方
電気をつけたまま 全身が眠っていく
あなたのつむじを
携帯電話のカメラで撮る
夜は 朝に向かって渦巻いている
窓という字は
寝ているあなたに似ている
優しい顔で眠るために
わたしは あなたのことを考えている
"ドンワン" 2006.4.20
ドンワン
が食べた
マッチの火は冷たかった
火薬の味はしなかった
木の芽を
しょうゆマヨネーズで食べるように
ドンワン
は食べた
しなびた体に
ちょうどよかった
気にくわないやつを
明太子和えで食べるように
ドンワン
は味わった
握れない拳に
血が流れるのを待った
マッチの火は確かに冷たかった
火薬の味はしなかった
目が痒みを訴えたが
舌は止まらなかった
好物の果実を
練乳がけで食べるように
ドンワン
は幸せを感じた
目を瞑り
痒みが治まるのを待って
ドンワン
は吸った
箱の中の
数十本のマッチと
一本の煙草
気にくわないやつを
殴ることのなかった手で
ドンワン
は支えた
倒れていく自分の体を
抱え込むように
雨上がりの泥に混ざって
煙があがった
五階建ての社宅のベランダで
洗濯物を干していたユノメルは
それを見て
今晩のおかずを
きんぴらごぼうにしようと
決断した
が食べた
マッチの火は冷たかった
火薬の味はしなかった
木の芽を
しょうゆマヨネーズで食べるように
ドンワン
は食べた
しなびた体に
ちょうどよかった
気にくわないやつを
明太子和えで食べるように
ドンワン
は味わった
握れない拳に
血が流れるのを待った
マッチの火は確かに冷たかった
火薬の味はしなかった
目が痒みを訴えたが
舌は止まらなかった
好物の果実を
練乳がけで食べるように
ドンワン
は幸せを感じた
目を瞑り
痒みが治まるのを待って
ドンワン
は吸った
箱の中の
数十本のマッチと
一本の煙草
気にくわないやつを
殴ることのなかった手で
ドンワン
は支えた
倒れていく自分の体を
抱え込むように
雨上がりの泥に混ざって
煙があがった
五階建ての社宅のベランダで
洗濯物を干していたユノメルは
それを見て
今晩のおかずを
きんぴらごぼうにしようと
決断した
"スパイス"
すべて日常は曇りならば
よき曇りを選ぶ
私は小賢しくなれない
髪の葉は水平に
風が舞い落ちる街に
恋人は駅を挟んで
向こうのビルにいる
私たちを知らぬ人々が向かう足元や
車が滑る動波を
突き放すとも言わず
見ている以上に見て
進歩や機器がくれたとげは
のどをからから焼き炒める
黒糖と香辛料が
牛乳と話し込んで立ちのぼる夜のにおい
テラスは夕方に飽き
星に座る夜を思う
恋人に会いに行こう
短くも 長くも
よい曇りの日の香り
よき曇りを選ぶ
私は小賢しくなれない
髪の葉は水平に
風が舞い落ちる街に
恋人は駅を挟んで
向こうのビルにいる
私たちを知らぬ人々が向かう足元や
車が滑る動波を
突き放すとも言わず
見ている以上に見て
進歩や機器がくれたとげは
のどをからから焼き炒める
黒糖と香辛料が
牛乳と話し込んで立ちのぼる夜のにおい
テラスは夕方に飽き
星に座る夜を思う
恋人に会いに行こう
短くも 長くも
よい曇りの日の香り
"アイスコーヒー"
色に酔うので
戦いは仕掛けないのです
冷や 冷や 冷や
グラスの縁の
まあるい
ずっと
私の吸う煙草を私が見ている
凝り 凝り 凝り
味に酔うので
厳かに
戦いを仕掛けるのです
三角地帯を折りに折れば
まあるい
私の苦い夏に私が甘える
戦いは仕掛けないのです
冷や 冷や 冷や
グラスの縁の
まあるい
ずっと
私の吸う煙草を私が見ている
凝り 凝り 凝り
味に酔うので
厳かに
戦いを仕掛けるのです
三角地帯を折りに折れば
まあるい
私の苦い夏に私が甘える
ハロー グッバイ スパゲティ
トマトとアボカドとコンビーフのスパゲティを作った。原材料費400円くらい。
今までコンビーフの缶を空けたことあるのだろうか、チャンスは中学校の調理実習くらいか。ぜんまいのようなもので、くるくる缶の金属を巻いていく途中でどうにもずれてしまい、残りをキッチンばさみで切って開けた。
何年ぶりだかに食べたコンビーフは、思ったよりビーフの味がして、パスタによく合った。しかし一缶は多い。半分でよかった。
トマトは熟れすぎていたが焼いたので気にならずジューシー。アボカドをたっぷりのせたのは功を奏した。
この数週間で今の職場を辞め、新しい職場が決まった。
三年間働く中で自分の行く末を思い描くことができたのは幸運かもしれないし、必然かもしれない。私は私の望む道を歩いていく。
梅酒を漬けた日から29日。"ひと月で飲み頃"と使った日本酒原酒のラベルに書いてあったので、先日解禁した。
初めて自分で作った梅酒を飲んで、泣いた。うまいだけじゃ泣かない。
七夕の海に沈む夕日を愛する人とふたりで見た。幸せ以外のどんな言葉で表すことができようか。
くるりの新しいアルバムばかり聴いている。古い記憶が新しい記憶となって現在を生きる人々に歓びを与える。
そんなことばかり考える。
嬉しい寂しい楽しい可笑しい、感情そのものになっちゃうような日々だ。生きる記憶を生きていく。
今までコンビーフの缶を空けたことあるのだろうか、チャンスは中学校の調理実習くらいか。ぜんまいのようなもので、くるくる缶の金属を巻いていく途中でどうにもずれてしまい、残りをキッチンばさみで切って開けた。
何年ぶりだかに食べたコンビーフは、思ったよりビーフの味がして、パスタによく合った。しかし一缶は多い。半分でよかった。
トマトは熟れすぎていたが焼いたので気にならずジューシー。アボカドをたっぷりのせたのは功を奏した。
この数週間で今の職場を辞め、新しい職場が決まった。
三年間働く中で自分の行く末を思い描くことができたのは幸運かもしれないし、必然かもしれない。私は私の望む道を歩いていく。
梅酒を漬けた日から29日。"ひと月で飲み頃"と使った日本酒原酒のラベルに書いてあったので、先日解禁した。
初めて自分で作った梅酒を飲んで、泣いた。うまいだけじゃ泣かない。
七夕の海に沈む夕日を愛する人とふたりで見た。幸せ以外のどんな言葉で表すことができようか。
くるりの新しいアルバムばかり聴いている。古い記憶が新しい記憶となって現在を生きる人々に歓びを与える。
そんなことばかり考える。
嬉しい寂しい楽しい可笑しい、感情そのものになっちゃうような日々だ。生きる記憶を生きていく。