お尻で折り紙
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あたためること あたためられること



        
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新しい、次の場所へ。

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詩を書きつづける。
ごはんを作る。食べる。
風に吹かれる。木を眺める。

これからも、ずっと。

渋谷橙の木登りと詩歌

"細長い" 2009.9.26

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雲のある夕焼け
細長い卓に天気
カフェの中のおれ

乾燥したあじさい
星の見える天気
かぜをひいたってきみ

おれは
くらやみも行くよ
寒いけど
ボタンをしめて行くよ

雲のある夜景
カフェをあとにして
例の地下道に向かってる

行く手を塞ぐ風物詩
隙間にも合いたいわけ
移ろうし
かぜひいてもいいって
おこられるときの返し
細長いったらありゃしない
効かせてよ

きみんちの頑丈なカギ
開けるとめくれたカレンダー

"アラブの恋人たち"

北へ向かう列車の中で
アラブの恋人たちと乗り合わせた。

谷川へ差し掛かる頃
太陽は霧の幕に和らぎ
ちらちらと雪が舞い始めた。
アラブの恋人たちは
アラブのことばで話し込んでいたが
雪を見つけると唇を止め
目を輝かせたのち
「ゆき」と儚く発音した。
私は読書を止め
アラブの恋人たちに耳をすまし
車窓から白む里を眺めた。

谷川は関心と同じ速度で深くなり
雪は列車の揺れと木々に合わせて濃くなっていった。
アラブの恋人たちは
アラブのことばで会話を続けていたが
もう「ゆき」とは言わなかった。
男の方の柔らかく浮かぶようなジェスチャーに
女の方が頷き笑みを見せ
アラブの恋人とことばたちは降ったり止んだり笑ったりした。
短いトンネルを幾つか抜けると
肌が張るような風雪が飛び交う終着駅で
アラブの恋人たちは肩越しに消えた。

乗り換えの列車が待っていた。
溶けかけたアイスクリームに見えた。
ホームの雪に足をすくわれながら
私はつるつると乗り込んだ。

"大晦日"

大晦日

キャッチボールする

みんな

家か夢のなか

田畑には神さまっぽい雪


大晦日

キャッチボールする

みんな

今日か明日か

ずっと昔だから


キャッチする

ボール放る

雪もとれるかな

食べてもいいよ

もち

"かろやかに歩けないかなあ"

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雲に綴じたことが
雨の日に降りてきた

折りたたむ傘

晴れたら広げて
かすれてげんき

かろやかに
歩けないかなあ

"運動しやすい靴と夢"

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運動しやすい靴を鳴らして
あくびの紛れる喫茶店に
落ち込んだのはよく晴れた
風が冷たい午後でした

酔うからここの珈琲は
厳密に言わなくてもよくて
一口目でリキュール
二口目でリラクシン
三口含めばリカちゃん人形と違和なく遊べる

残された我が身の
老いだけを撫でたら
もしもの質問は夢ばかり見せたがる
考える人も運動しやすい靴を履く

小突かれて嬉しいのは
まず君を知っているからだ
珈琲をおかわりしたら
風も止んで歩けるかな

"ピアノ"

椅子
そこに
何事も

樹の皮を剥ぐ
画鋲で昨日を留めている
すぐにすぐにすぐにすぐに

お茶着いて

群青色の足音
夜型
靴下の穴を押さえ
協奏曲第五番にしておけや

滅法弱い声よ
何度も
ピアノっていくよ

日曜日
木目調
群青に高まって
消えてしもうた

鍵盤は
続く限りの音色を
たまに虹にしてみせる

遅れてきた毛虫は
蝶になるために果汁ばかり摂るので
秋には机にお花を飾って
お祈りするの
それから
外国の甘いチョコレートを食べる

椅子に持たれ
ピアノを聴いて
たまに書いてる
うそはない

"湯気にかくされてしまってもよかった"

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湯気にかくされてしまってもよかった
あったかいしるしだし
あったまった人たちが
あつい言葉を照れくさく語る夜を
程よくマーブル模様に照らしてくれた

月も星も黙っていたけれど
夜の声は小さく明るく点って
それぞれのほほに光が移ろい
それぞれのひざに影が揺れ
どうしても思い出せないことを
思い出す前につぶやいてみたくなった

マーブル模様のたゆたう先に
空が一瞬うなづくのを見た気がした

"夜を行くお皿"

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休憩を挟んで
眠りは歩みを進めた
どこもおかしなところはないね
霧が吹いて
パンが少し湿ったくらいさ
夜は流れてく
僕は舵をまかせて
餡子やクリームの夢を見る
子供になってね
ネムノキと一緒さ
可動式の
風と温度を空の色で見間違いながら
きっと
絞り袋からあらわれる
旅先の太陽を
きゅっと
平らに受けとめるために
僕はどんなお皿になれるだろう
夜が流れてく
乗り物にのっかって
眠る生地を空の色で確かめながら

"こけごっこ"

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おじいさんが教えてくれた
髪でも髭でもどこでもいい
臆することなく乾きなさい
そしてあなたを潤す言葉に
ホットなナンバーをリクエストして
溺れるように泳ぎなさい
ほれ 助けてやろう
こけの登場
浅瀬や水溜まりにいることを思いなさい
程よくひたされているのがいいんじゃ
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