足立区の眼科、シオノアイクリニックの院長ブログです。
以前近視についてお話しましたので、今回は遠視、そして老眼についてお話ししたいと思います。
近視は網膜の手前に光が集まり、正視は光が網膜にピタリと集まる目だということを説明したかと思います。それでは遠視はどうかといいますと、下の絵のようになります。
遠視の場合は、絵のように遠くからの光は網膜の後ろに集まります。網膜のところにピタリと光が集まらないわけですから、理論的にはぼやけて見えるはずです。
けどおかしいですね、遠視は遠くが見える目って聞いたことありませんか?実際、遠視でも遠くがよく見えている方はいますよね?
遠視の目で光が網膜より後ろに集まってしまうのにちゃんと見えている理由、それは水晶体がピント調節をしてくれているからです。
少しの遠視であれば、下の絵のように水晶体が厚くなって網膜の後ろに集まっていた光を網膜のところにピタリと集めることができます。これを調節と言います。特に若い方は調節する力が強いので、少しの遠視ならしっかりと見えるわけです。
そしてこの調節を使えば、近視の状態を作ることも可能です。だから、若い方は遠くも近くもよく見えます。
ところがこの調節力は、年齢とともに徐々に衰えていきます。これが老眼です。特に遠視の方は近くのものを見るときに、正視の目と比べて、より調節する必要があります。だから遠視の方は老眼を早めに自覚することになります。
特に最近はパソコンやスマートフォンを使用する機会も増えて、近見作業が多いため、以前にも増して調節力の低下を自覚することが多くなっています。
対策としては、老眼を自覚した初期のころは目薬で対応してもいいかもしれません。
それでも目が疲れる、ピントが合わないなど、老眼の症状がつらい方は、眼鏡を使う、あるいはコンタクトを使用している方は度数を調整することが大事になります。
今回は遠視についてお話ししました。次回は目にゴミがみえる「飛蚊症」についてお話ししようと思います。