足立区の眼科、シオノアイクリニックの院長ブログです。
今回は近視(近眼)について説明したいと思います。
春になると一斉に学校での検診が始まり、視力検査でひっかかるお子さんも多いと思われます。眼科受診すると、「近視になってますね」とか、「遠視がありますね」なんて診断されたりします。
近視は近くが見える目、遠視は遠くが見える目、だと思ってませんか?これは完全に間違いではありませんが、正しくは違います。近視は近くが見える目、は正解です。遠視は遠くが見える目、は正確には違います。しっかり遠くが見える目は正視と言います。
下の絵は、正視(近視でも遠視でもない目)の目の断面図です。黄色い矢印は遠くを見た場合、光が目にどのように入ってくるかをあらわしています。遠くを見た場合、光はまず角膜(黒目)、そして水晶体を通ることで曲がります。そして、正視の場合、目の奥の網膜にピタリと光が集まります。このように網膜にピタリと光が集まると、はっきりモノが見えます。
下の絵は近視(近眼)の眼の断面図です。正視の目の時と違って、網膜の手前に光が集まっています。これでは網膜にピタリと光が集まっていないので、はっきりと見えませんよね?近視の方は程度によりますが、遠くをみるとぼやっとしか見えません。遠くを見えるようにするためには、網膜の手前に集まってしまう光を、正視の目のように網膜のところへピタリと合わせる必要があります。そこで登場してくるのが凹レンズです。
凹レンズは光を拡散させることができます。下の絵のように、凹レンズを使って網膜の手前に集まっていた光を、網膜にピタリと合わせれば、はっきりとモノが見えることになります。そうです、近視の方が使っている眼鏡やコンタクトレンズは凹レンズになります。
網膜にピタリと光が集まるとしっかり見える!ということはわかっていただけたでしょうか?でもこれだと、近視の目が「近くが見える目」というのはよくわからないですよね?
先ほどまでの絵に書いてある光は目に対してまっすぐ入ってきてます(黄色い矢印)。これは遠くのものを見た場合です。遠くのもの見た場合には、光は目に対しまっすぐ入ってきます。ところが、近くのものを見た場合、光は下の絵のようなイメージで入ってきます(赤い矢印)。どうでしょう、近視の目はまっすぐ入ってきた光だと網膜の手前に集まってしまいますが、近くからの光だとピタリと網膜に光が集まりますよね?よって近視の目は近くのものがはっきり見えます。
今回は近視とは!の話になってしまい、予防などについてはお話しできませんでした。
次回は近視の予防等についてお話したいと思います。