新型コロナウイルス感染の第4波が到来した | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 大阪では、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大している。感染者数は4月1日が616人、2日が613人、3日が666人と4日連続で6000人を超えてる。3日の666人は過去最多である。東京都も3日に446人と、4日連続400人超えである。

 緊急事態宣言は3月21日に全面解除されたが、ウイルスの潜伏期間が10日〜15日であることを考えると、4月になって発症して感染者数に計算されている人は、宣言解除前に感染したことになる。

 政府や自治体が感染防止対策の継続を国民に要請しても、宣言解除となると、解放感からか、一気に緩みが出てきて、容易には応じてもらえない。とくに、それは若い世代に顕著で、陽性者数の人口比率を見ても、20代、30代が増えている。

 学校の春休みに加えて、花見のシーズンとあって、各地で人出が多くなっており、行楽地や繁華街で人びとの密集が続出している。25日に始まった聖火リレーの沿道の観衆も同じであり、感染の可能性は高まっている。そのため、大阪市は中止する。

 4月初めに感染した人たちが発症するのは4月中旬であり、最近の人出の急増を見ると、これから5月の連休にかけて感染者が急増する可能性が高まっている。

 東北では、宮城県で感染が急拡大し、3月31日には感染者が200人となった。隣接する山形県でも同様で、感染が増えている。沖縄県、愛媛県なども感染者が急増している。地方では、首都圏と違って医療資源に限りがあり、医療崩壊を引き起こす危険性が高まっている。

 このような全国の感染状態を見ると、すでに第4波が到達していると判断せざるをえない。

 フランスやドイツやイタリアでは、感染が急拡大して深刻な状況になっており、医療機関の逼迫状態は第一波のときよりも酷く、医療崩壊状態になりつつあるという。その原因は、変異株である。ヨーロッパでは感染の半分以上が変異株であり、感染力が強いため、患者が急増して医療資源が追いつかないのである。

 筑波大学の研究チームによるAIを駆使して試算では、ワクチン接種がコロナ感染を抑制する効果は限定的だという。東京都で第2波と同じペースで感染が進むと、1日の感染者数は、5月中旬にピークとなり、接種なしの場合で1850人、毎日人口の0.3%(3万5千人)に接種の場合で1650人(−10.8%)、人口の1%接種(11万5千人)の場合で1540人(−16.8%)になるという。ワクチンに過剰な期待を寄せてはならないという戒めでもある。

 とくに変異株の市中感染には注意が必要である。変異株感染数は、兵庫県128件、東京都6件と格段に違う(3月15〜21日)が、この違いは、検査をまともに実施しているか否かによる。陽性者中で、変異株検査を都は僅か5%前後しか検査していないが、兵庫県は40%以上行っているからである。変異株は子供にも感染しやすい。

 これまでの感染防止対策の失敗のツケが第4波の到来となって現れているのである。

EUは、ワクチン不足のため、域内からの輸出制限を厳しくする方針であり、日本への供給が予定通り進まない可能性が高まっている。