緊急事態宣言でコロナ感染は終息するか・・6つの問題点 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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  1月18日、通常国会が始まった。最大の課題はコロナ対策である。1月7日に緊急事態宣言が発令されてから10日が経つが、感染が収束する兆しは見えない。

 緊急事態宣言の問題点を記してみる。

 第一に、期間であるが、1ヶ月でピークアウトするのか。これについては、多くの専門家がもっと時間がかかるという予測をしている。一日の感染者が7千人を超えるという急拡大をした後では、短時間で終息させるのは難しく、緊急事態宣言の延長も視野に入れざるをえないのではないか。

 第二に、地域は今の11都府県でよいのかという問題である。大都会から地方へ感染が拡大している。これらの地域、さらには全国への緊急事態宣言の拡大も視野に入れなければならなくなる。

 第三は、対象業種である。なぜ飲食店のみを対象にするのか、そのことを客観的に示すデータがあるのか。東京都のデータでは、12月29〜1月4日の1週間で、感染経路が判明した者の中で、感染源は、飲食店での会食が9%、同居が47.7%、施設内が15.7%、職場が11.4%である。つまり、データに基づけば、飲食店叩きは意味がないということになる。家庭内や施設の感染は、無症状の感染者が増やしているのであって、それをPCR検査で早期に発見し、隔離する必要があるのである。

 第四は、学校への措置である。学校を休校にしないで家庭内感染が拡大すれば、緊急事態宣言の効果も半減する。とくに、イギリスや南アフリカで流行している変異種は、感染力が強く、子どももターゲットになると言われている。

 第五に、無症状の陽性の者をどう見つけ、どう隔離するかということである。これはPCR検査をもっと拡充するしかない。民間の検査会社も活用して、東京都のような深刻な感染地域では、圧倒的規模で検査を拡充しなければならない。

 中国では、PCR検査の徹底がウイルスの抑制に繋がっている。中国は独裁政だからと言うのは説明にならない。民主政の台湾は感染防止で優れた成果を上げている。指導者がしっかりしていれば、民主政でも十分に対応できるのである。コロナ対策に関する限り、日本は東アジアの劣等生であるが、その点を指摘する者の意見を政府もマスコミも尊重しない。

 第六に、そもそも、なぜ年明けの緊急事態宣言なのか。タイミングは適切なのか。出すべきは12月中旬であって、遅きに失したと言うしかない。そうしておけば、今の感染爆発は抑えられていたであろう・

 昨年春の最初の緊急事態宣言発令のときに比べると、新型コロナウイルスの特性、感染したときの症状、治療法などが明らかになっており、人々の不安感は緩和されている。その分、緊張感もまた失われている。ワクチンも開発され、海外で接種が始まったことも安心材料を提供している。

 しかし、医療の現場は厳しい状況となっており、医療崩壊寸前まで行っており、緊張感に溢れている。日本は、医師数、病床数など世界に誇る医療資源を持ちながら、なぜこの状況に追い込まれているのか。

 それは、コロナ専用病院が不足しているからである。武漢でコロナが流行したとき、当局はプレハブで一大コロナ専用病院を短時間で建設させ、感染者の急増に対応した。日本でも、その気になれば同じ事ができるはずである。