築地をどう再開発するのか   | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 豊洲市場が開場した後、築地市場跡地をどのように再開発していくのか、利権を求めてくる者たちを断固排除し、この一等地を広く都民、国民のために活用する方策を考えるべきである。

 2017年2月28日に、都は、築地市場の土壌が汚染されていることを公表した。それによれば、戦後に米軍のドライクリーニング工場があった時期があり、土壌が洗濯用の有機溶剤で汚染されている可能性があるとの文書を2016年3月にまとめていたという。この時期には、すでにマスコミによる「舛添バッシング」が始まっており、そのような文書については私には報告がなかった。

 しかし、私は、築地の歴史については、かねてから研究を続けていた。江戸時代の明暦の大火(1657年)で消失した西本願寺(当時は浅草御門南にあった)の代替地として、埋め立てて作られたのが築地である。その字の通り、「築地」とは築かれた土地、つまり埋め立て地という意味である。

 そして、この鉄砲州築地には、明治維新後に外国人居留地や海軍省などの海軍施設が置かれた。海軍施設跡地であるということから、兵器などが埋められているかもしれない。また、戦後は占領軍がいたので、都の発表のような土壌汚染が想定される。さらに、採掘すれば江戸時代の遺跡・遺品が出土することが考えられ、文化財保護の観点からも開発には時間がかかる。

 このようなことは少し調べれば分かることであり、私は、都の技官たちとそのようなことを議論し、築地市場の跡地利用は手間がかかるぞと言い続けてきたものである。そこで、豊洲への移転後は、2020年オリンピック・パラリンピック大会に備えるために、建物を撤去した後に、コンクリートでしっかりと覆い、駐車場として活用する方針を決めた。そして、それと並行して、長期的な築地再開発策を構想する予定であった。

 ところで、築地市場の跡地利用について、様々な企業や組織が、都知事である私の許に陳情や提案に来た。しかし、私の方針は、「築地は都民の幸福のために使うべきで、一企業の便益のためには絶対に動かない」というものであり、担当職員にもそのことを厳しく言ってきた。利権を求める者たちにとって、一円の賄賂も受け取らないこんな堅物の知事は困った存在であった。

 このような知事がいる限り、築地の利権漁りができない、一日も早く知事の座から引きずり下ろすしかないと考える者が出てきても不思議ではなかった。

 私は、東京を世界一の都市にするため、陸海空の交通拠点である築地を最高のデートスポットにしようと、大きな夢を描いてきた。オペラハウス、イベント会場、ショッピングモール、深夜まで賑わうレストラン、ホテル、そして東京湾でのナイトクルーズなど、様々なアイデアが出てくる。

 築地が、私腹を肥やそうとする利権屋の闇のスポットになってはならない。そのためには、「万機公論に決すべし」の精神で、公開の場で英知を結集して議論し、様々なプランを都民、国民に提案してほしいものである。