20世紀文明論(41):スピードの世紀⑦・・空の征服❶ | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 鉄道に加えて、20世紀を「スピードの世紀」にしたのは自動車と飛行機である。とくに飛行機は大陸間の短時間横断を可能にし、人類の移動の時間と距離を一気に縮めた。

 地球を一周する旅は、すでに16世紀に船を使って実現している。15世紀には「大航海時代」が始まり、スペインのコロンブスやポルトガルのバスコ・ダ・ガマなどが、新大陸発見の旅に出ていった。そして、ポルトガルのマゼランに率いられる船団が、1522年には遂に世界一周に成功した。

 今日でも、物資を大量に、しかも安価に輸送するには船舶が最適である。しかし、船舶の問題は速度である。そこで、スピードという点では飛行機が大きな役割を果たす。

 鳥のように自由に空を飛ぶことは、人類の長年の夢であり、19世紀のイタリアの天才、レオナルド・ダ・ヴィンチも空を飛ぶ機械を設計してみたが、それは成功しなかった。

 その後、1783年にはフランスのモンゴルフィエ兄弟が、気球による有人飛行に成功した。1893年には、ドイツのリリエンタールがグライダーによる滑空飛行を実現した。

 20世紀になって、アメリカのライト兄弟が、人類初の動力による飛行機「フライヤー1号」を飛ばせた。1903年12月17日のことである。

 1906年11月12日には、ブラジルのサントス・デュモンが、パリで複葉機の試験飛行に成功した。これが、ヨーロッパ初の動力飛行である。

 そして、1907年11月13日、フランスの自転車製造販売業者のポール・コルニュが、ヘリコプターの飛行実験に成功している。

 このように、20世紀の幕開けとともに、人類は空を飛ぶという夢を実現させていった。

 第一次世界大戦が1914年に始まるが、この戦争は飛行機を大いに発展させた。そして、第二次世界大戦でも飛行機が大きな役割を果たし、また航空技術も一層進歩した。

 そのおかげで、今の人類は快適な空の旅を享受している。20世紀は、人間が空を征服した世紀と言ってよい。