20世紀文明論(40):スピードの世紀⑥・・鉄道の歴史⑥ | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 鉄道の速度を振り返ると、20世紀初頭と20世紀末では8倍のスピードになっている。21世紀にはどうなるか。今の新幹線のスピードは20世紀と変わらないが、これが21世紀末には8倍の時速2400㎞になるだろうか。

 つまり、東京―京都間を約15分で移動するようになるかと言うことである。これは単純な計算だが、15分というのはあり得ないような気がする。しかし、科学技術の進歩で何が起こるか分からないので、何とも言いがたい。

 現在、リニアモーターカーが速度への挑戦を試み、今年の4月21日に行われた走行試験では時速603㎞の世界最高速度を記録した。しかし、それでも新幹線の2倍のスピードであり、2400㎞には達していない。

 現状から見れば、21世紀に鉄道の速度が8倍になることは考えられない。列車の速度一つとっても、20世紀はまさに「異常な」変化を遂げた世紀であり、同じような変化を21世紀に期待することは困難である。

 18世紀に始まった産業革命は人類の歴史を大きく変えた。1807年にアメリカ人のフルトンがハドソン川に蒸気船を走らせ、1814年にはイギリス人スティーブンソンが蒸気機関車を発明している。

 それをきっかけして鉄道網が世界に広まっていったのである。その鉄道は、20世紀になって一旦は斜陽化したが、新幹線のおかげで再び脚光を浴びている。

 鉄道の速度の変化を振り返ると、20世紀は、「スピードの世紀」と言って間違いではなかろう。