国際政治学講義㊲:(4)20世紀の意味 ②社会主義の世紀・・㉑ | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 6月12日、シンガポールで米朝首脳会談が行われ、共同声明が発表された。非核化、朝鮮戦争終結など様々な課題について協議が行われたが、これは米朝交渉の第一歩であり、これから時間をかけて具体的な政策にまとめていくしかないであろう。

 もし、北朝鮮が、中国と同様な改革開放に舵を切り、社会主義市場経済への道を歩んでいくことができるならば、地上の最後の社会主義体制が消えることになるかもしれない。

 しかし、中国は、日本やアメリカやヨーロッパのような自由で多元的な民主主義体制ではない。経済については、市場経済を導入したが、政治については先進民主主義国とは異質なままである。この体制を、社会主義が生き残っていると見るのか、それとも社会主義は死滅したと言うのか、答えは容易ではない。

 20世紀になって、この地上で、社会主義の名の下に、人権を踏みにじる独裁と非効率な経済運営がなされてきた。そして、この世紀は、中央が指令する全体主義的な計画経済が人類の幸せにつながらないことを、百年かけて立証したのである。

 中国は経済については、この弊害から脱却し、世界第2の経済大国に成長した。しかし、政治については、基本的に問題は残ったままである。政治と経済という両輪が連結してこそ繁栄がもたらされるという西側先進民主主義国の「常識」が通じない世界がそこにはある。

 北朝鮮は、社会主義の最後の亡霊がまだ徘徊している国である。米朝首脳会談で、トランプ大統領は北朝鮮の体制を保証した。もし金正恩が改革開放に舵を切り、民主化への道を歩まない場合には、人権を抑圧するおぞましい全体主義独裁が続くことになる。ゴルバチョフやエリツィンがソ連邦を解体し、新生ロシアを生んだのは、世襲制独裁ではなかったからでもある。北朝鮮の民主化シナリオを描くのは容易ではない。

 20世紀は、社会主義体制の誕生とその死を目撃してきた。しかしながら、社会主義思想が掲げた理想や思想までもが死に絶えたわけではない。逆に、それは現代の先進民主主義国家では政策の中に取り込まれている。累進課税制度や充実した社会保障制度がその典型である。

 

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