トランプのアメリカ(9):11月3日〜11月5日 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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11月3日:大統領の長女イヴァンカさんが来日中。マスコミはワイドショー的に扱っているが、アメリカではロシア疑惑が重大な局面を迎えている。弾劾という言葉も飛び交う。トランプ現象の背後には、人工的に作られた国アメリカの特異性がある。この「ファンタジーランド」の理解が不可欠。ブログにアップする。

11月3日:アメリカはなぜ、「ファンタジーランド(幻想の国)」なのか。アメリカ史をみれば、fake news,post-truth, alternative facts などは、いわばアメリカのDNAである。それがアメリカを例外的な国にしているのであり、トランプを当選させたものなのである。

11月3日:Kurt Andersen “Fantasyland︙ How America went haywire ︙A 500 year history“(Random House)。この近刊本が、アメリカの特異性、0DNAを分析しています。この本を翻訳する出版社はありませんか?

11月3日:先の本の紹介ツイート。0DNAはもちろんDNAのミスプリ。なお go haywireは「興奮して狂ってしまう」という意味。本のタイトルは「どうしてアメリカは興奮して狂ってしまったのか:500年の歴史」。DNAの起源はピューリタニズムという。邦訳書が出ればアメリカ理解に役立つ。

 

11月4日:明日トランプ大統領来日。今日紹介したアンダーセンは、トランプ現象の起源はピューリタンによる建国の歴史にあるという。別の論者は1990年代以降のアメリカの反エリート主義に注目する。先にブログに記したが、ネットの暴走、排外主義などの嫌な動きは90年代に顕著に。明日また本を紹介する。

 

11月5日:トランプ現象の背景には、繁栄から取り残された白人労働者がいる。アメリカンドリームとは親の世代より経済的に成功し社会の階級を上昇していくことをいうが、彼らはその夢を持つことが出来ない状況にある。アメリカのあらゆる民族集団の中で、唯一、白人労働者階層の平均寿命だけが下がっている。

115日:トランプ現象は1990年代に源があるというDavid Friendの“The Naughty Nineties“(Twelve)。「猥雑な1990年代」に、反エリート主義、大衆紙のゴシップ報道、ネットの暴走、劇場政治、排外主義などが開始。トランプの原型。この本も邦訳が欲しい。

11月5日:Vanity Fair 編集長、D.フレンドによれば、戦後のベビーブーマーが支配的だった『猥雑な90年代』にこそ、トランプの下品な物言い、政治をショーに仕立てる行動、大衆紙による醜聞探しなどの元祖がある。政治では泥仕合が続き、ギングリッチの反エリート主義が力を持った。面白い本。