都知事こぼれ話(2):地方自治(2) | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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(1)行政の長の権限・国と自治体:知事など地方自治体の長の権限は、国の大臣よりも具体的かつ直接的である。たとえば、厚生労働行政については、国全体の政策方針を決めるのは厚労大臣であるが、個々の病院の開設認可権限などは首長が持っている。私が大臣のとき、レセプトの明細開示を指示したが、その指示は直接指揮下にある国立病院のみにしか適用できなかった。贈賄する側にとっては、知事などの首長を対象にしたほうが見返りは大きい。都市開発などについても同様である。東京都が利権の巣窟と言われるのはそういう意味であり、利権に興味を示さない知事は、利権屋にとっては邪魔者であり、引きずり下ろす対象となる。

(2)地方議員の選挙制度:東京都は一人区を除けば、中選挙区制であるため、かつての衆議院と同様に、議員は政党の力ではなく、個人の力で当選したと思いがちである(一枚岩政党の共産党や公明党は除く)。したがって、与党であっても、知事に対して平気で反旗を翻す。大統領制・二元代表制ではなく、議院内閣制のほうが政党政治の論理が貫徹する。二元代表制を今後も維持するのであれば、選挙制度を小選挙区制や非拘束名簿式比例代表制の変えるという改革もありうる。現代民主主義の根幹は政党政治であり、憲法の地方自治条項も含めて見直す必要がある。その改革なしに愚民主義から離脱するのは難しい。