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鳩ーはとー
ご利益 八幡神への取り次ぎ、成功勝利、厄除け。
鳩と言えば、
「平和の象徴」
として、世界的に知られています。
これは、『旧約聖書』で、
堕落しきった人間を滅ぼそうと、大洪水を起こす決意をした神が、
信心深いノアだけに洪水の事を教え、
全ての動物の番いと、植物の種子を乗せた方舟を造るように告げる、
「ノアの方舟」が由来となっています。
神の告げた言葉を信じ、方舟を作るノアを、
人々は馬鹿にし、ノアが洪水が来る事を教えても、
嘲笑うばかりで、誰一人信じようとはしませんでした。
ノアの家族と、動植物を乗せた方舟が完成すると、
次第に雨が降り始め、すぐに、豪雨に変わりました。
荒れ狂う嵐に、瞬く間に全てが水の底へと沈んでしまい、
方舟も、大きい波に翻弄されながら、
どんどん流され続けました。
やがて、風が収まり、40日も降り続いた雨が止み、
やっと、陽が差すようになっても、
方舟の周囲には、見渡す限り水しかありませんでした。
その後も、150日の間、水は引きませんでした。
次第に、方舟の周囲の水が引き始めると、
アララト山で、流され続けていた方舟が止まりました。
更に40日が経ち、外に出られるようになりましたが、
試しに放った烏は、止まる場所が無く、
すぐに方舟に戻ってきてしまいました。
それから7日が経ち、今度は鳩を放してみると、
オリーブの葉を持って戻ってきたので、
地表が現れている事がわかりました。
更に7日後、また鳩を放すと、今度は戻ってきませんでした。
そこで、方舟から出たノアは、祭壇を築き、捧げものをすると、
神は、ノア達を祝福し、
「もう二度と、生きとし生けるもの全てを滅ぼしてしまうような、
大洪水は起こさない」
と契約されました。
荒れ狂っていた大洪水が収まり、
平和な世界が戻ってきたことから、
鳩とオリーブの葉は、
「平和の象徴」
となったのです。
このシンボルは、第二次世界大戦後の、
第一回国際平和会議のポスターを手掛けたピカソが、
オリーブの葉を咥えた鳩を描いたことで、
一気に世界中に広まりました。
また鳩は、『新約聖書』でも、
「無垢、清さ、無害、素直」
などを象徴すると書かれています。
『ギリシャ神話』でも、
愛と美の女神、アフロディーテの聖鳥の一つに挙げられています。
対して、日本での鳩は、軍神の使いでした。
宇佐八幡宮に伝わる由緒では、
一つの身体に八つの頭を持つ、鍛冶をする翁が泉に出現するようになり、
その姿を見た者は、病に罹ったり、亡くなったりするようになりました。
後に、宇佐八幡宮を創建した大神比義ーおおがのひぎーが、
鍛冶をする翁を見に行くと、
そこには、金色の鷹がいました。
不思議に思った大神比義は、鷹に、
「自分の意思で変化したのか？
それとも、誰かに変化させられているのか？」
と問うと、鷹は、金色の鳩に変化し、
大神比義の袂に止まりました。
その時、大神比義は、何れかの神に違いないと感じましたが、
その正体がわかりませんでした。
そこで、３年間五穀を絶ち、修行を重ね、
再び祈祷をすると、３歳の童子が現れ、
「我は、
誉田天皇広幡八幡麿ーほんだのすめらみこと ひろはたのやはたまろー
である。わが名は、
護国霊験威力神通大自在王菩薩ーごこくれいげんいりょくじんつう だいじざいおうぼさつー
で、神道として垂迹せし者なり」
と告げられたことから、
宇佐八幡宮が建てられ、八幡神が祀られました。
そこで、鳩が、八幡神の神使となったのですが、
八幡神は、戦神でもあったので、戦いにおいて縁起が良いとされ、
武士の家紋にも、鳩が使われるようになりました。
特に、二羽の向かい合った鳩が描かれている場合は、
八幡の「八」の字を表しています。
日本において、中世までは、
「戦のシンボル」
であった鳩は、現代では、
「平和のシンボル」
と認識されています。
とても、対照的な変化ですね。
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