年始にブログを書いたと思いきや、瞬く間に4月を迎えようとしています。歳を重ねるごとに、月日が早く流れると感じるのは私だけでしょうか?
長引いたコロナ禍がやーーーーっと落ち着き、外出や旅行も増える今日この頃。昨春から我が家のゲストハウスを賃貸していたアメリカ人のシングルマザー親子が、他州へ引越すことになりました。
ママの彼女曰く、「これまでずっとホームスクールで学校に通ったことがなかった娘が、9歳になってやっと学校に行きたいと言うので、もう少しダイバーシティ(多様性)のある都市部に越すことにしたの。でもここを去るのは名残惜しいわ」とのこと。ママは白人、別れた元ご主人は黒人男性なので、この子は可愛いハーフちゃん(以下Aちゃん)。長身のパパ似で背が高く、褐色の肌にアフロヘアでオシャレなAちゃん、確かにこの辺りはナバホの子供達ばかりなので、初の学校通いで溶け込むのは難しいかもしれません。
ゲストハウスを賃貸すると決めた際、ライフコーチ兼ヒーラーである私達夫妻が住む、大自然のヒーリング・ランチに暮らすことを選ぶ人なら、何かしら人生の課題があるだろうとは予想していたものの、実際この親子と過ごした一年間は、まるでテレビドラマのような日々でした・・・
昨年の親子が越して来た数日後、穏やかな週末に昼寝をしていた私とポールは、「ギャーーーッ!!!」とものすごい叫び声で飛び起きることに!
何ごとかと思い慌てて外に出ると、Aちゃんが私たちの玄関先に靴も履かず、嗚咽しながら立っていました。ヘビにでも噛まれたかと思った私が「どうしたの!?大丈夫!?」と聞くと、「うん、大丈夫」と言って去って行くAちゃん。あとでママに様子を確認すると、親子で喧嘩になり、家を飛び出したとのこと
その後、何度もこんなことがあり、やがてAちゃんの癇癪(かんしゃく)は、通常の子供がイヤイヤ期や反抗期に見せるそれとは度合いが異なることに気づいた私達。。。
定期的かつ頻繁に起こる癇癪やメルトダウン(精神的に追い詰められ、ストレスが極限に達した発達障害者の身に起こるパニック症状)や攻撃性の強さから、Aちゃんは発達障害を患っていると思い始めたのです。
ある夜、暗い裏庭を歩いているママに気付くや、「日中、ここで亀(ペット)を放していたら、Aちゃんがひどい癇癪を起こして、それに振り回されて亀を連れて帰るのを忘れちゃったのよ」と。。。亀が私達の犬や野生のコヨーテなどに襲われては大変と思い、私とポールも加わり、暗闇を懐中電灯で照らしながら亀探し。結局その夜は見つからずに断念したものの、翌日のんびり日向ぼっこしている亀を発見して一件落着
またある日は、ママとAちゃんを招いてのディナーの最中、急にAちゃんの雲行きが怪しくなり、泣き叫んではママを非難。私にはとっても懐いてくれているAちゃんですが、その私がなだめても、今度は私の非難スタートと、手のつけようがありません。そんな状態に疲れて涙ぐむママに、「これまでAちゃんを小児精神科などに連れて行ったことはある?」と聞くと、「・・・・」と無言のまま帰ってしまいました。
そんなことが日常化した数ヶ月後、ママから「ここに越したことを知らないはずの元ダンナが、私達がニューメキシコにいると嗅ぎつけて、東海岸からアルバカーキ(ここヒーリング・ランチから車で3時間以上のニューメキシコの都市)に越して来たらしいの。万が一彼からポールと志野にコンタクトがあったら、私達のことは絶対に秘密にしてほしい」とのお願いがありました。そこで、彼の家庭内暴力が原因で、離婚に至った過去を打ち明けてくれた彼女。。。
しばらくすると元ご主人は、なんとここから30分の最寄りの街ギャラップに越して来たとのこと!
私達が警察へ届けることを提案すると、ママは「ちゃんと彼と話して来るから心配しないで」とのこと。結果的に元ご主人は、どうしてもAちゃんに会いたくて、ここまで来てしまったそう。Aちゃんもまた、パパが恋しく、大好きなパパと引き離された憤りを、ママにぶつけていたようです
やがて数ヶ月が経ち、元ご主人を「Aちゃんのため」と受け入れ始めたママは、彼を自宅に招くようになり、ママとAちゃんが同時にインフルエンザで寝込んだ際は、彼が看病で寝泊まりするまでに関係が改善していきました。
そうした年始のある日、「Aちゃんの学校のことや、彼はここでは仕事が見つかりにくいから、一緒に他州へ越そうかと話しているの」と報告するママに、思わず顔を見合わせたポールと私。。。
まるで犯罪者扱いだった一年前が嘘のように、今日も彼は引越しの荷造り作業を手伝っています。そして、それを嬉しそうに眺めるAちゃん ヒーリング・ランチでの癒しが起きた瞬間に、私もホロっとしてしまいました
とは言え、パパとの交流が増えたことでAちゃんの癇癪も以前よりは頻度が減ったものの、やはり先天的なものなのでしょう、今も時に暴発しています。このまま学校通いを始めても、学校で問題を起こすのを予想できることがやるせなく。。。ホルモンがアンバランスになる思春期を目前にし、早急に対処しなければ、いずれ周囲への暴力行為や自傷行為などさまざまな問題行動を起こすことにもなりかねません。でもAちゃんは私達の家族やクライアントではないですし、病院通いなどを勧めることは余計なお節介と心得、何も言わずにいます。
こうした発達障害は、脳の障害などの先天的な要素と、様々なストレスといった環境要素が重なることで発症、悪化しますが、もしあなたのお子さんがそうした状態にあるのでしたら、お一人で抱え込まず、かと言って「うちの子に限ってそんなことはない」と楽観視もせず、現実を受け入れ、一日でも早く対処して頂きたいと思います。それがお子さんの明るい未来と、ご家族の平安に繋がることを願ってやみません🙏
厚生労働省:発達障害とは?
( 写真はイメージです。)