※虚実が入り交じっていること前提でお読みください。

※過去記事シャルルさん編はこちらから。
【知覚する前】(一般的な史実と、shinnoの推測)

【知覚した後】(空想で具現化したシャルルさんの話)

【いま進行中の初回】
シャルルさん語り①「暗殺事件」


***

続きです。

前回【追記】しました。
常備軍と略奪についてシャルルさんの見解など。



百年戦争において、フランス軍が苦戦している背景には、イングランド軍が擁する長弓部隊の存在が大きい。
かの国では、騎士から平民に至るまで、弓術の鍛錬に力を入れていた。

弓兵1人の射出力は、1分間に6~12本に及ぶ。
自陣や城壁に沿って弓兵をずらりと並べ、矢の弾幕を張り巡らせるのがイングランド軍の必勝パターン。

我が軍は、その弾幕へ向かって重騎兵を突撃させる。
雨のように降ってくる矢を潜り抜けた騎士が弓兵を叩く。
1人も敵地へ辿り着けない戦いもあった。
勝っても負けても、膨大な犠牲の上で成り立っている作戦だ。

イングランドに勝つには、長弓部隊の攻略が急務だった。


常備軍の創設に関して、特に力を入れたのが砲兵部隊の拡充だった。
これまでにも火砲はあったが、主力兵器として使える代物ではなかった。
火薬は高価であったし、攻撃手段というよりも、戦場では鳴り物としての効果が買われていた。

この頃、火薬とセットで火砲を売り込みにくる商人がいた。
上手く運用すれば、イングランド弓兵の射程外から攻撃可能になるかもしれない。

だが、主力兵器にするには難題が多かった。

火薬は、炭と硫黄と硝石で出来ている。
炭と硫黄は入手しやすいが、硝石は南方でしか採取できないため輸入に頼らざるを得ない。
弓矢のように、気軽に打ち込めるものではなかった。

それから、砲身、砲台、砲弾、火薬などの基本物資。
火薬を調合し、射程距離や角度を計算できる人材の育成。

弓兵に対抗するには、物的にも人的にも大量に揃えなければならない。


火薬の問題は、意外な所から解決した。
錬金術師(今で言う化学者?)が、人や家畜の糞尿から硝石を精製する技術を編み出したのだ。
精製には年単位の時間が必要だったが、火薬を低価格で大量生産する道が開けた。

砲兵隊は、一風変わった軍隊になった。
武勇を誇るより計算力に長けた者、文官や商家出身者も多かった。

攻城戦の主力だった投石機を、火砲に入れ替えた。

これまでの攻城戦は、城を1つ落とすのに数ヶ月~1年かかっていた。
英仏関係なく、どこの国もそうだ。

砲兵隊を運用してから1年。
我が軍がイングランドから奪回した城塞の数は、60にのぼった。




今に始まった事ではありませんが、物騒な話ですね。ほんとすみません。

砲兵隊の運用は、百年戦争末期の2~3年ほど。
最後の戦いでは、野戦でも火砲をメインに使って圧勝。
イングランドの指揮官は馬ごと砲弾に潰されて戦死したらしい。ごめんなさいm(__)m

シャルルさんいわく、
「野戦を想定した作戦は試験運用のつもりだったのだが…」

こ う か は ば つ ぐ ん だ !

という奴ですね。
ずっと黙って見ていたグレイさん(久しぶり!)が、
「リッシュモンより、あなたの方がよっぽどチートじゃないですか」と言ってます。ははは、確かに。

でも、変だよね。
現世の私は、シミュレーションRPGのような戦略系ゲーム苦手なのに、シャルルさんの作戦はすごく効いてる。

「こういうのは戦略とは言いません。例えるなら、チェスや将棋の盤上に、全方位+射程距離無制限+飛び越え可能で攻撃できる『大砲』の駒を持ち出すようなものです」

ああ、そりゃチートだわ。
さすが勝利王、さすが私、さすが汚い!w

汚いと言えば。
以前、シャルルさんが楽しそうに「うんこうんこ♪」言っているのを見て、砲弾に汚物でも混ぜてイングランドにバラまいているのかと思いました(汚いなぁ)
実際は、汚物から硝石を取れるのが分かって、はしゃいでいる光景だったようです。

「つい、チートと言ってしまいましたが、現実はゲームとは違いますから。武力や戦術を極めるよりも、新しい技術や科学を好んで活用するところが、シャルルさんもshinnoと同じ性質だと思います」

うーん、その見解はどうだろう^^;
他の前世たちだと、フランチェスカさんとヴェネチアングラス、ラボックさんとダーウィン先生&進化論みたいなものか?


百年戦争が終戦した同年、オスマン帝国によって東ローマ帝国が滅亡。
これをもって、ヨーロッパの時代区分は中世から近世へ移ります。

東欧でも大砲を売り込む商人の逸話があり、東ローマでは投獄され、オスマンは採用。
大砲の有無が、勝敗の決め手になったと言われています。
時代の流れですかね~

続きます。
明日で終わるかな?どうかな?




【追記】

シャルルさんの軍で運用したのは、青銅砲と臼砲がメインと思われます。
軽量で小型、遠征先まで持ち運びできるカワイイやつです。

カルバリン砲まで使っていたかは不明。
これは全長1.2メートル、口径75ミリ。
戦地まで大量に持っていくには大きすぎる気がします。

シャルルさんが火砲の運用を始めた頃、ブルゴーニュ公はモンス・メグという新型砲を作っていました。

「陛下、私の大砲をご覧ください。こいつをどう思いますか?」
「すごく…大きいです…」

全長4.6メートル、口径510ミリ、重量6.6トン。
重さ175kgの砲弾を撃ち出すというバケモノ砲です。

でも、これって運べないよね?
デカすぎて使い勝手が悪いよね?!

「やっぱり私の臼砲ちゃんの方がいいに決まってる!カワイイしいっぱい撃てるからな♪デカけりゃいいってもんじゃない」ですって。

ブルゴーニュ公が作った巨砲は、対イングランド兵器としてスコットランドにあげたようです。
運んだ人、大変だったろうな~

今も現存してます。
モンス・メグ - Wikipedia

口径が、戦艦大和の主砲よりデカいらしい。
射程距離は2マイル(3キロ超)。

なんか、オーバーテクノロジーが流入してませんかw
まだ15世紀前半だというのに、何をやってるんだこの人たちは…

***

チャネリングやリトリーバルは、変性意識の領域で見聞きしているので、実体がどうなっているか分かりません。
解釈(フィルタ)次第で、見え方も考え方も変わるし、個人差があると思います。
他所の情報と違うとしても、私には判断できかねます。責任も取れません。
くれぐれも鵜呑みにしないでくださいね。