シャルルさんの生涯は、あらかた探索してますし、今回は要所だけ。
とは言え、トラウマの根っこを掘り返したり、暗殺事件の本当の黒幕探しなんて始めてしまったので、長くなりそうです。

逆転裁判で、無実の依頼人を弁護している気分。
しかも、この人が私の前世なら自己弁護ということに。


過去記事シャルルさん編はこちらから。

知覚する前(一般的な史実と、shinnoの推測)


知覚した後(空想で具現化したシャルルさんの話)


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ブルゴーニュ派(イングランド寄り)とアルマニャック派(王太子寄り)、和解交渉の日。

この頃のシャルルさんは15~16歳くらい。
王には12人の子がいて、シャルルさんは11番目。
五男(末弟)だったから、王位が回ってくる可能性は低かったけれど、兄たちが亡くなり、直系男子は最後の一人だった。

父王は、だいぶ前から精神を病んでいた。
症状がひどいと凶暴になり、自分に仕える兵や身内を殺した事もあった。
長い間、まともに政務を執っていない。

何世代も続く王位を巡る戦争(合間に休戦もしてますが)で、国内は疲弊し、内紛状態だった。
まさに内憂外患。

多くの貴族たちは、とっくに現王を見放して久しい。
自分たちの領地と地位を守る為、強国イングランドの庇護に期待する派閥と、次の王(王太子)に望みを繋ぎたい派閥に分かれていた。

だから、王太子派と言っても、シャルルさん個人が評価されている訳ではない…
まだ子供みたいなもので、能力を評価するには若すぎた。

たまたま、最後の直系男子だから、自動的に王太子派(アルマニャック派)の首魁になってしまっただけ。

兄たちが存命中は、シャルルさんが省みられる事はなかった為、宮廷のしきたりには疎い… というか、全然わからない…

王太子になると、急にたくさんの取り巻きが出来て、自分たちに万事任せろと言われる。
右も左も分からないのだから、彼らに任せるしかない。

王の直系は残り一人になった。
能力を評価するには若すぎると述べたが、いくらかマシな所があるとしたら、王太子に精神疾患の兆候がないことと、大人しくて御しやすい性格だったことだろうか。

御しやすい、つまり、手なずけて手中に収めれば容易に操り人形にできるということ。
宰相次第で、良い治世にも悪い治世にもなる。

どの派閥であろうと、みなの本音は「自分たちの地位を守りたい」に尽きる。
それが叶うなら、あえて他国の王をかかげる必要は無かった。

水面下で、両派閥の和解交渉が進められ、あとは公式の場で約定を交わすのみ。
派閥を解消し、貴族たちが王太子に臣従を誓う。

それで全て上手くいく…はずだった。

イングランドがどう反応するか分からない。
だが、少なくとも周辺と国内の貴族たちの結束は強まるだろう。

シャルルさんが本格的に公式の場に出るのは、初めてだったらしい。
とても緊張しているけれど、交渉はまとまっているから、難しい事は何もない。
少しくらい間違っても良いから堂々としているように、と言われる。

そんな、いわば宮廷デビューの場で事件が起きた。

相手側の派閥の有力貴族が、殺された。

即座に、侍従たちに囲まれて守られる。
ただでさえ緊張していたのに、人が殺されるのを見たら、動揺するに決まっている。震えが止まらない。

守られながら、控え室?のような部屋へ避難する。
取り巻きの貴族や侍従たちに、根掘り葉掘り聞かれた。

「最近、誰かに会わなかったか」
「不用意に、何か命じていないか」
「誤解されるような事を話してないか」

貴族たちの名前と顔が一致してないのに、そんなこと分かる訳がない。

「何でもいい、思い当たることはないか」
「あなたにその気がなくても、知らずに言質を取られた可能性も…」

…まさか、疑われている?

「間違っても良いから堂々としているように。王族とはそういうものだ」
そう言われていたから、動揺と恐怖を抑えようとしたけれど…
過呼吸になってしまった。情けない。

和解交渉は中止。そして決裂。
いつしか、暗殺の黒幕はあの王太子だという噂が一人歩きし始めた。

殺された貴族の地位を継いだ息子は怒り心頭だと言う。
敵対していたブルゴーニュ派の中で、和解に積極的な一族だったのに、今や反王太子の急先鋒になってしまった。

取り巻きたちは、私のことを責めなかった。

「かの死んだ貴族も、過去に何人か殺めている。当然の報いだ」と。

そうかもしれない。
彼の事はよく知らないから、何も言えない。
でも、あんな風に殺されたのは気の毒だと思った。

だけど、そんなことは関係なく、私は本当に事件のことを知らなかったんだ。

「私はずっとアンジューの修道院にいたんだぞ。ナントカ派だとか、宮廷の力関係とか、陰謀とか黒幕とか…そんなの知らない。暗殺の命令なんて出せるはずがないだろう!」

細身の頼りないシルエット。
声変わりして間もない感じの声質。

取り巻きたちは、私のことを責めたりしない。
だが、私の弁明など誰も信じてないのは明らかだった。


***

第三者として書こうと思っていたのに、いつの間にか一人称「私」になってる(汗)

シャルルさんの独白?
なりきりみたいで恥ずかしいから、憑依するの止めてくださいよ。
でも、独白モードの方が書きやすかった。次回からどうしよ…


上述の通り、暗殺事件前後のシャルルさんの心情を追いかけていたら「アンジューの修道院」というキーワードが出てきました。

次回は、その辺を掘り下げてみます。

続きます。

***

チャネリングやリトリーバルは、変性意識の領域で見聞きしているので、実体がどうなっているか分かりません。
解釈(フィルタ)次第で、見え方も考え方も変わるし、個人差があると思います。
他所の情報と違うとしても、私には判断できかねます。責任も取れません。
くれぐれも鵜呑みにしないでくださいね。