以前,このブログで坂本龍馬について話題にしたことがある.霊界からの通信が平成初期に宇宙学の学徒の下にあった.

 

 

私はこの内容から判断して,霊界にいる坂本龍馬本人からの通信がこのように確かにあったと信じている.死後百年以上が経過しても尚,坂本龍馬は日本人の心に多大なる影響を与えている.
 ところが,表題に示すように,「坂本龍馬はいなかった」という本がもう10年以上前からAmazonで販売されている.

著名:歴史ミステリー 坂本龍馬はいなかった
著者:細田 マサシ
単行本 (ソフトカバー) ‎:313ページ
出版社:彩図社(2012/8/25)
ISBN-10:4883928810

この本の説明の全文を示す.

「『好きな偉人ランキング』などの番組があると,必ずと言っていいほど1位に輝く人物,それが幕末維新の立役者坂本龍馬である.小説・映画・ドラマ・マンガなど悉ゆる創作物の主人公になり,日本人なら誰一人として知らない者がいないと言えるこの人物.しかし,その経歴を資料などから丹念に洗っていくと,我々が思い描いている竜馬像とかけ離れた姿が浮かび上がって来る.その誤解の大本になっているものは,坂崎紫瀾というジャーナリストの書いた『汗血千里駒』という龍馬を主人公にした小説である.この脚色に塗れた小説を元に現在の竜馬像が形作られていった為,龍馬の実像は様々な創作者や人々によって彩られ,今の姿に定着した.本書の著者は長年そのような竜馬像に疑問を抱いて来た.そして,歴史の一次資料を丹念に読み込む中で驚くべき新説に行き当たる.それは「坂本龍馬なる人物は抑々実在していない」というものである.本書ではこの一見突飛にも思える発想を一次資料などを引用しながら,丁寧に説明していく.本書を読了後,日本人の多くがイメージする『坂本龍馬』という存在は消えているかもしれない.」

 先ず,坂本龍馬が成し遂げたとされる偉業を次に示す.
1. 貿易会社と政治組織を兼ねた亀山社中(後の海援隊)を結成した.
2. 薩長同盟の成立に協力する.
3. 倒幕及び明治維新に関与した.大政奉還成立の立役者である.
 大まかに言えばこの3つだろうか.坂本龍馬がいなかったとなると様々な歴史的事実がなかったことになりはしないか,と心配する歴史ファンが多くいるだろう.だが,もう数年前になるが,主流の歴史研究家の中には坂本龍馬は日本の歴史にはさほど貢献していないので,歴史教科書から除外するという決定がなされたりした.「歴史学的に言うと,何も龍馬だけが偉業を為した訳ではなく,龍馬が決定的な役割を果たした訳でもない」というのが理由らしい.これに対して,坂本龍馬ファンで有名な武田鉄矢氏がテレビ番組で憤りを露わにしていたのが私にとっては大変印象的であった.
 扨て,話はややこしくなって来た.私はこのブログで本人からの霊界通信を取り上げるほどの傑物偉人であるというふうに熱烈に論じて来たのではあるが,どうも,事実が違って来た.我々はもっと冷静に歴史というものを深く解明せねばならないようである.そこで,やはり,同じくこのブログで度々注目している日本歴史上の最重要人物ヤジロウこと「岩屋梓梁」を語らねばなるまい.

 

 

 

岩屋梓梁が生きていた室町時代は我々が歴史で習ったような古い戦国以前の未開の文明ではなかったようである.窪田志一氏の著書には南北朝時代の傑僧石屋真梁なる鹿児島の偉人が明国(現中国)や高麗(現朝鮮)との船舶による交易を盛んに行っていた.その際,薩摩伊集院氏と長州大内氏は互いに深く交流していたし,その後の岩屋梓梁もその流れを汲んで朝鮮や明国への渡航を頻繁に行っていたというふうな記述がある.という事は,抑々,数百年前から薩摩と長州は本来深い同盟関係にあったということである.つまり,「薩長同盟」は室町時代以前に既に成立していたのである.
 また,通説では幕末当時の西郷隆盛は坂本龍馬との関係性がかなり深かったとされているが,窪田志一氏の西郷隆盛を語った著書の中には一切そういったエピソードが述べられていない.この一件だけでも,やはり,坂本龍馬の存在は歴史的事実「岩屋梓梁の行蔵」を隠蔽する為のフェイクである可能性が十分に高い.
 要するに,徳川時代の歴史家が徳川家康の指導の下で歴史的事実を歪曲して,如何にも江戸時代に長州と薩摩が仲が悪かったという噺を大衆に擦り込む為の策を弄したという事だろう.その流れの中で明治維新以降に小説で登場した坂本龍馬なる人物を恰も実在の人物であるかのようにして脚色し,日本の歴史ストーリーの中に登場させたのが大手マスコミの手口陰謀であるに違いない.
 また,江戸時代は元々存在しなかったという説を唱える歴史研究愛好家さえも世界中のYoutuberの中に少なからず存在している.

 

 

ということは,大政奉還なるイベントもなかったということになる.19世紀に江戸幕府が存在していないのであれば,何も坂本龍馬のような脱藩浪人が全国を奔走して幕府を瓦解させて,明治新政府を樹立させるといった働きをする必要もないではないか.19世紀初頭の騒動や明治維新の真実を隠蔽することに努力を重ねて来たテレビ新聞マスコミは,2024年現在も歴史の真実を深堀しようとはせず,相も変わらず歪な御用学者が唱える「歴史的通説」をなぞるだけの卑怯な姿勢を崩していない.
 一方で,その謀略機関のテレビ業界で番組の放送作家を務めている著者の細田マサシ氏が表題のような本を書くとは如何なる料簡であろうか?全く以てややこしい話である.本人は特にしがらみがない方なのか,こういった裏社会にとって莫大な利権に関わる異質な事が書けたということだろうか.
 以上のように,この件はもう少し深く掘り下げて議論すべきである.私自身は現時点で次のように解釈している.即ち,歴史上の傑物としての坂本龍馬という肉体を持った人間は存在しなかったが,小説のキャラクターであるところの「坂本龍馬」に宿った霊魂は確かに存在した.万物に魂は宿るのである.
 本ブログの読者は是非この本「坂本龍馬はいなかった」を図書館で借りて読んでみるべし.或いは,Amazonのレビューを読んでこの本の読者の様々な見解を確認してみたら如何か.

文献
1) 窪田 志一:岩屋天狗と千年王国 上下,岩屋梓梁顕彰会,(1987).
2) 窪田志一:西郷征韓論は無かった,日本ロマン集團會発行,(1982).