温かい日が差す

のどかで心地よい、

「こんな日が毎日ずっと続きますように」

と願いたくなる日もあれば、

 

冷たい風が頬を打ち、

たたきつけるような雨に

身も心も絶望的なほど

ずぶ濡れにされる

嵐の日もある。

 

 

人の人生もまた

そんなものかもしれませんね。

 

 

嵐と言えば、

 

その最大級のもので

このところ毎年、日本の各地で

甚大な被害を及ぼしているのが

 

台風

 

ですね。

 

 

「北西太平洋

(赤道より北で東経180度より西の領域)

または南シナ海に存在し、

なおかつ低気圧域内の

最大風速(10分間平均)が

およそ17m/s(34ノット、風力8)

以上のもの」

(気象庁HPより)

 

が台風の定義だそうで、

 

 

風速15~20m/sで

人は風に向かって歩けなくなり、

 

20m/sを超えると

何かにつかまっていないと

立っていられなくなるそうです。

(気象庁HPより)

 

 

そんな台風の衛星写真を見ると

巨大で強いものほど、

不気味にさえ見える

 

台風の目

 

がはっきり写っていますよね。

 

 

日頃雨を降らせている

普通の雨雲には存在しない、

 

宇宙から見たら、まるで

地球に穴があいたようにさえ見える

 

台風の目は

いったいどうしてできるのでしょう?

 

 

と、そんな疑問はさておき、

 

 

私たちが日本に住む限り、

台風の襲来から

逃れることはできないように、

 

私たちが生きていく限り、

人生における「嵐」からも

逃れることはできないもの

なのかもしれませんね。

 

 

だとしたら、

 

たとえ嵐がやってきても、

その試練に耐え、

立ち向かうのみですよね。

 

 

たとえ吹く風が、

「何かにつかまっていないと
立っていられない」

ようなものであったとしても・・・。

 

 

【NASAが公開した

国際宇宙ステーションから見た

2015年の台風第4号の目】

 

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"Life is a storm, my young friend. 

You will bask in the sunlight one moment, be shattered on the rocks the next. 

What makes you a man is what you do when that storm comes."

「友よ、人生は嵐だ。

身も心も揉まれ、

ボロボロになりかねない。

嵐のとき、何をするかで

人は成長する」
 

(アレクサンドル・デュマ

 『モンテ・クリスト伯』より) 

 

 

人生には嵐がつきものなら、

 


沈んでいくことも、

吹き飛ばされそうになることも、

負けることも、

 

生きていく上では

避けて通れないことなら、

 


その真っ最中に

怯え、嘆きながら

ただボロボロになるよりは、

 

 

不安も、焦りも、悔しさも

全てを明日への

エネルギーに変えて

 

ボロボロになりながらも、

歯を食いしばり、

地面を踏みしめながら

 

吹き付ける風の方向に

まっすぐ立ち向かい、

 

顔を向けていくこと。

 

 

"Quand tu souffres, regarde la douleur en face : 

elle te consolera elle-même et t'apprendra quelque chose."
- Alexandre Dumas -

 

「君が苦しんでいる時、

その苦しみを

まっすぐ見つめたまえ。

苦しみそのものが

君をなぐさめ、

何かを教えてくれるだろう」

 

 

じっと何もせず、

ただ丸くなって

目を閉じていて、

 

後になって、ただ

「ひどい目にあった」

 

と思うだけより、

 

 

立っていることすら

困難な風の中でも

 

自分の中にある

ありったけの

意思と忍耐と行動力を

振り絞って、

 

嵐を乗り越えるために

 

自分がやるべきこと、

乗り越えていくべきもの

 

を見つけていくこと。

 

 

そして

 

"Attendre et espérer!"


「待て、而して希望せよ!」

 

(『モンテ・クリスト伯』(山内義雄訳・岩波文庫)より)

(而して=「しかして」。「そして」「そうして」の意味)

 

 

自分が今、むかえている

試練の時は、

 

決して長く続かない。

 

 

嵐の後には空に輝く

虹を見ることができるように、

 

この試練を乗り越えた後には

必ずすばらしい明日が

やってくる。

 

 

そう信じること。

希望を持つこと。

 

 

それが

試練の中で

私たちに力を与えてくれる、

 

そして

試練を通して

私たちを成長させてくれる、

 

とても大切なこと、

 

なのかもしれませんね。

 

 

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アレクサンドル・デュマ

(Alexandre Dumas)

 

は息子の同じく作家の

アレクサンドル・デュマ・フィス

と区別するために

 

アレクサンドル・デュマ・ペール

 

とも呼ばれる

19世紀のフランスの小説家・劇作家です。

 

 

ある日無実の罪をでっちあげられ、

幸せな日々を奪われ、

「誰ひとりとして生きて出た者はいない」

という監獄に送り込まれた青年が、

 

餓死寸前の状態に陥りながらも

やがて自分の身に降りかかった

事件のからくりや

自分を罠にはめた者たちに

ついての真相を知り、

 

14年に及ぶ獄中生活の末、

脱獄に成功。

 

やがて自分を陥れた者たちに

復讐をしていく・・・

 

『モンテ・クリスト伯』

 

(日本では「巌窟王」という

邦題でも知られていますね)

 

は彼の代表作の一つであり、

 

日本でも最近ドラマ化されたので

ご存じの方も多いかもしれませんね。

 

【アレクサンドル・デュマ】

 

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主人公のダルタニャンと、

 

三銃士と呼ばれる

アトス、ポルトス、アラミスは

 

その手を重ねて誓い合います;

 

"Tous pour un, un pour tous."


「皆は一人の為に、一人は皆の為に」

 

アレクサンドル・デュマ
『三銃士』より)

 

 

これは、

 

第1部『三銃士』(1844年刊)、

第2部『二十年後』(1845年刊)、

第3部『ブラジュロンヌ子爵』(1851年刊)

 

の三部作からなる、

 

これも

アレクサンドル・デュマの代表作である

 

『ダルタニャン物語』

の中でも

 

有名なシーンの一つであり、

 

主人公たちが

変らぬ友情を誓い合った

印象深いセリフの一つです。

 

 

この言葉は英訳すると

 

"All for one, one for all"

となり、

 

あの「ラクビーの精神」と言われる、

 

「One for all, All for one」

 

の原典とも言われています。

(言葉の順番は逆になっていますが)

 

 

ラグビーの精神については、

 

元全日本監督の故平尾誠二氏は

「一人はみんなのために,みんなは一人のために」

 

ではなく

 

「一人はみんなのために、みんなは勝利のために」

 

が正しい意味だと

話されていたそうですが、

 

(詳細についてはこちらのサイトをご覧下さい)

 

 

デュマの

「三銃士」

の物語の中のこの言葉は

 

「皆は一人の為に、一人は皆の為に」

 

という文字通りの

 

友情

 

の言葉に解釈されており、

 


そしてデュマ自身は

 

友情について
このように述べています;

 

 

"Friendship consists in forgetting what one gives and remembering what one receives."

 

「友情の本質とは

与えたものは忘れ、

受けたものは

忘れないことだ」


 

私たちが
人生の嵐の中にいる時、

 

何かにつかまっていないと

立っていられないような時、

 

私たちを支え、

勇気づけ、


嵐を乗り越えていくために

必要な力を与えてくれる

 

 尊敬、

 信頼、

 絆、

 協力、

 思いやり・・・

 

の気持ち。

 

 

私たちが生きていく上で

 

家族同士の愛情とは

また違う形で

 

心を温かく、

人生を豊かにしてくれる

精神である、

 

友情

 

 

それは、

ただそこに

当り前にあるもの

としてではなく、

 

 

そこにあることに気付き、

感謝しながら

大切に育んでいきたい

 

そんな精神であり

存在ですよね。

 

 

【パリのデュマとダルタニャンの像】

 

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【こちらの記事も是非どうぞ】

運命をかえていくもの / アルベール・カミュの世界

正しい知識を!本当の勇気を! / マーク・トウェインの世界

逆境を乗り越える者 / トルストイの世界

勇気は気品 / ヘミングウェイの世界

 

【その他の名言記事へのアクセスは】

ここからアクセス!/過去の名言集記事 (# 271~# 280)

 

 

 

 

 

【映画「三銃士」予告編です。

0’56”あたりで

"All for one, one for all"

のセリフが出てきます】

 

【注記】

フランス人のデュマが語った

言葉はフランス語であり、

 

今回の記事では、

 

フランス語の原文のわかる言葉は

フランス語でも紹介させて

頂きましたが、

 

フランス語の原文が

わからなかったものについては

英文を併記での形で

ご紹介させて頂きました。

 

これは、

日本語よりは、英語の方が

本人の語った言葉のニュアンスが

より近い形で反映されているのでは・・・

と考えた上のことです。

 

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台風の目はなぜできるのか?

その理由は以下の通りだそうです;

 

熱帯の海洋で発生した

水蒸気は上昇気流となり、

その水蒸気が上空で冷えて

たくさんの積乱雲ができる。

 

水蒸気が雲の粒に変わるとき、

もともと持っていた熱を放出するので、

暖められた空気は軽くなってさらに上昇。

 

これが繰り返されるうちに

中心の気圧はどんどん低くなり、

暖かく湿った空気を

周囲から呼び込んで、

 

巨大な渦巻き状の雲

になる。

 

これが「台風」であり、

 

強く回転する物体には、

中心付近から外側に向かう

 

遠心力

(円の中心から外に向かって働く力)

が働く。

 

台風が発達し

渦の回転が強まれば強まるほど

遠心力も強くなり

 

これによって中心付近には

強風も入り込めない空間ができる。

 

これが

 

「台風の目」

 

・・・の正体だそうです。

 

(台風の目の発生理由については

こちらのサイトを参照させて頂きました)

 

【国際宇宙ステーションからみた2015年台風第4号の動画】