そこに光があれば

影もまた必ずそこにある。

それがこの世の自然の摂理。

 

鮮やかな光と暗い影。

 

光が強ければ強いほど、

闇が濃ければ濃いほど、

 

そのコントラストが織りなす光景は

見るものに強烈な印象と、

 

美と隣り合わせの

悲しさのようなもの、

 

そして感動を与えてくれますよね。

 

 

光と影のコントラストを

作品の構成に使用する絵画の技法は

「明暗法」あるいは「陰影法」と

呼ばれるそうですが、

 

この陰影法の使用でも有名な

 

17世紀のオランダの画家、

フェルメールの作品は、

 

光と影の表現を駆使した質感表現、

緻密で写実的な空間構成、

 

という芸術的価値と共に、

 

現存する作品が

30数点しかないという希少さから、

現代でも世界中にたくさんの

ファンを持つと言われています。

 

 

そんなフェルメールの作品の中でも

最高傑作の一つと言われるのが、

「真珠の耳飾りの少女」

という作品ですが、

 

実はこの作品、色々と謎も多いようです。

 

【フェルメールの「デルフトの眺望」】

 

////////////

ステファニー・ジョアン・アンジェリーナ・ジャーマノッタ。

 

ニューヨークの裕福な家庭に生まれ、

大切に育てられた彼女は、

 

4歳からピアノを習いはじめ、

多くの有名アーティストを教えた先生からの

手ほどきを受け、その才能を

めきめきと伸ばしていきました。

 

 

ところがその後、

入学した名門のお嬢様学校に

なじめなかった上、

いじめを受けてしまいます。

 

 

それでも持ち前の音楽の才能で、

17歳にして、

 

それまで世界で20人しか早期入学が

許されていなかったニューヨークの

ティッシュ・スクール・オブ・アート

(ニューヨーク大学の芸術学部)

に入学を許されます。

 

 

ところが、

そこでも周囲に疎まれてしまい

1年で中退。

 

その上、

心労から薬物中毒になってしまいます。

 

 

それでも、

当時活躍していた、

ブリトニー・スピアーズやビヨンセが

ステージの上でまばやく輝きながら

歌い踊る姿を見ているうちに、

 

「スターになる」

 

という夢が

 

自分の心の中で

確かで力強い輝きを

放っていることを自覚。

 

 

自らの中にある光に

目を向けたことで、

 

芸術活動に専念することを

決意した彼女は、

 

自らの意思で薬物を断ち切り、

19歳でデフ・ジャム・レコーディングスと契約。

 

 

とはいえ、

親元を離れた彼女の生活は

決して楽なものではなく、

 

後に本人曰く

「裕福なイタリア系の家庭の出では珍しいこと」

であるストリッパーとして働きながら

芸術活動を続けていきます。

 

 

その後、

2007年、21歳で

インタースコープ・レコードと

ソングライター契約。

 

ブリトニー・スピアーズらに

楽曲を提供するなどしているうちに

才能が認められ、

自身もアーチストとしての契約を結ぶ

機会をつかみます。

 

 

1年間、作詞作曲に専念して、

アルバム150枚分ほどの楽曲を制作し

 

そして、

満を持して2008年8月19日に発表した

デビュー・アルバム『ザ・フェイム』は、

世界中で大ヒットしました。

(世界での売上枚数は現在1,200万枚を突破)

 

 

こうして世に出た

 

レディー・ガガ

 

 

自分の才能を活かし、

たくさんの人から認められるという

まぶしく輝く世界と、

 

終わりがないとさえ思える

つらく孤独な暗い世界。

 

 

その両方を生きてきた

彼女だからこそ、

気付いたのでしょう。

 

 

今、自分のいる場所が暗く、

自分の心を悩ませ

沈めていくものだとしても、

 

それは決して、

救いようのない「闇」ではない。

 

そこはただの「影」の中。

 

 

そう、

 

“If you don't have any shadows, you're not in the light”

「光の中にいるから影ができるの」

(レディー・ガガ)

 

 

自分の周りにも、

 

そして

 

自分自身の中にも

自分を照らすことのできる

まばゆくきらめく光があることを。

 

 

その光の存在に気付けることも、

気付けないことも、

 

全ては自分次第であることを。

 

 

///////////

自分自身も、

気が遠くなるような闇の中を

通り抜けてきたからなのかもしれません。

 

彼女は、これまで

つらい境遇と闘うたくさんの人たちに

手を差し伸べ続けてきました。

 

ハイチ地震の復興支援、

エイズ撲滅運動、

 

そして

東日本大震災時の日本にも・・・。

 

 

震災直後の2011年3月12日、ガガは

 

"WE PRAY FOR JAPAN"

「日本の為に祈りを」

 

とデザインしたブレスレットを作成。

 

"I Designed a Japan Prayer Bracelet.

 Buy It/Donate here and ALL proceeds will go to Tsunami Relief Efforts.

 Go Monsters."

「『ジャパン・プレイヤー・ブレスレット』

デザインしました。

これを買ってください。寄付してください。

すべての収益は津波被害の救済に役立てます。

ゆけ、モンスターたち」

 

と自身のツイッターでコメントしました。

 

ここでいう「モンスター」とは

彼女のファンたちをさしているようです。

 

そしてその3日後の3月15日

彼女はこうツイートしています。

 

"Monsters: 

in just 48 hrs you've raised a quarter of a million dollars for Japan Relief. 

It's important we help."

「モンスターたちへ。

48時間で25万ドルの義援金を集めました。

私たちが支援することが大切なのです」

 

 

その後、彼女は

ブレスレットは2週間で

1億2,000万円以上売り上げ、

全額寄付したこと。

 

さらに、チャリティー以外で

レディー・ガガ 個人としても

1億2,000万円寄付したことを明かしました。

 

そして3月25日、

日本人に向けてメッセージを送ってくれました。

 

被災者の方たちに向ける

哀悼の意を示すためか、

モノクロの画面の中で

喪服をきた彼女は、

 

哀しみと不安に沈む私たち日本人に

こう語りかけてくれました。

 

"We have been praying and thinking of you all week.

I want you to know that you can always call on me for help 

and we have already been doing everything that we can, to send relief to all of you."

 

「ずっと、あなたたちのためにお祈りし

あなたたちのことを思っています。

いつでも私に助けを求めて下さい。

そして私たちはあなたたち皆さんを

安心させるために、既に私たちのできる

あらゆることをしてきました」

 

"I love you and I am praying for you."

「あなたたちを愛し、

あなたたちのために祈っています」

 

【日本人に向けて語りかけるレディー・ガガ】

 

日本の記者からのインタビューに

 

「日本のファンとは強い絆を感じる。

だからニュースを観るのが辛かった。

何かを口にするより、

まず行動すべきだと思った」

 

 

と答えた彼女は6月21日、

多くの海外スターが

来日をキャンセルする中、

来日しました。

 

 

「放射能は怖くないのか」

という質問に対し、

 

「平気よ。世界のみんなに

日本という美しい国を見てほしいわ」

 

と語り、

 

10日間の滞在の間、

多くのメディアに出演し

私たち日本人に寄り添い

励ましてくれた彼女は

 

震災支援に対する感謝として

日本政府から

観光庁長官感謝状と

福島の伝統品

「起き上がり小法師」

を受け取ると、

 

涙を流し小法師にキスし

 

 

「本当はこんなもの(感謝状)、

いらないの。

だって私の日本への愛は

無償のものだから。

でもこの感謝状は一生大切にするわ」

 

と語りました。

 

【2011年6月23日 日本での記者会見時のレディー・ガガ】

 

/////////////

"When I was in highschool, all my girl friends wanted to get jobs at Google.
And I wanted to be what they were searching for or putting on the side column, what comes up first."


「高校生のころ、

友達はみんなGoogleで働きたがっていた。 

私はそこで検索されたり、

サイドコラムに掲載されたり、

検索結果のトップに出るように

なりたかった」

 

 

自分自身の心の中の光に

目を向けながら、

 

鮮烈な光と

陰鬱な影の織りなす

人生を乗り越えてきた

 

心優しき少女、

ステファニーの夢は実現しました。

 

そしてもはや彼女を

ステファニーと呼ぶ人はいません。


 

世界中の誰もが知る

カリスマ的 大スター、

レディー・ガガは語ります。


"I want to, more than anything, to create a moment that people will never forget. 

Not for me, but for themselves."

 

「何よりもみんなが絶対に忘れない

その瞬間を作りたい。

私のためじゃなくて、みんなのために」

 

 

世界中の人に

夢を与えるアーチストとして、

 

そして、

 

世界中で助けを求める人たちに

手を差し伸べ続ける

慈善活動家として、

 

 

彼女はこれからも

たくさんの人たちに

 

「光はここにある」

 

と伝え、

 

彼女に関わる

一人一人の心の中にも

 

愛と勇気と希望の光を

ともしていくのでしょう。

 

【第51回スーパー・ボウルのハーフタイムショーで歌い踊るレディー・ガガ】

 

(今回のブログは2020/3/12に公開した内容を加筆、修正したものです)

/////////////

【こちらの記事も是非どうぞ】

たとえ世界があなたを見放しても / レディー・ガガの世界 II

 

彼が夢見た永遠 / マイケル・ジャクソンの世界

 

Just the way you are / ビリー・ジョエルの世界

 

Time After Time / シンディー・ローパーの世界

 

【その他の名言記事へのアクセスは】
ここからアクセス!/過去の名言集記事 (# 251~# 260)

 

/////////////

「光の画家」と呼ばれた

フェルメールの作品の中でも

最高傑作と言われる作品の一つ、

 

「真珠の耳飾りの少女」

 

この作品で描かれた少女は

少しだけ口を開き微笑んでいるように

見えることから

 

「オランダのモナ・リザ」

 

と呼ばれているそうです。

 

 

この作品はフェルメールが

何歳の頃に描いたのか

はっきりわからず、

 

また、

描かれた少女が巻いている

ターバンは当時、

オランダで流行っていたわけでもなく、

 

「モナリザ」同様、

 

ここに描かれている少女が

誰なのかさえ真相は不明だそうです。

 

だけど、


漆黒の背景の中に浮かび上がる

美しい白い肌と

輝いて見える青いターバン。

 

光と影の織りなす美に比べたら、

そんな謎はどうでもいいことかもしれませんね。

 

【フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」】