今日、NHKの全国のニュースを見ていたら、1県をのぞいて他の地域のニュースは全てが「熊の出没」に関するものでした。
マジで、日本がヤバいことになっています。
昨日は秋田の鈴木知事が防衛省に行って小泉大臣に自衛隊の派遣要請をしたということがニュースになっていました。
それに反応して「憲法9条がぁー」と頓珍漢なことを書いているメディアもありましたが、鈴木知事は元陸上自衛官です。自衛隊が山でドンパチなんて出来ないことくらい十分理解しています。
まあ、もし国内で陸自が銃を使って山狩りできたとしても、熊相手に自衛隊の装備が役に立つとは私も思いません。
世間一般的には銃なら何でも同じと思っている人も多いのかもしれませんが、戦闘用の銃と猟銃では種類が違います。
猟銃は多くが散弾銃か動物用のライフルです。
対して、自衛隊で使うのは対人用のアサルトライフルです。
今現在、陸自で使っているのは89式アサルトライフルでしょうか。
89式だとしたら弾の大きさは5.56ミリ。
人間には通用しても、熊を1発で仕留めるのには小さいですよね。
大型の獣に対しては6ミリ程度の口径では小さすぎると思うんですよ。
なので散弾銃とかが必要になるわけです。
で、ある程度視認できる距離で撃ったとして、熊を一発で仕留められなければ逃げてしまうか逆に襲われる危険もありますよね。
さらに普通の陸自の隊員は山をかき分けて熊を追うなんて訓練は受けていません。そんなことが出来るのはレンジャーだけだと思います。
なので鈴木知事も、箱罠の搬送と設置や捕らえた熊を運んだりするマンパワーを要請したんだと思います。
箱罠は私も賛成です。
秋田市あたりなら、山に近い集落に集中的に大量に仕掛ければいいと思います。
今までは山奥に仕掛けていたと思いますが、こう毎日民家に侵入したというニュースを目にすると、民家と山の境界あたりに設置したほうがいいのかもしれません。
今年の熊の状況を見ていると、もう山で生活する事よりも人の住む場所の方が住みやすいと学習してしまっているかのようです。
以前、アラスカかシベリアか忘れましたが、極寒の土地でシロクマの親子が廃屋に住みついていたというニュースを目にしたことがあります。
寒さをしのげる暖かい場所として、人間の住む場所は熊にとっても住みやすいのでしょう。
今日は熊が小学校に侵入しようとしていたというニュースもありましたし、もう大勢人間がいるところでも平気になってきているようです。
こんなことが続くようなら子供たちだけで登校もさせられません。
とにかく、大量の箱罠を仕掛けるのが一番です。
山奥だとそれをチェックしに行くのも命がけですから、山のふもとあたりに点々と仕掛けるので十分な気もします。
あとはエサですよね?
リンゴを置いたら箱罠にかかったクマがいましたが、そのリンゴにハチミツをかけておけばもっと効果的だったかもしれません。
熊のハチミツに対する執着はものすごいものがありますからね。
北海道のある畜産農家では、エサにハチミツを混ぜて栄養価の高い飼料を作っていたらしいのですが、そのハチミツを狙って熊が来るんだそうです。
もう、空になった容器だろうが何だろうが、ハチミツに対する嗅覚たるや凄いものがあるようです。
でも、生き物を殺すなんて、こんなことを考えるのは本当に忍びないですよね。
それでも共生していくにはお互いが適正な距離を保たないといけないわけで、そこは放置できる問題じゃありません。
そこは感情論でどうこう言える問題じゃないのです。
熊は雑食です。
海外のどこかの家庭で、熊を家族の一員として可愛がっているというニュースを目にしたことがありますが、その熊は果物や野菜しかエサとして与えられていないのだそうです。
つまり、肉が食べられるものだと理解していないから「可愛い熊」として愛されているわけです。
肉が食べられると知ってしまった熊は、もう人間と共存なんてできません。
オーストラリアではあのコアラですら「森林火災でユーカリの森が激減し、コアラの多くが餓死するだろう」という予測が立った時点で野生のコアラを間引きしていました。
クジラを殺すなと言って捕鯨船に攻撃を仕掛けてくるような連中ですが、コアラは予測だけで殺すのかと驚いた記憶があります。
そういう意味では「来年はドングリが不作だから今のうちに熊を殺しておこう」なんて考えていないだけ、まだ日本はまともなのかな?と思ったりもしますが、とにかくこの出没数は異常です。
そして、民家で人を襲う数も異常です。
何かもっと、熊の数を上手くコントロールする方法が無いのかと、動物学者さん達には知恵を絞ってもらいたいな思いますが、とりあえずはこれ以上人的被害が増えないことを祈る今日この頃です。
以上