安倍晋三氏の苦悩【時事所感134】
「戦後レジームからの脱却」
「憲法改正」
皆さんご存知の通り、安倍晋三氏が公言して目指していたことです。
テレビ、新聞等でも米国への依存体制から脱却を公言していたものの、なかなか進展しない状況について疑念を感じる支持者もいたでしょう。
安倍晋三氏を自らの番組に招いて対談していた故西部邁氏の発言を思い出します。
「安倍(晋三)さんも実際には根本的な理解は出来てはいないのではないかと疑念に思う点がある。
彼の著書のなかで、幼少期の安倍さんと祖父の岸信介さんとの会話の記述があるんです。
『お爺ちゃん、わざわざ米国が日本を助けてくれると言っているのに、何故みんなは(日米安保に)反対するの?』
と出てくるんです。」
故・西部邁氏もある時期から安倍晋三氏を番組に招くことがなくなったと記憶しています。
戦後レジームからの脱却、憲法改正が進まない理由の一つには、日本の現状を理解せずに更にこれらの課題にリアリティを持って思考して議論する大衆が少ないという点。
更に補足すれば、これらの課題について取り上げない新聞やテレビ等マスメディアの姿勢があるわけです。
これらの話については
「日本の自主防衛力」
「日本核保有論」
「米国の対日本政策」
「米国の覇権政策」
「大衆論」等
背景や理由は一元的でなく表層的ではないので、機会をみてお話ししたいと思っています。
関心ある方はこれらをキーワードにして調べてみては如何でしょう。
志半ばにして安倍晋三氏が亡くなられたことには大変残念に思います。
合掌
極めて有能、優秀な政治家に必要な3段階レベル②【時事所感133】
※誤って前回分、削除してしまったようなので再投稿しています。
前回からの続きになります。
お話しは国際政治専門のアナリスト伊藤貫氏です。
(伊藤貫氏)
有能で優秀な政治家や指導者に必要な3段階レベル、
①ポリシーレベル
②パラダイムレベル
③フィロソフィーレベル
プーチンはこの3段階レベルの思考の必要性を認識していて、これを認識しているだけでもかなり優秀なんです。
しかも3段階レベル其れ其れに分けて思考することが出来る能力があって極めて優秀なんです。
プーチンは其れ其れに広い知識と深い理解があって、
これら3段階レベルで分けて思考することを実践しているわけです。
彼が初めに始めたのは「ナショナル・ティーチング」です。
プーチンが頻繁に引用したり著書を推薦したりしているロシアの哲学思想家の主な3人、
簡略化してしまいますが御紹介します。
・ウラディーミル・ソロヴィヨフ (18~1900)
ロシアの哲学者でプラトンやカントの哲学を指示していて、プラトン派とカント派の哲学思想とキリスト教道徳を併せた哲学思想を提唱した哲学思想家です。
プーチンはソロヴィヨフの著書を熟読していて頻繁に引用して述べているんです。
このソロヴィヨフの著書を読むように薦めていて、
ロシアの政治家議員達や各地州知事や市長らに大統領からの指示で読ませているそうなんです。
・ニコライ・ベルジェーフ (1874~1948)
ヨーロッパの哲学とロシア神学、ロシア正教会のキリスト教を基にした思想哲学を提唱した人で、
ドストエフスキーに影響を受けてドストエフスキー的キリスト教解釈を受けた思想哲学です。
・イヴァン・イリアン (1883~1954)
ヘーゲル哲学の専門家でヘーゲル哲学と政治哲学思想、ロシアの政治保守思想やナショナリズムを基にした人です。
この3人は著名で特にソロヴィヨフとベルジェーフはロシア人なら殆どの人々が知っている程に著名です。
プーチンはこの3人の著書をはじめとして勉強するように大統領令で各州知事や市長や政治家達に通達して義務化しているんです。
一般的に独裁者と呼ばれている人物はヘンテコリンな人が多いのですが、
確かにプーチンは独裁者であるのは事実です。
然しながら彼プーチンは所謂独裁者、単なる独裁者というわけではなかったんです。
元々彼はロシアの大学No.1の国立モスクワ大学に次ぐレーニングラード大学(サンクトペテルブルク大学)法学部教授になるつもりだった、基は学者肌な人間なんです。
プーチンはロシア国内の人々の価値観、価値基準の混乱について危惧していて、
ロシアのあるべき価値基準や精神性について相当勉強しているんです。
そうしたなかでプーチンはこの3人の哲学思想家を頼りにしていて、
「この哲学思想家の内容について議論しようと思うから、勉強しておくように」と各議員や各州知事ら政治家達に彼ら3人の著書や勉学を推奨して義務化しているんです。
米国の大統領や日本の総理大臣にこんなことする人、こんなことが出来る人はいますか?
欧州各国にもいませんよ。
それをプーチンはやっているんです。
この3人の哲学思想家らは哲学や宗教、政治思想等各分野其れ其れに造詣があって、各分野広範囲に広い学識と深く理解があるんです。
最近の表面的な評論家らや政治家達みたいにイデオロギーを振りかざして喚き立てている人とは訳が違うんです。
プーチンは単なる独裁者だけではなくて、
ロシア人、ロシア文明を如何に保守して存立させるべきかをロシア人に考えさせて、如何にあるべきかを再認識、再教育する「教育家」をやっているんです。
私はこのプーチンの実践については真剣な試みだと評価しています。
以前から私は話をしているんですが、
プーチンは※インタビューのなかで、
「最も尊敬する政治家は誰か?」の問いに、
「ドゴールだ」と答えているんです。
※インタビュー自叙伝「FIRST PERSON」
プーチンのやっていることをみているとドゴールっぽいんです。
ドゴールというと威圧感のある如何にも軍人というイメージが先にくるのが一般的なんです。
然しながらドゴールという人は、非常に学識と見識を持っている人です。
ドゴールは良家に生まれ育っていて、幼い頃から学問において厳しく育てられていて、
父親はフランス・パリのリセの名門校の学長でして、
ドゴールが5~6歳頃からギリシャ語、ラテン語を勉強させて、ギリシャ哲学やラテン語の思想書を読ませて学問させているんです。英語やドイツ語も勉強させているんです。
彼ドゴールの家系的には、叔父さんや叔母さんとか親戚も学者や文学者で、
学者家系の環境でドゴールは育てられていて、
ドゴールは軍人として実績ある人なんですけれど、
それだけではなくて周りの政治家達に較べてみても学識や教養のある人物。
文章力が素晴らしくて、非常に教養があって、議論する思考力にも長けた人だったんです。
確かにプーチンはドゴールっぽいんです。
政治指導者や権力者、軍人であると同時にして、
国家や国民の在り方について如何にあるべきかを認識していて、それを再認識や再教育する教育者的視点の持ち主なんです。
日本についてもこういう人が過去にいたんです。
1950年代に活躍した重光葵(元外務大臣)、石橋湛山です。
この人達も元は学者肌な人物で、法学や文学、哲学思想等の学者になってよいほどの教養人でした。
話を戻して、日本や欧米西側諸国のマスメディアが取り上げるような「プーチンは血に飢えた酷い独裁者だ」という表現が多いのですが、
プーチンという人間をよく観察すると必ずしもそうとは言えないんです。
ロシアという国はボルシェヴィキによって共産革命が起こされて、
ロシアのゴルバチョフやエリツィン政権は米国政府によって完全に弄ばれて、
政治から経済状況までボロボロに悲惨な状態に追い込まれてしまったわけです。
そういうロシアの悲惨な状況のなかでプーチンという人間が出てきて、
ロシアを立て直すためには、ロシアはどうあるべきか、宗教観や道徳観、文明観、思想や価値基準について考えていて、
ロシアの人々が自分達の道徳的判断力や価値判断力を持つときに何に基本を求めるべきかについて真剣に考えるところからやっているんです。
以前から述べていることで、ソルゼンチンとプーチンは親交があって、公式には数回会っていることになっているんですが、メディアには非公表で実際にはプライベートで相当会っているんです。
イヴァン・イリアンの著書や思想哲学をプーチンに薦めたのはソルゼンチンだといわれています。
ソルゼンチンのロシア再建論が実はイヴァン・イリアンのロシア論に内容が類似していて、
プーチンが頻繁に引用しているのがこのイリアンなんです。
もう既に亡くなっていますがソロヴィヨフ、ヴェルジェーフ、イリアンという3人、
当時まだ存命だったソルゼンチン、彼らの思想哲学やロシア論を基盤にプーチンはロシア再建を考えているわけです。
何故これについて述べているかというと、重要な点なんです。
彼らは皆アメリカ文明に否定的です。
彼らはヨーロッパの政治システムや思想を猿真似してロシアに持ち込んで採用することにも反対なんです。
ロシア国内の単純的な主義思想や汎スラブ主義と呼ばれる考え方とはプーチンや彼らは対立していて、
スラブ文明だからスラブ主義でやっていこうという単純的な考え方に反対なんです。
マスメディアで「プーチンはナショナリストでファシスト、民族主義者だ」とよくいわれるけれども、実はプーチンもプーチンが頼りにしている哲学思想家もこれとは違うんです。
ソルゼンチンについては父親がコサック、母親がウクライナ人だったりするわけで、
故にソルゼンチンは「ベラルーシとウクライナはロシアから分断独立してはいけない」と考えていて、
それ以外の諸地域諸民族はロシアから独立しても構わないと考えているんです。
カザフスタン、キルギスタンとか他の旧ソビエト連邦領は分離独立しても構わない、白ロシア地域は分離独立してはいけないと考えているんです。
他の12の諸地域は分離独立してよいとしている。
日本や欧米西側諸国マスメディアで大ロシア主義とかいわれるんですが、
ソルゼンチンのこの考え方は大ロシア主義者達と鋭く対立しているんです。
プーチンもこのソルゼンチンの考え方を受け入れていて支持しているんです。
ロシア国内の他の思考する人々、諸派と比べても、
プーチンはかなり穏健な側なんです。
欧米西側メディアでいわれる「過激派プーチン」ではなくて、ロシア国内の保守派の穏健派のなかでもかなり穏健な側なんです。
ロシア国内のナショナリスト陣営のなかでもプーチンは穏健な側なんです。
米国C.I.A.長官のウィル・バーンズにして
「プーチンはかなり慎重な人間で、理性的で用心深い」と人物評を述べているんです。
そういうプーチンをウクライナに武力行使せざるを得なくなるまで追い詰めたのが米国政府なんです。
これまでのプーチンのロシアの経緯によって、
ロシアの政治家達や専門家、インテリゲンチア知識階級の間で「ロシアは如何なる社会システム、如何なる経済システムを作り上げるべきか」ということが議論されていて、
ロシアや欧米の学者や専門家の論文を読むとこれらがよく判るんです。
19世紀のヨーロッパの進歩主義についても
「ロシアはどこを受け入れてどこを拒否すべきか」とか
「フランス革命は何処が正しく何処が誤りだったのか」とか
「自由主義についてロシアはどう考えるべきか」とか議論をやっているんです。
日本の政治家や中央官僚に比べてよっぽど深い知識と思考と議論をやっているんです。
私は国家や政治の在り方として健全だと思います。
日本の学者や専門家は欧米の思想やシステムをそのまま受け入れる傾向がかなり強いんです。
欧米のいうことは鵜呑みに受け入れるんです。
過去200年なり250年なり過去に遡ってみて、自分達国家や社会が受け入れるに相応しいものなのかどうか、
哲学的、思想的、文化的、歴史的に遡って考えてみて、
それをそのまま受け入れるべきか否かとか考えている人が日本にいるのか、
そこまで深く掘り下げて議論して考える学者や知識人なんて日本には殆どいないんです。
日本のマスメディアや表面的に出てくる知識人や評論家や専門家は、
外国語が出来るとか、海外の情報や最新のトレンドに精通しているとか、
海外のトレンドを猿真似しているんです。
そうすることで一般の人々より自分達は進んでいるとか優秀性をアピールしているんです。
一方でロシアは流石にドストエフスキーとか輩出している社会や文化だけあって、
ツルゲーネフ、トルストイ、ソルジェンチンとか生み出している国だけあって、
米国や欧州とかの思想や制度について、
それらを自らの問題として引き受けてみせて、
自らの問題として深く掘り下げて深く考えて深く議論するんです。
ロシアの人々がこうした知的作業をし始めたことを私はとても好ましいことだと評価しています。
最後に付け加えると、
欧米側メディアで「プーチンの知恵袋」と評されている人で、アレクサンダー・ドゥーガンという人物がいるんです。
「プーチンはこのドゥーガンに操られている」とか「現代のラスプーチン」とかいうんです。
優秀な人間であることは確かなんですが、
彼ら3人の哲学思想家やソルジェンチン、プーチンらと較べると、そこまでには及ばないようで、
私は何回か彼ドゥーガンのスピーチを聞いているんですが、正論は全体の6割程度で残り4割は私は誤っていると思います。
今回のロシア・ウクライナ問題を切っ掛けに彼ドゥーガンの人気や支持が徐々に高まり始めたといわれています。
彼ドゥーガンの出現がこれからの国際社会、国際政治に如何ほどにどういう影響を与えるのかが気に掛かる点なんです。
私個人は30年以上も以前から述べているんですが、
国際社会、国際政治においては「多極型構造」「多極的文明」であるべきだと提唱しています。
ドゴールとかプーチンという人物はこの多極型構造の考えなんです。
私は日本や日本人がお手本にすべき姿勢や態度だと思います。
日本の過去200年から過去150年をみると、日本は欧米の思想を鵜呑み状態に受け入れて、それらを猿真似することに必死にやってきているんです。
それらを日本が日本人が受け入れるについて深く掘り下げて考えることを殆どの日本人はやってないんです。
表面的に米国や欧州諸国を鵜呑みして猿真似してトレンドを追っかけることだけに必死なんです。
日本人のこれに比べればロシアやロシアの知識階級が議論していることは遥かに知的作業レベルが高いんです。
日本の自称保守派と名乗る人々も左翼の人々も全く及ばないんです。
ロシアの政治家や学者、知識階級の人々がこういうことを真剣に知的作業をせっかくやり始めているタイミングなので、
日本の大学の学者や知識階級の人々をはじめ日本の人々には是非こういう知的作業を始めてほしいと思います。
日本が基盤として求める哲学的思索、日本の文明観、歴史的文化的にみる日本の価値基準を深く掘り下げて思考するところから始めて、
そこから日本のとるべき政治思想や社会システム、経済システムを導き出す作業、
日本が真の独立国家としてあるべき姿、とるべき外交政策、そこから次はあるべき国家の防衛体制とか議論出来るんです。
是非やっていって欲しいと思います。
極めて有能で優秀な政治家に必要な3段階レベル①【時事所感132】
極めて有能で優秀な政治家や指導者に必要な3段階レベルについてお話しします。
今回も国際政治、外交政策が御専門のアナリスト伊藤貫氏のお話しを御紹介します。
極めて有能で優秀な政治家や指導者に必要な3段階レベル、これを伊藤貫氏は「3つのP」と表現されています。
①ポリシーレベル(policy level)
②パラダイムレベル(paradigm level)
③フィロソフィーレベル(philosophy level)
判りやすく述べますと、
ある特定の一つの課題や問題について考えるとき、
その一つの課題や問題をこの3段階に分けて思考する必要性があるということです。
具体的な話に準えるために前回まで連続して話をしていたロシア・プーチン大統領を例に話をされています。
(以下、伊藤貫氏)
社会主義システムとソビエト共産党体制の失政によって、国家の経済規模が約1/2まで減少して、
1980年代にはロシアの国民男性平均寿命が67歳だったものが90年代には57歳まで平均寿命が短くなった、
ロシア国民で数百万人もの人々が酷い栄養失調に陥り、大勢の人々が病気や餓死して、凄惨な国民生活や国内状況でした。
国家体制から経済、社会、国民生活までロシアの人々が酷い目に遭ってしまって、
このままの状態が続くとロシア全体が制度や規範価値、国民や国家がバラバラに崩壊してしまう。
これを立て直さなければならないとプーチンは真剣に考えたわけです。
どういう道徳観、道徳的価値観、世界観、歴史観、政治思想、政治体制、宗教や哲学において如何なる観点や解釈、思想や姿勢を持つべきか、
プーチンはこれらを根本から立て直しの必要性を認識して考えたわけで、
これらを3段階レベルで認識しているだけでもかなり優秀なんです。
しかもプーチンはこれら3段階レベル其れ其れに知識を広くしかも深く知識を持っていて、
其れ其れを分けて熟考出来るかなり優秀な人間なんです。
これらを3段階レベルに分けて思考しなければ、
安定した結論を導き出せないんです。
日本の政治家も欧米の政治家も殆どの政治家は、これらを3段階レベル其れ其れに分けて思考する必要性を認識していません。
プーチンは政治思想、政治思想史、哲学史について知識があるんです。
法律についても憲法や憲法哲学、国際法、行政法等においても深く知識があるんです。
だからサンクトペテルブルク大学の法学部教授から声が掛かるわけです。
今述べている内容が実はアメリカ政府、米国とロシアの対立に深く関係があるわけです。
米国が一方的に押し付けてくる政治思想、経済システム、歴史認識等広範囲において米国式を押し付けてくること、これに対してロシアは如何に考えるべきか、如何に反論するか、
これらについての広い知識と深い理解と熟考がなければ確かな思考、反論は不可能なんです。
これをプーチンは認識しているだけでなく実行しているわけです。
現在の日本の与党自民党の政治家になんて絶対無理です。
これら3段階レベルを其れ其れ分けて考えることの出来る政治家なんていません。まあ、野党なんて尚更いませんけれども。
プーチンはロシアの本格的な立て直しをするために、
これら3段階レベルのうちから、
③フィロソフィーレベル、哲学、価値基準から始めるんです。
価値判断というのはまず哲学から出てくるんです。
「人間は如何に生きることがよいか」
「正義とは何か」
「国家の使命・任務とは何か」
「文明の違いとは如何なることか」
これらの思考には哲学要素が大きくて、
ロシアという国、ロシアの人々が持つべき哲学的視点や思想観、価値規範、価値基準とは如何なるものを持つことが望ましいかを真剣に考えるわけです。
確かにプーチンは独裁的体制の指導者です。
2001年以降権力者の座に就いた独裁者ですけれども、
単なる独裁者、独裁的指導者ではないんです。
現在の世界的社会問題をいえば、
欧州を主流としたポストモダン、
L.G.B.T.Q.トランスジェンダー問題とか、
米国ではフェミニズム問題とか人種問題とか、
沢山の人間が「自らのアイデンティティが〇〇だから」と其れ其れが口々にする、
其れ其れが個人的理由で「自分は〇〇だから」とバラバラに口々に言い始める、
「私は〇〇だから認めろ」とか、
「私は〇〇だから◇◇は認められない」とか
バラバラに言い始める。
一方ではネオリベラリズムの流れに乗っかって、
「人生は金儲けだけ」
「金儲けした者勝ちだ」
「家庭的事情で有名学校に進学出来なかったとか、いい企業に就職出来なかったとか知ったことではない。自分さえ今だけ金儲け出来れば、他の組織や社会がどうなろうと関係ない。」
他方ではグローバリズムがあって、
「国境等関係ない、国家なんてどうでもいい。グローバリズムで酷い搾取をされる人々が沢山いても自分には関係ない。自分さえ良ければどうでもいい。」
プーチンはネオリベラリズムもグローバリズムにも反対なんです。
これを受け入れるとロシアという国家、ロシア国内の人々がバラバラに崩壊してしまう。
ロシア社会、ロシアの人々がグローバリズム、ネオリベラリズムやフェミニズム問題とか受け入れるには好ましくない、望ましくないと考えているわけです。
宗教について述べますと、
欧州では約30年程前から徐々にキリスト教離れが加速し始めて随分と進行していて、米国でも最近10年程前からキリスト教離れが始まっているんです。
この宗教離れは各々が熟考したうえでの理由でキリスト教離れなのか、それとも伝統的信仰が面倒だとか気分的な理由だけでキリスト教を離教しているのか、
宗教から離れたら道徳的価値規範や価値基準を何に求めるのか。
そうなってしまうと残るのは、
「自分さえ良ければいい」
「自分の欲望を充たせればよい」
これだけが残ってしまう。
「今だけ、金だけ、自分だけ」
この思考にプーチンは反対なんです。
彼プーチンは義務感とか使命感が強くて、
そういう義務感、使命感の考え方なんです。
「自分だけが金儲け出来ればいいというものではない」
「自分の欲望さえ満たせばいいというものではない」
プーチンのこれまでを遡って観察するとよく判るんです。
彼は政治家として権力を掌握しただけではなく、
他の多くの政治家達を相手に、そしてロシアの人々に対して、
我々ロシアは、歴史の流れのなかで如何なる哲学や思想を本来持つべきか、如何なる哲学や思想を持つことが本来望ましいのかを真剣に真面目に考え始めたんです。
彼が初めに始めたことが「ナショナル・ティーチング」なんです。
プーチンが頻繁に引用したり著書を推薦したりしている主なロシア哲学思想家の3人を御紹介します。
(続)







