私的 桃太郎伝説 3
すると、男の子は凄まじい勢いで泣き叫びました。
桃太郎は、顔を歪めて泣く男の子を見て、あっけにとられました。人を傷つけるということの実感が、まだわかなかったのです。
男の子の腕からは、紅い鮮血がだらだらと流れてきます。桃太郎は、それをベロベロ舐めました。美味しい、と思いました。
けれども、さらに勢いをつけて泣き叫ぶ男の子を見て、今までに感じたことがない感情が桃太郎の中から起きてきました。
複雑に絡み合って湧き上がってくる様々な感情を、桃太郎の幼い心はキチンと受けとめることが出来ずに、ただなんとなく、なんか悪いことしたのかなあという思いに包まれただけでした。
その時、男の子の泣き声を聞きつけて男の子の母親が家から出てきました。
「 こら!あんた何してんの!!あ~こんなに血が出て!どこの子じゃ、あんたは! 」
桃太郎は、自分がやってきた家の方向を指さしました。
「 まあ、あそこの老夫婦んとこの子かね!ああ、あんたがあの桃太郎か。わんぱくな子とは聞いとったが、いい加減にしておきよ! 」
母親は桃太郎を怒鳴りつけて、男の子と一緒に家の中に入っていきました。
悲しくて、寂しくて、桃太郎はトボトボ来た道を引き返しました。時々、振り返って男の子の家を見ました。あの男の子に、また会いたいと思いました。
それからというもの、桃太郎のウワサは丘のふもとの村中に広まりました。もともと、やたらと力があって怪物みたいな子という評判はあったのですが、これを機に桃太郎は本格的に村人から恐れられる存在になってしまいました。
男の子の傷はかなり深かったらしく、ひと月経っても腕が自由に使えないほどだったといいます。
おじいさんとおばあさんも、そのウワサを聞いて驚き、桃太郎を叱りました。ちょっとしたケンカなら怒ることもなかったのですが、あまりに常軌を逸した行為だったので、怒らざるを得ませんでした。
桃太郎は、おじいさんにビシバシ殴られました。
「 あの男の子は、これよりもっと痛い思いしとるんじゃ!痛みのわかる子になりんさい! 」
殴られながらも桃太郎は、あの男の子の可愛いらしさを思い浮かべ、やっぱりもう一度会いたいなあと、ワクワクしてきました。
桃太郎は、顔を歪めて泣く男の子を見て、あっけにとられました。人を傷つけるということの実感が、まだわかなかったのです。
男の子の腕からは、紅い鮮血がだらだらと流れてきます。桃太郎は、それをベロベロ舐めました。美味しい、と思いました。
けれども、さらに勢いをつけて泣き叫ぶ男の子を見て、今までに感じたことがない感情が桃太郎の中から起きてきました。
複雑に絡み合って湧き上がってくる様々な感情を、桃太郎の幼い心はキチンと受けとめることが出来ずに、ただなんとなく、なんか悪いことしたのかなあという思いに包まれただけでした。
その時、男の子の泣き声を聞きつけて男の子の母親が家から出てきました。
「 こら!あんた何してんの!!あ~こんなに血が出て!どこの子じゃ、あんたは! 」
桃太郎は、自分がやってきた家の方向を指さしました。
「 まあ、あそこの老夫婦んとこの子かね!ああ、あんたがあの桃太郎か。わんぱくな子とは聞いとったが、いい加減にしておきよ! 」
母親は桃太郎を怒鳴りつけて、男の子と一緒に家の中に入っていきました。
悲しくて、寂しくて、桃太郎はトボトボ来た道を引き返しました。時々、振り返って男の子の家を見ました。あの男の子に、また会いたいと思いました。
それからというもの、桃太郎のウワサは丘のふもとの村中に広まりました。もともと、やたらと力があって怪物みたいな子という評判はあったのですが、これを機に桃太郎は本格的に村人から恐れられる存在になってしまいました。
男の子の傷はかなり深かったらしく、ひと月経っても腕が自由に使えないほどだったといいます。
おじいさんとおばあさんも、そのウワサを聞いて驚き、桃太郎を叱りました。ちょっとしたケンカなら怒ることもなかったのですが、あまりに常軌を逸した行為だったので、怒らざるを得ませんでした。
桃太郎は、おじいさんにビシバシ殴られました。
「 あの男の子は、これよりもっと痛い思いしとるんじゃ!痛みのわかる子になりんさい! 」
殴られながらも桃太郎は、あの男の子の可愛いらしさを思い浮かべ、やっぱりもう一度会いたいなあと、ワクワクしてきました。