かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」 -136ページ目

読書感想「悼む人」天童荒太

話題になってましたね、この作品。僕も読んでみました。が…読み終わるまで、だいぶ時間がかかってしまいました。

面白いとは思ってたし、感動もあったんですけどね…なんというか、下手に説明すると誤解されちゃいそうなんですが、人が死にすぎじゃなかったですか?

主人公が旅の中で多くの死と向き合うのは理解できます。それに関わる人達が複雑な事情の持ち主であるのも理解できる。できるんですけど、なんと言うかなあ~。

巡子さんの兄の死も理解できます。巡子さんの人格形成において欠かせない要素になってましたから。主人公の人格形成にも遠因として影響があったと考えればなおさらです。

でも、巡子さんの義父まで死なせる必要があったんでしょうか?寿命では駄目だったんだろうか。

あと、助産婦さんの夫も事故で死んでましたよね。終盤に登場する女医さんの娘も死んでましたっけ?病気かなんかで。

なんでこんな遠い人まで死なすんですか?しかも、みんな不幸な死に方ばっかり。そう思わずにいられませんでした。

まあこの作品は死がテーマみたいなものですから、僕の思うことが間違っているのかもしれませんが、この中に収められている死の数々は、僕にはあまりにも多く、あまりにも重すぎました。

いつか読んだ、あのマンガの「花の慶次」のワンシーンを僕は思い出します。佐渡を攻めている時だったかな?頭がやたらデカい巨漢がいて、慶次と一緒に敵の城を攻めるんですけど、その巨漢が途中で何本もの槍にぶっさされてもう死ぬかって時に、かなり後ろにいる慶次に向かって心の中でさようならの挨拶して、爽やかな顔して死んでいきましたよね。慶次もそれに応えて爽やかな笑顔で「また会おう。」と。ああ、思い出すだけでジーンときます。

人の死生観はそれぞれですから、僕の考えが正解だなんて言いません。ただ、個人的に合わないところがあったと言いたかっただけです。

死ぬのは僕だって怖いし、大切な人が死んでしまったらと考えると、身を切られるようにつらい。でも、これは言うまでもなくフィクションなんだから、死についての考えの、もう少し違う側面も見たかったなと思いました。

それと、登場人物のセリフにも不自然なところが散見せられて残念でした。あともう一つ、あの怜司という人も、いかにもつくりものの感じがして、作家からちゃんと命を吹き込まれていないような気がしました。

最後のほうは、文句なしで感動しましたけどね。いいラストでした。

まとまりのない文章ですいませんが、僕の感想を吐き出させていただきました。以上です。