かわぞうの小説集「官能小説・ひとりごと・etc」 -139ページ目

私的 桃太郎伝説 2

桃太郎はスクスクと成長しました。



母乳は必要ありませんでした。おばあさんは自分のおっぱいがしおしおに枯れているので、変わりに牛乳を飲ませようとしたのですが、桃太郎はそれを跳ね退けました。



そして、おじいさんとおばあさんが食べるものを指差してアー、アーと言います。試しにおじいさんがイノシシの肉をほんのひとかけら与えると、桃太郎はそれを夢中で食べました。




あまりにも美味しそうに食べるので、もう少し大きめの肉を与えると、それもあっという間に咀嚼して飲み込んで、もっと食べたいとアー、アーと声を上げました。



それ以来、桃太郎はおじいさんとおばあさんが食べるものと同じものを食べるようになりました。



しばらくすると、それでも足りなくなって食べる量を二倍三倍と増やしていきました。



イノシシの肉と、硬い熊の肉を好んで食べました。



桃太郎はほどなく立って歩き回るようになり、おじいさんの柴刈りにも自分の足でついていくほどになりました。



外にでると、桃太郎は嬉々として自然と戯れます。大木を何度も蹴ったり、石を拾っておじいさんに投げつけたり、ワナをかけて捕まえたイノシシを殴ったりしました。



時々、悪さをし過ぎておじいさんにゲンコツを食らったり、イノシシに蹴られたりして泣いても、泣きながらイノシシの頭をひっぱたきました。わんぱくな子でした。



そうして、またなんでも口に入れて食べようとします。カブトムシを食べました。川のナマズを、捕まえてそのまま食べました。ワナにかかってまだ生きているイノシシの背中にかぶりついたこともありました。



ある日、桃太郎は勝手に家を飛び出し、家のある小高い丘を降りてずんずん歩いていきました。



一里と少し歩いて、見ると、民家があり、そのそばで、可愛らしい男の子が遊んでいました。



桃太郎は不思議な生き物を発見したかのように、男の子に近づき……



その腕をつかんで、かぶりつきました。