☆☆☆+(3.5)
2023年6月30日 初版発行 株式会社KADOKAWA 483ページ 北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞、河北新報、山梨日日新聞の各紙に2021年6月から2022年11月まで順次 掲載
○辻村深月「この夏の星を見る」読みましたか
2020年 新年度、 亜紗は茨木県の高校2年生、小学校のとき、地元のラジオ局の子供相談で、月がなぜついてくるように見えるかという質問をした時に、熱心に質問に答えてくれた先生がいる高校を選んで、今の学校に入学し、その先生が顧問の天文部 に入っています。コロナの影響で毎年夏にやってた 合宿がなくなりそうです。
新宿の公立中学に入学した真宙はびっくり。入学した中学には小学生までやっていたサッカー部もなく、男子も学年ただ一人の入学でした。そんな時 同級生から 理科部に入らないかと誘われました。
長崎の五島列島の高校に通う高校3年生の円華は吹奏楽部です。こちらもコロナ禍で、吹奏楽の行事はことごとく中止になってしまいました。さらに家では民宿を経営しており、近所の人からコロナ患者が増えている県外の客を泊めていると、近所のおばさんたちの噂話に傷ついています。
そんな遠く離れた3人が、あることがきっかけで交流するようになるのです。。。、
ということで、辻村深月「この夏の星を見る」読みました。世界中に猛威を振るった新型コロナウィルス感染、その影響は各方面に及び、当然そのとき学生だった子供達にも影響を与えました。
この物語は、まだコロナウィルスの収束が見えない時期から連載が始まり、その頃の大変な状況を取り入れた中高生の青春群像です。
喉元過ぎればではないですが、生活様式も変わるべきは変わり、コロナ禍のことを忘れつつありますが、この小説を読むとその頃のリアルな空気が読み取れます。
それによって、中高生はどのような影響を受けた、それでも、自分たちでできる活動を続けた、登場人物たち。まさに青春です。著者が語らせる中高生の想いは、リアルで心に響きます。
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