播田 安弘「日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る 」(ブルーバックス)
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2020年9月20日第1刷発行 講談社ブルーバックス P 2149 404ページ
○播田安弘「日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る」読みましたか
この本は船の設計をしていた筆者が、その専門知識を生かして、蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和について、考察した本です。
蒙古襲来、文永の役のとき、本当に300隻の軍港船が博多湾に入ってこられたか、当時の船の造りや博多湾の深さから考察します。
また、本能寺の変ののち、わずか11日で備中岡山から京都へ2万の大軍を引き連れて京都に戻って戦った、秀吉の大返し。そんなことは果たして可能だったのか、可能だとすればどのようなことが観点が考えられるか、食糧、兵の消耗具合等々から検証します。
さらに、戦艦大和の設計から、海軍はどのように利用しようとしていたのか、なぜうまくいかなかったのか、他の使い方はなかったのか、日本の当時の駆逐艦の設計上の不備等等、知らない情報がだらけでした。
戦艦大和も、大和の沖縄特攻で生き残った吉田満が「戦艦大和ノ最期」1952年に綴るまで、ほとんどの日本人が大和について知らなかったということは驚きでした。
歴史上の知見を、今の新しい知見で検証し再構築するというのは非常に重要だと思いました。
日本の海軍と陸軍の風通しの悪さは、今の行政にも通じるのでないか、著者は憤っています。新しい歴史の切り口を知ることができた一冊でした。11922
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