宮部みゆき「あんじゅう 三島屋変調百物語事続」読みました 京極夏彦的内容だけどみゆき節 | 親愛なる人に-読書の薦め

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あんじゅう―三島屋変調百物語事続

☆☆☆☆+

563p 2010年7月25日 「読売新聞」2009年1月1日~2010年1月31日朝刊



○宮部みゆき「あんじゅう-三島屋変調百物語事続」読みました。


この本は、「おそろし」 の続編です。江戸にある袋小物屋の三島屋に住み込みで働く、主人の伊兵衛の姪っ子のおちかのところに人々が尋ねてきて、怪異を語るという、宮部みゆき版、「百物語」です。


前作「おそろし」からほぼ続けてお話を書き続けていますね。このお話、本人もノって書いているのではないでしょうか?読んでいて楽しいです。


京極夏彦的作品を宮部みゆきが書くとこうなる、みたいな感じです。「おそろし」から読むのが本筋ですが、「あんじゅう」から読んでも十分楽しめるお話しです。新聞連載当時使われていた(たぶん)南伸坊さんの挿絵が、どのページにもあって(欄外、時には半ページ)、それもこの本が読みやすい一因かもしれません。挿絵付きの小説も悪くないですね。


怖いけど肩の荷を下ろしてリラックスして読める、宮部みゆき作品です。新聞連載でしたし、宮部みゆきさんはこの作品で、さらにファン層を広げたのではないでしょうか、きっと。お薦めです。2241


以下、各章の覚え書きです。。。


第一話 逃げ水
田舎から丁稚奉公に出された染松には、ある問題がありました。彼には、お旱り(ひでり)さんが取り付いているというのです。彼の回りにある水は、無くなっていくのでした・・・


第二話 藪から千本
隣家の針問屋の住吉屋さんのいろいろな噂があった一人娘のお梅が嫁ぎました。当時としてはかなりの晩婚です。それからすぐ、住吉屋さんが店を閉めて引っ越すとのことでした。隣家のお梅の母、お路が来て、事の顛末を語るのでした。。。


第三話 暗獣
丁稚の新太が通う寺小屋の友達、直太郎の父は、ある空き家の不審火の犯人ではないかと疑われていました。そのことに詳しい寺小屋の若先生が不審火が出た空き家に住む、暗獣(あんじゅう)について語り出しました。。。


第四話 吼える仏
若先生とも新太とも親しい偽坊主?行然坊が、自分が若い頃流れ着いた、あるへんぴなだが豊かな村で起こったひと冬の怪異を語り出します。。。




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