2007 :Mems差動出力用の超小型XLR-AMPの試作 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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INVENSENSEのICS-40730、40720を推すのはナゼ?

 

「◯◯社のほうがメジャーだよ」という声もあるが、公開されているメーカー10社の、数多くの品種1つづつ調べ、その中からこの2つを選んだ理由は次の点にあります。

 

(サイズ、聴感音質、周波数特性、SN比、MaxSPL、差動出力部)、特に40730の良好な周波数特性とSN比74dBはMemsとしてはズバ抜けた値、そんなファクターから選びました。

40720はサンケンCOS-11(4Φ)、それ以下の3.5Φ仕上がり外径を最優先し、Loに制限はあるものの40730に負けないファクターと素性の良さから選びました

 

http://www.invensense.com/wp-content/uploads/2018/12/DS-000139-ICS-40730-v1.0.pdf (メーカー、販社とも現在進行形で対応中につきこのリンクも切れる可能性大です)

旗 (ICS-40730ではメーカーのデータシート上のOUTPUT+・-表記は逆であることにご注意ください。

本件、2019年12月16日にメーカー確認済み事項です。「データーシート改版時に訂正予定」との連絡を受けています)

 

 

https://www.invensense.com/wp-content/uploads/2015/02/DS-000045-v1.3-ICS-40720.pdf (メーカー、販社とも現在進行形で対応中につきこのリンクも切れる可能性大です)

 

 

試作完成したMems差動出力方式超小型マイクロホン(ICS-40730、40720使用)

 

XLR-AMPはケースにスイッチクラフトの「A3MB」、そして4PミニXLRをネジ合体させました。

 

 

【Mems平衡出力方式 1】

(Direct方式)・・・不適切と判断した。

☆ この方式は安易に考えつくが熟考の必要あり

「えっそうなるの?」ということで不採用。

 

雨  そっと使えば理屈通りきちんと動作しますが・・・それじゃダメですね。

ミニXLRまたはXLRともにファンタムONのまま2~3回抜き差しを繰り返すとMems-IC破壊に至る。

カップリングコン(50V10μF)のチャージ時に高圧DCがMemsの出力側、HOT及びCOLDに印加されるのか、抜き差しで50V10μFのマイナス側電位は0~48Vまでお構いナシにスイングする為なのか、「誤った使い方」とはいえフール・プルーフは業務用機器のお約束事、実験中40730を3個飛ばしたためこれ以上の追求は断念した。

 

 

 

【Mems 平衡出力方式 2】

(FET 差動出力AMP方式)

回路は定評のあるShinさん定番のFET差動AMPです。

この単純で安定した音の良い回路、唯一の泣き所は出力インピーダンスがやや高めである為、実用伝送距離70m程度であることです。

10年間の実績からみても3点(1点)吊り(100m~300m以上伝送)には向かず、ステージサイドまでの伝送、またはMAスタジオ向き回路というのが実績上も生みの親からのオススメです。

一部の製品でこの回路の考え方が採用されている例を確認しています。

 

チューリップ赤 ミニXLRコネクタについて

ミニXLRは通常のXLRコネクタの小型版という位置づけではなく、民生用3.5Φミニプラグ・ジャックを嫌った同等目的のプロ版コネクタという要素が強く、新しい設計では定番となっている。

そんな意味で、10年前からしつこく訴え続けて「ベストアクセス記事」にもなっている https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10733817436.html は多くの業務現場と機器メーカーにご支持いただいた結果なのかもしれません。

しかしプロのエンジニアからは、小さく、メンテしにくいため嫌われているのも事実であります プンプン

 

 

(ミニXLRコネクタのピンアサインについて) 

現在のところ、Shure結線、AKG結線、country man結線ほかが見られ、規格化とは言えない状況にあります。

ごくわずかな共通性が見える程度、各社マチマチの様相です。

ただ、「VDDを加えた平衡接続」の事例は今のところまったく見られません。

したがって独自ピンアサインにしましたが、Shure結線に近い一部の「市販XLR-AMP」にて条件付き動作することも確認できています。

 

(ミニXLRコネクタ、さまざまなピンアサインの例)

 

市販品XLR-AMPの場合、このピンアサインとVDD電圧にご注意ください。

5V系と3V系があり、3Pin型と4Pin型の一部が使えますが、動作しても当然ながらSN比は総じて悪い。

平衡入力になっていない、ピンアサインが違う、その為、仮に動作しても不正規な接続であるため上記回路の「純正品」とは比較にならないでしょう。

 

 

 チューリップ赤組みやすいXLR-AMPのケース求めて?年間

探し求めていたのがこれ、(Switch Craft A3MB)、求めていたのはコレだ

 

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/73919/

これならミニXLRコネクタとはネジで合体できるので細線が使える。

(オス側ブラケットはITT CannonSwitch craftが対象。サイズの短い無名メーカー品もあり)

 

内部のスキマも多少自由度がある。ただし基板の奥行きは約12mmが限界です。

 

かくして「Mems平衡出力を使った初のMems型超小型マイクが実現した。

 

(ICS-40730使用時の超小型ラヴァリエマイクロホン・セット)

不平衡回路比約3dBの出力レベル上昇にて説得力のある快適な音声を得た。

 

の課題は100Ω未満平衡出力のXLR-AMPです。

PNP-バイポーラTRの差動AMPになりますので基板奥行きは長くなることが予想されますが・・・

そして「完成度」が重要ですが、今回のケースには当然入らない。

選択肢はいろいろあるのだろう、できる限り市販の出来あい品の流用は避けたいが、いまのところ良案はない。

 

以上

 

 

(追記)2020.3.11

低インピーダンス平衡出力型はこちらをご覧ください

https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12580440744.html

 

 

 

 

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fetⅡ、fetⅡi、fet3、
fetⅡ‐bright など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作) 

 

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