無指向性マイクロホンの単一指向性化にはいくつかの方式があります。
そのなかでも「干渉管方式」は「超指向性」の代表的な方式として「二次音圧傾度型」と同時に有力なものです。
この方式は二次音圧傾度型に比べ、極小口径で超指向性を作ること自体、そして良好な音質を得ることの難しさがあります。
うまくいけば二次音圧傾度型より良好な音質が得られることで一日の長があるはずです。
今回の企画は超指向性でおなじみの「干渉管」を用いてShinのファンタム式パナ改マイク「FetⅡ」(無指向性)に装着し、無指向性マイクを単一指向性に変える「アダプタ」としました。
音孔は強く音響ダンプします。ここでは脱脂綿を強くつぶした音響抵抗を使いました。
微小口径ではスリットの入れ方と音響ダンプは非常に難しくカットアンド・トライの世界。
180度比はさほど大きくはなりにくい、ワイド単一指向性。
FetⅡにアダプタを付けて単一指向性化した例
長めの多孔スリット式も口径が小さいため指向性はつきにくい。
実験の結果管長は短め、スリットは小さめ、孔数の少ない方がキレイに指向性が付くようである。
試作において長さ方向にスリットを並べた「干渉管」(ライン)方式から出発し、最終的にスリット1個の干渉管方式に落ち着きました。
指向性能的には「ワイド単一指向性」、音質的に満足できるチューニングを行った。
結果、前後比は可聴域平均8~10dBとなりました。
【どんなものなのか ?】
※完全形状ではないですが「実動作試作品」としてはこれでご勘弁ください。
1.FetⅡの高音質を生かしたい。
2.超指向を狙わず「単一指向性」を着地点にした。
3.中の無指向性マイクとアダプターとのわずかな隙間も許されない。
(干渉管マイク側端面はテープでマイクとの間を押さえた)
4.スリットの音響制動の度合いで指向性能・音質が変わる。
(余録)
今回の試作において、同時に Memsマイクにおいても音響的アレンジによる単一指向性化を確認しました。(2019年10月15日)
Memsマイクの単一指向性化はすでに 1516及び1610にて別方式をご紹介しています。
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12018082114.html
https://ameblo.jp/shin-aiai/entry-12108487447.html
さいごに
「無指向性」マイクというと、FetⅡを引き合いに出してしまいますが、やはり20Φ以上でないと干渉管式の「超指向性」は無理であることがわかった。
引き続き課題としてまいります。
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以上ご参考ください。
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